大学入試「スタイル」の変化と難関中学の実情

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早稲田の興味深い入試データ
ついに「推薦入学」が過半数超え
推薦進学ゼロ!?慶應でも余る理由
・難関校は一般のスケールで測れない

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早稲田の興味深い入試データ

 早稲田大学が発表した21年度入学者の「入試区分の内訳」は、現在の大学入試がどういうスタイルで行われているのかを知る上で、とても興味深いものがあります。というのは、7年前の14年度と比べて、「入学経路」が変化を見せているからです。

 データによると、一般入試での入学者が51.8%で過半数は超えているものの、14年度の55.4%と比べると、3.6%減少しています。同じく減少しているのが、大学入試共通テスト(14年度当時はセンター試験)利用で3.7%から1.7%、帰国生・外国学生が4.6%から2.6%と、2ポイントずつダウンしました。帰国生・外国学生は明らかに新型コロナの影響といえます。

ついに「推薦入学」が過半数超え

 一方、増えたのが「指定校推薦」(14年度15.0%→21年度17.6%、以下同)、「付属・系属校推薦」(14.6%→17.5%)、「総合選抜型(20年度までAO入試)・自己推薦」(6.7%→8.8%)の3区分。タイプは違えど、いずれも「推薦」という大枠でくくられるもので、軒並み2%以上、3%と届くかという伸びをみせました。3つの「推薦」を合計すると、43.9%となり、7年前の36.3%より7.6%も上昇しました。

 昭和から平成にかけ、日本一の受験者数を誇っていた早稲田の入試も大きく様変わりしました。首都圏の主だった私立中高一貫校には早大から指定校推薦枠を複数もらっているところも少なくありません。中学受験でも100%早大に進学できる早稲田高等学院中学部、系属校の早稲田実業、早稲田中学・高校は大人気。最近では、創立者の大隈重信の故郷にある早稲田佐賀に進学した首都圏の出身者が。6年後に「逆上陸」を果たして、早大に入学するケースも増えています。

 同じデータを全国の国公立私立大学で見てみると、一般入試での入学者はついに5割を切り(49.5%)、学校推薦型で37.6%(14年度34.4%)、総合選抜型12.7%(同8.6%)で過半数を超えました。今後もペーパーテストによる「一発勝負」の入試は、年々鳴りを潜め、早い段階から進路が決まる、というスタイルが、大学進学の「主流」になるのは、止められないでしょう。

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推薦進学ゼロ!?慶應でも余る理由

 ただ、これは公立高校や首都圏以外の学校を含めたデータで、中学受験をして難関・上位校に進学した場合は、少し事情が違うようです。ある首都圏の難関私立中の教頭先生は「国公立大、医学部狙いの子が多く、ウチでは受験組が8割。推薦枠はごまんとあるが、毎年大半が使われぬまま」と、データとは違う世界の話をしていました。

 東大合格者数41年連続トップの開成は、推薦枠は非公表ですが、推薦で進学するのは東大の自己推薦型くらい。早慶でもそれぞれ200人以上合格し、こちらも合格者数トップですが、恐らく枠があるはずの推薦で進学する生徒は皆無です。

 女子の難関校の一角、鴎友学園女子では229人の21年度卒業生のうち、指定校推薦で進学したのはわずか6人。早稲田は5人が枠を使いましたが、慶應義塾は商学部、理工学部など計4枠が1つも埋まりませんでした。75人が国公立大に合格した鷗友ですが、たとえ慶應でも「自分の進路に沿う学部でないなら、“余る”こともある」と説明しています。

難関校は一般のスケールで測れない

 上位校では早慶枠は埋まるものの、年によっては東京理科や上智は「未使用」のまま。中堅校でもMARCHクラスでも「人気のない学部だと、ギリギリまで余っている」ことも珍しくなく、日東駒専になると、手を上げる生徒はほとどいないといいます。上位、中堅で、特に女子に人気なのが薬学部や看護学部のある大学。女子の自立心は、男子のそれを上回るというのが、共学校の先生の見方です。

 世の中的には受験ではなく、推薦で大学へという流れですが、中学受験組は「入れる大学」ではなく、あくまで「入りたい大学」志向です。一般的なスケールでは「測定不能」なのが、私学の独自の教育の「売り」といえるでしょう。(受験デザイナー・池ノ内潤)

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