先手必勝!夏休みこそ「前受け」リサーチを

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・「見切り発車」にならないために

いきなり「決勝」受験生の気迫
首都圏会場入試の功罪
2月に通じる「流れ」をつくる

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「見切り発車」にならないために

親御さんの多くが第1、第2志望の中学について、真剣に学校研究をします。

一方でほったらかしにされがちなのが、本命校挑戦前に受験する「前受け」「お試し」校の研究、選択です。

まだ夏なので受験校を「決定」する必要はありませんが、子どもの成績、希望、試験日程などを勘案しながら、リストアップしておく必要はあります。

真夏に動くのはちょっと…なので、涼しくなったらで構いません。

受験校へ行く交通ルートの確認(実際に電車に乗り、徒歩で学校へ)、入試説明会(学校説明会を兼ねた入試の出題ヒントと傾向、対策を学校側が説明)に参加します。

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過去問に取り組む時間、弱点補強、塾の志望校対策…6年後半のスケジュールはタイトです。子どもが熟考している時間はないので、親御さんがリサーチしたものを提示、助言して、そこからチョイスする形で受験ラインナップを組みます(ただし、入試結果によって入学する可能性のある学校はオープンスクールなり、文化祭などに行きます)。

「前受け」校の選定を「そのうちに」とか言っていると、生涯一度の中学受験が「見切り発車」の受験になります。

子どもが夏期講習で頑張っている間、親御さんは「前受け」候補にある程度目星をつけ、具体的な受験スケジュールを決める際の「持ち駒」として予定に組み込めるようにリサーチしておくのが得策です。

いきなり「決勝」受験生の気迫

「前受け」「お試し」という言葉のせいか、首都圏多くの受験生にとって「開幕戦」となる埼玉、千葉入試を軽く見る傾向の進学塾さえあります。

受験生の中には過去問を一度もやらずに受験したり、受験生だけでなく親御さんも入試当日に初めて来校し、初めて学校案内のパンフレットを見た、という家庭さえあります。

どんな学校か、入試はどのような傾向か、分からないまま、偏差値表から「見つくろって」前受け校を決めるのは絶対に避けたいところです。

なぜなら「前受け」は結果次第で中学受験全体の「流れ」を決めるからです。

持ち偏差値からみて「まずうかる」と思っていた学校に落ちたり、最初の試験の国語の読解素材文が長いものを出題する学校の「特徴」を知らずに受け、パニックになった受験生がショックから立ち直れず、不合格。その後、試験が怖くなり、力が出せないまま「全落ち」したというケースもあります。

合否によって、後に続く入試の結果は大きく変わってきます。12歳のメンタルはちょっとしたことで揺れ動くのです。

もう1つ、東京、神奈川の受験生や東京の学校を志望している埼玉、千葉在住の子には「前受け」であっても、「開幕戦」でありながら「決勝戦」、つまり「志望校の入試」にあたる受験生もいるということを忘れてはなりません

「ここに合格して入学したい」という受験生の気迫は凄まじいです。合格のために過去問を徹底研究し、塾の先生と対策を練り、足りない偏差値を何とかカバーしようと懸命だったはずです。

その「思い」が逆転合格を生み、ボーダーラインの子がしぶとく1点、2点を積み重ねて合格最低点を超えるるのです。

「前受けまさかの不合格」は、こういう目には見えないところの差で起こります。偏差値などでは測れない、客観的データなどでは語れないことが中学入試では珍しくありません。

「前受け」校の早いうちからの研究と志望校と同様の対策、過去問取り組みの時間が確保――早め早めの動きとぬかりのない準備が、志望校受験までの「いい流れ」をつくります

首都圏会場入試の功罪

時間がないのに対策までして埼玉、千葉まで遠征し、おまけにホテル予約までして前受け…というのが負担に感じるのなら、都内や神奈川県内で行われる「首都圏会場入試」を経験するというのも「あり」です。

北海道や九州など、関東以外の主に寮がある中高一貫校が1月上旬から中旬にかけて行う入試で、1000人規模の入試になる学校もあります。

首都圏入試は生徒を積極的に集めるというより、受験料を集める「集金」が目的だったり、学校の存在感をアピールするという性質が強く、合格者もかなりの数を出す学校が多い傾向です。

合格して寮生として入学する生徒もいますが、早稲田佐賀や海陽中等教育学校(愛知)などを除いて1桁程度の子しか入学しません。

移動の負担が軽いという点で「利用しやすい前受け受験」ですが、デメリットもいくつかあります

1つは「真剣勝負になりにくい」ことです。

前述の通り、一部の中学は合格の「出血大サービス」で、9割以上うかる学校もあります。問題も易しめで緊張感もそれほど…です。

試験会場も大学の校舎を使うところは雰囲気として「入試」を体感できますが、民間の会議室や商工会議所のホールのような場所では「入試」という感じにはなりにくいかもしれません。

中堅・一般校受験の子が受ける学校は、試験前から受験生に落ち着きや張り詰めた空気があまりなく、塾の模試のようなざわつきがある試験会場もあります。

「とりあえず合格をもらって、今後の入試に弾みをつける」という目的なら、語弊はありますが「ほどよい」学校を選んで受けるのも良いでしょう。

それよりステージが1つ上、2月に難関校や上位校で「真剣勝負」をする子は、埼玉、千葉入試で心臓バクバクの緊張感の中に身を置く経験をしておく方がベター。雰囲気に「のまれる」という状況は回避できる可能性が高くなります。

もう1つは「間隔」です。

主に1月上旬に行われる首都圏会場入試のみで「前受け」を終えてしまうと、2月入試までに約3週間空いてしまいます。入試を受けたという「感覚」も忘れてしまいます。実戦経験の効果が薄くなるのです。

1月中旬に1回か2回、1月下旬にここも1回か2回「実戦」を経験して2月へ、というのが理想的。ここでも入試が始まったという「流れ」を大事にします。

2月に通じる「流れ」をつくる

「前受け」受験で、子どもは多くの教訓を得ます。そして一段と成長します。

試験中の時間配分、問題を解く順番や手間のかかる問題を「どこまで追いかけていいか」の判断、ミスをせずに正確に解答用紙に書き込めるか(写し間違いなど)の試験そのものに関わる「実戦」を本命の入試前に経験するのは貴重です。

試験直前、今まで「想像もしなかった」経験をするのも中学受験です。

教室に入って着席した瞬間に「本番なんだ」と思ったらすごく緊張した、「始めてください」と試験監督の先生が言った瞬間頭の中が真っ白になり、3分くらい何も覚えていない――。そういう経験も「前受け」なら「許容範囲」ですが、2月入試だとなかなか笑って済ますことができません。

「前受け」は単なる「実戦演習」ではありません。志望校合格への「布石」です。日程、受験会場、難易度、入学延納金の有無などさまざまな条件を検討して2月に通じる「流れ」をつくるのが親御さんの大切なミッションです。

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