夏だからこそ…受験を左右する「ホテル予約」

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・冬の「その日」のために夏に先手
・後でわかる「予約」の効果
・天気予報を見てからでは遅い
・わざわざ「前受け」の意味
冬の「その日」のために夏に先手
夏場に冬のホテルの予約?と思うかもしれません。
しかし、中学受験の経験のある親御さん、受験に関してできることは「先手を打っておきたい」という親御さんはすでに「行動」しています。
住んでいる場所、日程にもよりますが、12歳の子がトライする中学受験で、試験会場近くのホテルに前日宿泊するという作戦はかなり威力を発揮します。
目的は受験生、親御さんの「負担軽減」に他なりません。特に遠方からの受験が考えられる、埼玉、千葉の「前受け」「お試し」受験では、毎年相当数の「前泊」がみられます。
そのため、入試会場の近くの宿泊施設は結構早い時期から「埋まる」傾向にあります。
入試直前期だと既に「満室」ということは毎年受験生保護者の体験記でよく見かけます。
空いていたとしても「駅から遠い」「部屋が乾燥していてのどをやられた」など、逆に受験に支障をきたす事例も少なくありません。
猛暑の8月に来年1、2月のホテルを予約する人はあまりいないからこそ、安くて条件の良いホテルが見つかりやすいというものです。
受験直前になると、過去問に追われたり、併願校決定、出願手続きなど息つく暇もありません。後回しになりがちな、入試会場までの交通手段のチェックなどは「うっかりして…」という親御さんが本当に多いです。
まだ余裕のある夏休み中にインターネットを駆使してホテルを「押さえておく」ことは得策です。
後でわかる「予約」の効果
各進学塾の体験記などを読んでいると、入試当日「電車内での体調不良になった」という話はよく出てきます。
ある女子の話です。混雑の激しい通勤電車の中で気分が悪くなり、途中下車。しばらくベンチに座って休んで、いく分回復したものの、次に乗った電車もまた満員。乗換駅まで何とか頑張ったものの、今度は吐き気をもよおし…。
結局、試験開始15分経過した時点で学校へ到着。入試次第は受けられましたが、狂ったリズムは取り戻せず「すべり止め」だったはずの学校は不合格に終わりました。
その学校の場合、最寄り駅にホテルはありませんでしたが、2駅前は「ターミナル駅」で、数多くの宿泊施設がありました。
あらかじめホテルに宿泊していた受験生は、比較的ゆっくり朝食をとり、余裕を持って入試会場へ。リラックスして試験に臨めたようです。
入試が終わった後、受験経験者の多くの親御さんから「ホテルを予約しておいて良かった」という声を聞きます。
多くは「通勤電車」「ラッシュ」に子どもが慣れていないことを懸念しての予約です。
入学すれば、そんな厳しい条件での通学となりますが、入試当日くらいはせめて考えられる「最高の環境」で受験を、と親御さんが考えるからです。
すべての受験生には当てはまらないかもしれませんが、入試前日に宿泊するホテルを確保しておくことは、親御さん、受験生本人にとって精神的なゆとりを生み、入試での好結果につながる可能性を高めます。

天気予報を見てからでは遅い
もう1つ、ホテル予約で威力を発揮するのが「降雪(悪天候)」の時です。
中学受験シーズンは大雪に襲われる可能性が考えられます。各中学校は交通機関の乱れなどに対応し、試験開始時間を遅らせたりしてくれますが、前日に学校の近くまで来ていれば精神的にも体力的にも余裕ができます。
避けたいのは、試験数日前に天気予報を見て「慌ててホテルを予約しようとしても満室」という事態です。
天候に問題がなければ、キャンセル料が発生するギリギリで取り消せばよいだけのことです。早い段階から部屋を押さえておけば「まさか」の時に慌てずに済みます。
降雪でホテル予約が威力を発揮したエピソードを1つ。
ある男子受験生がA中学を受験、入試開始時間とほぼ同時に雪が舞い始めました。
前日の天気予報でこの事態を予測していた親御さんは、翌日のB中学の受験のため、着替えなどを小型のキャリーケースに入れてA中学の試験会場へ来ていました。
終了後、夏から予約していたホテルへ移動しチェックイン。館内に飲食施設、コンビニがあり、雪が降り積もる中、夕食、朝食とも外へ出ずに済みました。
試験当日は大雪。B中学まで電車で2駅、徒歩も含めて25分程度で到着。ホテルに宿泊したことで、子どもも余裕をもって挑め、合格となりました。
交通機関も混乱し、出勤時間を早めにした人たちが駅に殺到し、かなりの混雑だったという会話が入試会場控室のあちらこちらで聞かれました。
慣れない満員電車、大きく乱れたダイヤ、車内の熱気で気分を悪くする受験生もいたそうです。

わざわざ「前受け」の意味
そんなに「面倒」なら、わざわざ「前受け」をしなくても…という考えの親御さんもかなりいます。
合格しても行く可能性が低く、「実戦演習」のためだけなら不要、と割り切るケースも見られます。
ただ、わざわざの「実戦演習」は侮れません。
模試とは全く違った緊張感、多くの受験生が波のように押し寄せる威圧感、自分が想像していたより難しく「感じる」問題に対する焦燥感などが「前受け」=「実戦演習」にはあるからです。
模試などで緊張したことがなかった子が試験前に「急に怖くなった」と吐き気を催したり、チャイムが鳴って試験が始まると「頭の中が真っ白になった」「手が震えて解答が書けない」など経験したことのない状況に陥る受験生は続出します。
「前受け」は志望校合格のために必要な「布石」です。割り切った考え方は「大人の論理」であって、大人が想像だにしなかったことが起きるのが「中学入試当日」です。
幸い「前受け」ならこのようなアクシデントもまだ許されます。次に生かすこともできます。
しかし、できれば入試開幕戦となる「前受け」こそ、「環境」を整え、いい雰囲気でスタートさせてあげるのが「伴走者」たる親御さんのミッションです。
親御さんが必要と判断したなら、迷わず「ホテル予約」です。
「そこまでしなくてもよかったね」と後々笑い話になる可能性の方が高いかもしれませんが、中学入試は「一生に一度だけ」です。「やっておけば…」の後悔となっては笑えません。

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