「学校別模試」合格可能性20%は絶望なのか?

+14
にほんブログ村 受験ブログ 中学受験(本人・親)へ
にほんブログ村 筆者プロフィール

◆中学受験の窓口 今日のメニュー
絶好の機会の「学校別模試」
学校別模試は最高の実戦演習の場
20%、50点足りなくても合格!?
判定悪くても気にせずに

スポンサーリンク

絶好の機会の「学校別模試」

9月以降、各大手進学塾は「学校別模試」を実施します。

男女御三家、早慶、駒場東邦、栄光学園、聖光学院、渋谷幕張など最難関、難関校を中心に、複数回行われる学校もあります。

どこの塾の模試が良いかは各家庭の判断となりますが、受験層のレベルを考えると、サピックス主催の模試がより本番に近い層が集うと予想できます

家庭や塾で過去問に取り組むより、何倍も「得るもの」がある絶好の演習の機会です。

特にサピックス以外の塾に通っている子は「道場破り」くらい強い気持ちで、サピ勢に挑戦です。

スポンサーリンク

学校別模試は最高の実戦演習の場

学校別模試を受けるメリットは主に3点あります。

まずは、志望校に絞った立ち位置が確認できることです。

一例を挙げます。桜蔭は2022年度入試で557人が出願、実際受験したのは534人でした。対して、サピックスの学校別オープンで桜蔭模試は9月の1回目に543人が受けました。

模試と実際の入試で受けた生徒の顔ぶれは多少違うかもしれませんが、人数はほぼ同数。限りなく本番に近い予行演習の場となります。

2点目はいくつかの模試が、その学校を会場としているということです。

小学6年生の子どもにとっては模試とはいえ、志望校の中学校の教室を使用して受けたテストは良い経験になります。いわゆる「場慣れ」です。例え1回でも、貴重な体験です。

サピックスだと渋谷教育学園系や聖光学院、豊島岡女子学園などが教室を提供してくれて、同校の模試が受験できます。

3つめは試験問題の冊子、解答用紙の体裁はそっくり。紙質さえ同じというところです。

塾によっては入試当日と同じタイムテーブルで進行する模試もあります。過去問集をコピーする家庭学習の対策とは違い、限りなく「本物」で実戦に取り組むのは有益です。

実際、本番でその学校独自の問題冊子、解答用紙になじめず、合格できなかった例もあります。

第1志望ではないにしても、進学先の候補に入っているのなら、学校別模試は迷わず経験しておくべきです。子どもたちにとっても、受験が、志望校がよりリアルに感じることができます。

20%、50点足りなくても合格!?

合格判定20%、合格最低点まであと50点――。模試結果を見て、頭がクラクラする親御さんも多いことでしょう。

総合模試なら「ウチの子には合わなかった問題が出た。気にしない、気にしない」と「強がり」も言えますが、学校別は志望校に合わせた出題傾向です。予想問題の要素が強いのでショックがより大きいかもしれません。

ショックを受けた親御さんの救いとなればと思い、ある一例を挙げます。

サピックスの麻布模試を受けた男子は、4科目の総合偏差値が41、約800人の受験者の中で580番。合格可能性は20%、合格点には50点前後も足りないというものでした。

中でも算数は惨たんたるもので、偏差値33.5。後ろには36人しかいませんでした。絶望的です。それでも2月1日の本試験は合格しました。

開成や麻布、桜蔭などに合格した子でも「学校別模試は悲惨だった」という話は枚挙にいとまがありません。この生徒、合格判定サピオープン4回での算数の平均偏差値は62でした。学校別模試の問題が単純に「合わなかった」のでしょう。

普段、力があれば合格できます。もちろん問題の「相性」というのはありますが、力のない子が合格することはほぼありません。「過去問との相性」を強調する向きが中学受験では強く、「相性」こそ合否を決めると強調する専門家もいます。

しかし、確実に合格したいなら「通常の基礎学力」がベースにあってのことになります。「基礎力」あっての「相性」です。

判定悪くても気にせずに

この例でも分かるように、点数、偏差値、判定が悪くてもそれほど気にしなくても、です。特に全体の平均点が「低い」場合はなおのことです。

模試の作問者は学校の傾向に寄せようとして問題を作りますが、同時に本番と同程度の難易度よりやや高いところを狙う向きがあります。

作問者が「ひと捻り」と思っていても、解く受験生にとっては意外と「難問」となる場合がよくあります

「作問者が初めてだったりすると、気合が入りすぎて“やりすぎ”ということがある」と、大手進学塾教室長。塾によっては、追い込みの時期に親御さんの不安をあおり、難問を出題して学校別の特訓授業を受講させる、なんて意図があるという話も耳にします。

過去のデータをみても、学校別の判定は、総合模試に比べて本番での「番狂わせ」が当たり前のように起こります。つまり総合模試の結果の方が、実際の受験結果と同じようになりやすいのです。

模試は解き直しも大切ですが、あまりにも「凝った」問題は、塾の先生に相談して復習するか放置するか決めます。入試は基本、標準問題を「取りこぼさない」子が合格します。

学校別模試は必ず受けるべきです。ただ結果については良ければ自信を持ち、悪ければ反省すべき点は反省して、判定は忘れる、くらいのスタンスで良いです。

にほんブログ村 受験ブログ 中学受験(本人・親)へ
にほんブログ村 筆者プロフィール

にほんブログ村 受験ブログ 中学受験(本人・親)へ
にほんブログ村 筆者プロフィール
Print Friendly, PDF & Email
スポンサーリンク