「二月の勝者」にみる開成受験と“全額”免除

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・開成合格!お願いします!
・勝利を呼ぶ「最後のひと押し」
・ときめき、尊敬…開成の志望動機
入学すればずっと開成の仲間
・入学後の「化学反応」は醍醐味

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開成合格!お願いします!

 日本テレビ系ドラマ「二月の勝者―絶対合格の教室―」の第8話(12月4日放映)では「開成中学」がクローズアップされたエピソードが展開されました。

 ずっと開成を第1志望として頑張ってきた、桜花ゼミナールΩクラスの島津順くん(ジャニーズJr.の羽村仁成)だけでなく、夏の合宿からΩクラスに昇格した上杉海斗くん(伊藤駿太)が、「とっておきの秘密」を思い切って口に出し神社で願をかけました。

 「神様、お願いします!俺にも開成をチャレンジさせてください。無理だってわかっている。でも俺も一番上を目指してみたい!島津みたいにてっぺん目指してみたい!ママは絶対許してくれないと思う、今は…。でも、黒木先生はきっと応援してくれる」。

 海斗くんの勇気ある「カミングアウト」に島津くんも呼応します。「開成合格!俺も海斗も開成合格!お願いします!」。海斗も続きます。「開成合格!俺も島津も開成合格!お願いします!」

勝利を呼ぶ「最後のひと押し」

 創立150周年を迎え、高校の新校舎の一部が完成した開成。首都圏の私立中学最難関、東大合格者数40年連続日本一でありながら自由な校風で、それぞれが思うように中高の6年間の学園生活を謳歌できる学校として毎年1200人前後の男子が受験します。

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 多くの中学校が複数回受験の機会を設ける中、入学試験は2月1日1回きり。多くは小学3年の2月から丸3年かけて、その1日のために全力を尽くす。まさに「鍛錬1000日、勝負一瞬」です。

 その開成にチャレンジしたいと宣言した海斗くんの偏差値は60に届いた程度。開成合格生徒の多くは70前後の持ち偏差値で、本人も「無理だってわかっている」と言う通り、偏差値的には「遥かなる開成」です。

 しかし、「俺も一番上を目指してみたい!島津みたいにてっぺん目指してみたい!」という心意気たるや、涙さえ誘います。傷つかずに、分相応に、大学受験をはじめ中学受験でも無理するくらいなら入れるところへという「安全志向」が多い中で、立ち向かっていく姿は12歳ながら「勇者」です。この言葉に奮い立った人も多いと思います。

 開成だけに限らず、この「●●してみたい!」の純粋な気持ちを持って子は中学受験に挑む子は「一番強い」です。受験でもスポーツでも「強い気持ち」は「最後のひと押し」となります。

 中学受験は気合だけではどうにもなりませんが、「最後のひと押し」は大金をかけた直前講習や個別指導よりも合格へ威力を発揮します。

ときめき、尊敬…開成の志望動機

 開成を目指す子は「偏差値が高い難関校だから」「東大への近道だから」という子もいますが、それぞれ「●●してみたい!」を持っている子が多いようです。

 コロナ禍前は2日間で約4万人が来場する文化祭に参加してみたいだったり、開成の代名詞でもある5月の運動会に出たいだったり、70ほどあるという部活動・同好会に魅せられたものがあった、など本当に十人十色ですが、本当に個性的な目標を掲げて2月3日の合格発表を待ちます。

 家庭崩壊の危機の中、受験断念を一度は決める島津くんでしたが、「最後に…」と解いた開成の入試問題で黒木先生からハナマルをもらうとつぶやきました。「やっぱ最高だよね、開成の問題。こんな問題出す学校にチャレンジしたかったな」。

 偏差値が高いからというのではなく、心底勉強が好きで「自分の力を試したい」からこその開成志望でした。「こんな問題を出す」開成に「ときめいている」といのが島津くんの志望動機です。

 そんな島津くんへの尊敬と憧れもあって上杉くんはいつしか開成を第1志望校にします。双子の弟、合格実績No.1の進学塾「ルトワック」で麻布を目指す陸斗への対抗心もあったかと思いますが、母親も知らなかった「本命」は、塾仲間の影響が大だったのです。

 こういう志望動機も開成受験のモチベーションになります。

入学すればずっと開成の仲間

 収入を一手に担う父親と別居することで、島津くんは開成どころか、中学受験自体をあきらめようとしていた。母親もそのつもりで黒木先生との話を進めていました。そんな黒木先生が提案したのが奨学金制度です。黒木先生は他の中学とは違う選考基準をこう紹介します。

 「年間所得218万円以下、または給与収入400万円以下の世帯の子弟で、開成に学びたいにもかかわらず経済的理由から断念しようとしている学生のための制度です。つまり経済的理由は順さんが開成受験を諦める理由にならないということです」

 この制度、実際に開成にある「開成会道灌山(どうかんやま)奨学金」のことです。開成学園の同窓会組織「開成会」の寄付で成り立っています。

 対象は中高それぞれ10人程度。中学校から入学した場合、入学(48万円、高校の分も含む)、授業料(約295万円)、施設拡充資金(47万円)など、6年間で計476万6000円が奨学金として交付されます。自己負担金は中高合わせて約75万円。生徒会費、修学旅行、学年旅行費などで使います。

 多くの中学校の特待生は入試の成績だったり、特待入試を経て決まります。入学後も成績優秀でなければ進級時に特待生の権利をはく奪されます。

 開成では事前面談はありますが、それが合否に影響することはなく入試に合格さえすれば奨学金の対象になります。入学後の条件は「学業及び学校行事に精励すること。条件は、上級学年への進級をもって充たしたものとする」という一点のみです。

 開成は入学後、いじめや犯罪行為などがあった場合、退学などかなり厳しい処分が下されます。しかし、根本にあるのは、一度入学したら「最後まで仲間」という文化です。この文化は卒業後も続き、運動会の組の色が同じ、というだけで「一生の友」という話は決して大げさではないのです。

入学後の「化学反応」は醍醐味

 開成の実質倍率は例年約3倍。合格者は400人程度で300人強が入学します。順当合格から、逆転合格、夢破れて不合格、そしてまさかの追加合格…。十数日の間に1200人の受験生にさまざまな物語があります。

 開成だけでなく、他の中学受験でもそれぞれの物語があります。そして縁あって、入学すれば、育ってきた環境も住んでいる場所も、家族構成も違うさまざまな背景の子が、同じ学校、同じ学年、同じクラスで交わることによって、またさまざまな「化学反応」が起こります。そうやって「一生の友」が見つかることもよくあります。

 高校生の先輩とも距離が近いのが中高一貫校です。兄や姉のような存在を間近にして子どもたちは大きな影響を受けます。進路や大学受験も先輩の背中を見て…というのは、一貫校ならではです。

 中学受験、なかなか味わい深いものがあります。(受験デザイナー・池ノ内潤)

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