中学受験の成否を決める親の過去問への関わり方

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・なぜ親が過去問に伴走するのか
過去問用意、予定管理、答案保管
タイムキーパーしながら「観察」
・親御さんは「冷静」を演じる

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なぜ親が過去問に伴走するのか

入試本番まで限られた時間を有効に過ごすには、親子二人三脚の重要性を再確認する時期です。

特に子どもが自宅で過去問に取り組む際には、できれば親御さんが「伴走」するということを再度強調したと思います。

過去問に取り組むと、親子とも最大の関心事は「合格最低点を超えたか、どうか」にあります。その中学に合格するためにやっているのですから当然です。しかし、最終的に入試本番で合格点を取るには「親子で過去問にどうかかわってきたか」が大きなポイントになります。

特に現状では合格が少し厳しい、あるいはボーダーラインの生徒は、取り組み方をしっかり行えば、確実に入試問題でプラス何点かにつながる「合格力」が身に付きます。そのアシストをするのが親御さんです。

親御さんの役目としては、大別して2つあります。1つは過去問に取り組む「環境整備」、もう1つは過去問演習時と後の「関与」です。

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過去問用意、予定管理、答案保管

まずは「環境整備」。代表的な項目は3つあります。「過去問の用意」「スケジュール管理」「答案の保管」です。

「過去問の用意」とは、子どもが決まった日時に過去問に取り掛かれるよう、問題冊子、解答用紙を用意することです。入試で実際に使用した「実物」を購入・入手して、そのまま使うのがベストです。

実物がなければ、過去問集をコピーし、科目別に編集します。解答用紙は、実際のサイズにする方が良いので、過去問集に記載されている拡大倍率に合わせてコピーします。

避けたいのは、過去問集の本にそのままやることです。特に解答用紙をコピーするのが面倒で、テキストにそのまま書き込むというやり方です。

書きもしないで頭の中で解いて、解答を見て「○だった、×だった」と、問題を「つまみ食い」して時間も計らず「過去問をやった」としてしまう取り組み方は最悪です。

子どもに「お任せ」していると、こうなることが圧倒的に多いです。解くべき問題と解答用紙は、親御さんがきちんと用意します。

「スケジュール管理」とは、子どもが家庭で過去問を解く場合の日時と場所の決定です。増える通塾日数、復習に小学校との兼ね合い…固定された数々の予定の合間を縫って、過去問演習の時間を「見つける」のは、親御さんの調整能力にかかわってきます

1回に4科目を通しでできる時間確保は難しいです。科目ごとに「小分け」しても構いません。

子どもの勉強部屋、リビングで取り組むケースが多いと思いますが、時間帯が合えば塾の空き教室、マンションにお住まいなら「ミーティングルーム」や「集会場」などを利用するのも「あり」です。

子どもが過去問演習のみに集中できる「環境」を用意することが何より大切です。

塾によっては、細かくスケジュールを組んでくれるところもあるので、その場合は合わせるのがベストです。家庭教師に任せている場合は、親御さんと必ずスケジュールを共有します。塾、家庭教師に「丸投げ」だけはNGです。

「答案の保管」も親御さんがします。過去問は「1度やったらおしまい」では、もったいない使い方です。できなかったものや正解したものの不安、といった問題を後日取り出して、自力で解答できるようになっているかの確認に使います。

その際に、前回はここが間違った、ここが不十分だった、と分析する材料として自身の答案は有効です。こういう「分析」の積み重ねで「得点力」は向上します

タイムキーパーしながら「観察」

過去問への「関与」には3つのミッションがあります。「タイムキーパー」「採点」「先生との橋渡し」です。

「タイムキーパー」は、試験時間の監督です。子どもが決められた時間内でどこまでできるかを親御さんが計ります。ストップウォッチやキッチンタイマーなどで時間設定して計りますが、その際子どもの様子をさりげなく「観察」します。

「観察」によって、子どものクセ、思考回路、焦り具合などが見て取れ、改善すれば得点アップや時間の有効利用につながり、合格を引き寄せられるからです。

問題を解くペースをはじめ、チェック項目は多数あります。問題をどういう順番で解いているのか、難しい、答えが簡単に出ない問題に当たった時にどう対処しているのか、国語の読解は素材文読みから解答記入へどのようにやっているのか、理科社会の記号選択は、各選択肢を最後まで読み、解答の根拠に印をつけているか…などを遠くからで良いので「観察」します。

試験時間は、短縮延長なしで。見直しを含め、与えられた時間をフルにどう使うかの練習です。子ども自身が「50分の試験時間でできること、やらなければいけないこと」「30分では…」の体感をすることが肝です。

「採点」も親御さんがします。受験生本人に、という方針の塾もありますが、必ずと言っていいほど「雑」な採点になります。漢字の「トメ」「ハネ」や誤字、字が薄い、消し残しも注意です。機械で採点する場合は「×」になることもしばしばだからです。

国語の記述、算数の途中式などは、親御さんが見て「仮」の得点を付けます。その後は塾の先生にお願いし、チェックしてもらいます。得点基準、注意点を親御さんと生徒、先生で共有して、志望校合格に近づきます。

記述の採点のお願いも含めて、過去問を通じて子どもと先生との「橋渡し」をするのも親御さんの役目です。すでに「デキる」親御さんは、過去問取り組み以前から先生との連携はできていますが、そうでない場合は、これを機に是非ともです。生徒が先生に質問するきっかけにもなります。

待っていても先生からはアプローチはありません。決められた面談でしか接触がないのでは、高い塾代の「もと」は取れていません。大手進学塾は親御さんが一歩踏み込んでナンボです。

親御さんは「冷静」を演じる

過去問への取り組みに親御さんの存在はかなり重要な位置を占めます。

親御さんが肝に銘じてほしいことは「冷静であること」です。言葉で書くのは簡単ですが、100人中100人が、子どもの過去問の「悪い点数」を目の当たりにすると、「冷静ではいられない」状態になります。

「なんでこんな点数なの」「どうしてできないの」「試験中ボーッとしてない?」言いたいことは山ほど出てきます。しかし、その言葉は「封印」とまずは自分に言い聞かせて、取り組みます。言うにしても決して感情をぶつけず、タイミングを見計らいます。

これは「志望校合格へのプロジェクト」です。プロジェクト成功のための現状での問題点、修正点を見極め、迅速に対処していくことが最優先です。一番邪魔なのが「怒りの感情」です。文句を言う前に、やるべきことの優先順位をつけ(欲張れないので1つか2つ)、それを実行すべく手を打ちます。

感情をぶつけず「問題点はわかった。修正していきましょう。大丈夫、修正していけば間に合う。ただ、ここから動かなかったら、間に合わないよ」くらいのことを親御さんが言うと、子どもは意外と真剣に向き合います。

気持ちは穏やかでなくても、子どもの前で親御さんは「演じる」のです。普段は反抗的な子どもでも、親御さんの冷静な言葉も雰囲気の違いに何かを感じます。

子どもと事前に「打合せ」しておくのも手です。子どもから「言ってほしくない言葉」をあらかじめ聞いておき、口にしないと約束します。親御さんがそれを言わざるを得ないときは、塾の先生や家庭教師など「第三者」にお願いしておきます(子どもには内緒です)。

過去問の取り組みを丁寧に、しっかりやると、第1志望だけでなく、それが第2、第3志望の対策にもつながります。それも「声がけ」1つで壊れもしますし、流れを良くもします

受験終盤の大切な時期、「感情のもつれ」で貴重な時間はつぶしてはなりません

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