合格実績に引きずられない「身の丈中学受験」

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「背伸び」ではなく「身の丈」で
・「身の丈」の塾、家庭教師選び
違っていい 登る山はそれぞれ
作戦参謀がブレては戦えない
「背伸び」だらけは「全落ち」

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「背伸び」ではなく「身の丈」で

 中学受験はできるだけ偏差値の高い、大学の進学実績が良い中高一貫校に入学するのが「成功」という「風潮」があります。合格実績を掲載する進学塾のホームページや出版物、チラシなどでも、御三家や難関校、早慶などの大学附属・系属校は、ひと際大きな字で目立つように「演出」しています。 

 塾という教育産業が、受験を考えている親御さんに「ウチの子も御三家に!」と、夢を抱かせるのは、戦略的に否定できません。しかし、親御さんがそれに引っ張られて受験校を決定したり、子どもの実力以上に無理な「背伸び」をさせるのは、避けたいものです。

 高い目標の旗は簡単に下す必要はありませ河、最終的にその子の学力、性格など「サイズ」に合った、「身の丈」受験になるのが、中学入学後を考えてもベストです。 

「身の丈」の塾、家庭教師選び

 「身の丈」受験として分かりやすいのが、通塾する進学塾の選択です。例えば偏差値的にみて「中堅校」「一般校」(首都圏模試で偏差値59以下、四谷大塚では同50以下)の学校を目指すのなら、御三家・難関校志向の受験生が多く集まるサピックスは方向性から見てフィットしているとは言えません。「自分の第一志望」を掲げる栄光ゼミナールなどの方がテキスト、授業の方向性がマッチしていると言えるでしょう。 

 信頼のおける家庭教師の先生とともに乗り切るのも別の選択肢として「あり」でしょう。集団塾へ行けば、カリキュラムに沿って受験に必要な学習内容が漏れなく提供されますが、授業進度はクラスのトップレベルに合わせて進みます。家庭教師なら受験生本人のペースに合わせてのスケジューリングが可能になり、志望校対策も充実します。 

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 ただ、家庭教師は「当たり」の先生と巡り合えれば、という前提があり、これが受験以上に「難しい」です。学生さん、プロ(といっても、別に資格があるわけでもありませんが)問わず、肌感覚では学習計画を立てきっちり伴走できる先生は全体の2割程度といったところです。

違っていい 登る山はそれぞれ

 通塾にしても、家庭教師にしても、あるいは「親塾」で自力突破を目指すにしても、大切なのは「オリジナルの受験プラン」を貫き通せるかどうか、というところにあります。 

 中学受験の盛んな地域では、御三家や難関校を目指さないといけないような雰囲気が漂い、その方向で進まないと子どもが「バスに乗り遅れる」のではないかという強迫観念に襲われる親御さんも少なくありません。しかし、周囲はどうあれ、家庭それぞれで目指すべき「山」は違います。「みんなが登る山だから」ではなく、登るべき山は自分たちの意志で選ぶべきです。 

作戦参謀がブレては戦えない

 カギを握るのは親御さんの姿勢です。親御さんがどっしり構えている家庭は、志望校に関わらず子どもは落ち着いて「身の丈」受験ができます。実際のところ、併願校や家庭学習の進め方などいろいろ考え、悩み、オリジナルの「身の丈」受験を推進していくのは、簡単ではありません。大変さを子どもに知ってもらうのは良いのですが、いらだちを頻繁に表に出さないようにする「演技力」は大切です。 

 子どものことを一生懸命考えているものの、親御さん自体に余裕がなく、いつもカリカリしていたり、右往左往して浮足立っている雰囲気が漂うと悪影響を与えます。受験生本人にもその空気感が伝染して学習に集中できないものです。

 勉強が進まない理由を環境のせいにするのは、できない子の典型例ですが、親御さんの方針が決まらずフワフワしている場合は、同情すべきものがあります。成績を伸ばそうにも作戦参謀である親御さんがブレていては、戦う環境は整っているとは言えません

「背伸び」だらけは「全落ち」 に

 大きな夢を抱いて始まった中学受験。最初に決めた第1志望を最後まであきらめる必要はどの子にもありません。どんなに高くて難しいところに志望校があっても、そこへ行きたい、届きたいという希望が心にある限りは挑み続けるのが正しい中学受験です。 

 しかし、その理想に固執し、「別の道もある」という柔軟性を持たないと「身の丈」を逸脱して、「背伸び」だらけの受験となり、ちょっとしたことでバランスを崩して総崩れ=一番恐ろしい「全落ち」の中学受験になる可能性が高くなります。

 「背伸び」をして第1志望にトライしても、第2志望からは「身の丈」の学校を用意すべきです。親御さんのリードの仕方次第で中学受験の成否は決まってきます。(受験デザイナー・池ノ内潤) 

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