中学受験組と高校受験組 気になる入学後の成績

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◆中学受験の窓口 今日のメニュー
・御三家 高校入試は開成のみ
・大学受験対策 カリキュラム統一
・トップ、下位層は中入組が多い
「交わる」ことで起きる化学変化

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御三家 高校入試は開成のみ

中学入試がある私立で、高校入試も行う学校は最近減少傾向です。

21年度には男子校の本郷、22年度は豊島岡女子学園(いずれも東京都豊島区)が高校入試を廃止。中学からの募集のみで完全中高一貫校化しています。

今年5月には東京都世田谷区の東京農大第一が24年度を最後に高校募集を停止すると発表。25年度から中学入試一本で生徒を受け入れます。

都立も中高一貫校化が進んでおり、公立中学校に進んだ子は、高校受験の際に選択肢が限られる流れになっています。

男子御三家で高校入試を行っているのは開成のみ。女子御三家はすべて完全中高一貫校、神奈川男子御三家(聖光学院、栄光学園、浅野)も高校入試がありません。

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同系列でもスタイルは別で共学の渋谷教育学園幕張は高校入試ありですが、同学園渋谷は中学入試のみです。

大学受験対策 カリキュラム統一

高校入試廃止、完全中高一貫校化の流れの一番の理由は「大学受験対策」にあります。

中学入学組の多くは、中学2年で中学の課程を修了、中3から高校の勉強内容に入るケースが大半を占めます。

いわゆる「先取り」学習です。高2で全課程を終え、高3を受験のための演習、推薦入学のための小論文対策などり充てるとし、これを「売り」にしている中高一貫校は珍しくありません。

そこへ高校入試合格組が入学してくると、もう1つのカリキュラムを編成しなければなりません。

具体的には中学入学組と別にクラスをつくり、高2で中学入学組と合流すべくハイスピードでカリキュラムを「消化」していきます。

これが教員、生徒ともに想像以上に「きつい」といいます。

「特に数学と英語は7時間目も授業をやったり、夏季、冬季講習は授業の一環という扱いだったりと勉強、勉強になる」とはある私立の先生。近年の「働き方改革」の流れもあり、それならば完全中高一貫に統一を、という方向になっているのが現状です。

トップ、下位層は中入組が多い

先取り学習をしている中学入学組を高校入学組が追いかけ、追いつく、という展開が私立校の典型的な姿ですが、別クラス編成をせず、高校入学組と在校生の中学入学組「混合」クラスという学校もあります。開成などはその代表例の一つです。

毎年というわけではありませんが、混合クラスの場合、高校3年になると成績順に一つの特徴があるといいます。

成績のトップ30人くらいは、中学入学組がほとんどで高校入学組がベスト30に入るのは至難のようです。

ところが上位100人までとなると、今度は高校入学組が目立つようになります。

以下は中学組、高校組が混在して、下位50人くらいになると、圧倒的に中学入学組が多くなるという傾向が見られます。

高校入試を経験してきた層は、どの科目もバランスが良いため、成績でそう大崩れしないので成績も上位から中位で安定しています。

中学入学組は入学時から頭抜けている子や努力を継続している子がトップ層におり、入学後、勉強より部活動や他の活動に強い興味を持ち、勉強が二の次になった子は、成績が下降していく傾向にあります。ある意味、学園生活を十分「満喫」しているといえます。

中高一貫の進学校は、一部を除いて主に運動部系が高2で引退となります。中学入学組は、部活引退後に勉強に本腰を入れ、中下位から「再浮上」する子もいます

中学入試を突破した生徒はもともとポテンシャルがあり、勉強エンジンにも「馬力」が備わっているため、落ちるところまで落ちていなければ、割と短時間で成績を立て直すことができます

「交わる」ことで起きる化学変化

カリキュラム消化率や学校としての受験への方向性、先生の労働環境など、完全中高一貫校の方がメリットは多いかもしれません。

それでもあえて高校受験を残している学校は、大学受験対策や学校運営の「やりやすさ」よりも、公立中学出身者との「交わり」によって生み出される、新たな「化学反応」こそ校内が活性化する大切な仕組みと考えているからです。

中学入試を超えて入学した子の多くが、3年も経つと「中だるみ」や反対に「自分の道」にまい進していて、視野が狭くなっているものです。

その中で「新しい血」が混じることで、元からいる生徒も、新入生も刺激を受けます。その「化学反応」で校内はにわかに活気づきます

中学受験の際、高校入試の有無、あるとすればクラス編成がどうなるのかも受験校決定のポイントの1つ。どう判断するかは本人と親御さん次第ですが、大まかに言えば「同じ仲間と6年間」か「出会いが2度ある6年間」かという選択になります。

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