開智学園 ついに神奈川へ“上陸”
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・73年の歴史が大きく転換
・初年度から開智方式の入試へ
・せめて移行期間がほしかった
・神奈川受験地図は変わるのか
73年の歴史が大きく転換
6月1日、聖ヨゼフ学園(横浜市鶴見区)のホームページに掲載された「お知らせ」は驚き気を隠せませんでした。
「学校法人アトンメント会は、学校法人開智学園との間で、設置法人を変更することで合意いたしました」
簡単に言えば、聖ヨゼフ学園の経営母体が2027年4月から開智学園へ変わるということです。
1953年、カトリック系小学校としてスタートして以来、73年にわたって続いてきた「聖ヨゼフ」の名前は、まもなく表舞台から姿を消します。
キリスト教系の学校が同じ宗教的背景を持つ大学や学校法人と連携する例は珍しくありません。しかし、宗教校が、無宗教の学校法人へ移行するのはかなり珍しいケースです。
両者の接点として挙げられるのは、海外大学進学への資格が得られる国際バカロレア(IB)教育です。聖ヨゼフ学園も開智学園も国際教育に力を入れてきた実績があります。
実は開智関係者からは春の段階で「近いうちに大きな発表がある」との話は耳にしていました。
ただ、今回の法人変更はトップシークレットだったのかもしれません。
事実、学校側は27年度のパンフレットを「聖ヨゼフ学園」として作し、5月には説明会も実施していました。
ヨゼフの担当者も何らかの動きは感じつつ、具体的な内容が明らかになるまでは動けなかったのかもしれません。
初年度から開智方式の入試へ
新校名は「開智横浜国際中学・高等学校」となる予定です。
埼玉の開智、開智未来、開智所沢中等教育学校、茨城の開智望中等教育学校、東京の開智日本橋学園に続く、開智グループ6校目の中高一貫校。神奈川初進出です。
先に行われたオープンスクールの配布資料によると、入試は2月1日午前を皮切りに、4日まで計5回予定。最大の特徴は、姉妹校になる開智日本橋学園との「連携」です。
両校は同一日程、同一問題で入試を実施、それぞれで合否判定を行います。合格最低点が違うことが予想され、ダブル合格もあれば、どちらか一方、あるいは両方残念となります。
埼玉で開智と開智所沢中等教育学校が行っている方式の「京浜版」とも言え、初年度から開智色が色濃く反映された入試になるとみられます。
せめて移行期間がほしかった
学校側は、聖ヨゼフ学園が培ってきた教育文化を残しながら、開智の教育プログラムを導入する発展的な改革と説明しています。
実際にヨゼフの校訓「信・望・愛」は引き継がれます。
一方で、資料を見る限り、学校の軸足は難関大学進学を見据えた探究学習や進学指導へと移っていく印象です。
聖ヨゼフ学園の代名詞でもあった「カトリック教育」は、少なくとも受験生向けの学校像としては前面に出なくなるでしょう。
ヨゼフの「目玉」でもある、上智大学へのカトリック高等学校対象特別入学試験も、今後は継続が難しいと考えられます。毎年一定数の生徒が活用してきた進路の選択肢がなくなることは衝撃的です。
小学校から聖ヨゼフを選んだ家庭の中には、宗教教育や校風に魅力を感じていたケースも少なくありません。
もちろん開智への移行後も希望すれば内部進学は可能です。
ただ、今回の発表を受けて「別の進路も検討したい」と考える家庭が出てくる可能性はあります。
しかし、6年夏の時期に別の道といっても、選択肢はどうしても限られてしまうのが現実。悩む家庭も一定数ありそうです。
学校を取り巻く周囲のことを考えると、発表はともかく、体制変更には一定の移行期間があっても良かったのではないかと思います。
最近では明大世田谷(旧日本学園)のように、3年かけて告知、入試問題を徐々に変えるなど段階的に移行するケースもありました。
もちろん事情はそれぞれ違いますが、在校生への影響を考えると、あまりにも急な方向転換という印象は否めません。

神奈川受験地図は変わるのか
中学受験の視点で見れば、神奈川県内で開智グループの学校を選択できるようになる意義は大きいです。
開智ブランドに魅力を感じる家庭は多く、志願者数は現在の聖ヨゼフと比較すると「殺到」となる可能性があります。
一方で、これまでヨゼフを志望していた受験生にとっては事情が異なります。
開智日本橋学園との同一問題になることで、難易度は間違いなく上がると予測できます。
今後、説明会での人気や志願者動向、入試結果など一連の流れは大きな注目を集めることになりそうです。
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