志望校合格は「課金」より「アウトプット」

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課金ゲームが止まらない
武蔵合格を目指し月20万円
勝負は「アウトプット」の時間
「起死回生」の特効薬はあるのか

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課金ゲームが止まらない

中学受験はお金がかかります。特に6年生の夏以降は「まとまったお金」が銀行口座から湯水のように出て行きます。

夏期講習、秋からの日曜特訓、冬期講習に年末・正月特訓など、思いつくものを挙げてもざっと50万円近くになります。

ただし、これは「標準的な」出費。志望校合格のために「もう少し、あと少し」とばかり、金に糸目をつけず算数専門塾や個別指導、家庭教師などに出費する家庭も少なくありません。まさに「課金ゲーム」が止まらない状態です。

武蔵合格を目指し月20万円

男子御三家の一角、武蔵中学を目指した、都内在住のある男の子の家庭では夏から受験にかかる費用が月約20万円に達したといいます。

通常の進学塾の受講料約6万円に加え、武蔵対策の個別塾に月約10万円、苦手の国語を克服するのに国語専門塾へ約3万円、端数を合わせると20万円を少し超えました。

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少しでも第1志望合格に近づくなら、親として「やれるだけのことはしたい」「打てる手は打ちたい」――その親心だけで、受験までの半年、大金を工面しました。

夏休みに入ってから入試当日まで、男の子の「休日」はほとんどありませんでした。

9月に小学校が始まると週に4日は通塾、個別も週2回、国語塾は週1回のペース。空いているのは土曜の午前中くらいで、1週間ほぼ「空き時間なし」状態です。

男の子は一生懸命勉強しました。塾の土、日特訓も頑張り、個別で過去問演習をし、国語専門塾では武蔵特有の記述問題に食らいつきました。

しかし、効果があったかと言えば、残念ながら「お金をかけた割には」というレベル。国語の記述で進歩は見られたものの、結局武蔵は不合格に終わりました。

勝負は「アウトプット」の時間

この不合格から学べることがあります。「1週間空き時間なし」から学べます。

勉強の休みなしがいけないのではなく、レギュラーの通塾に加え、個別、専門塾とスケジュール満タンで、復習の時間=「アウトプット」の時間、が全くとれていないことが最大の問題です。

受験まで残り100日を切ってからは、新しい知識や解法を吸収すること以上に、自分の力で解答を導き出す力、自分で答えを「アウトプット」する力の養成が求められます

デキる子は塾で取り組む演習問題がそのまま「アウトプット」養成、パワーアップの時間になります。加えて日曜の志望校別対策でやったことを家で復習、自力でできるようにするという流れで入試当日を迎えます。

偏差値的に志望校に届いていない子は「あれが足りない、これもまだ」となり、「弱点補強」という名のもとに、さまざまな取り組みをしがちです。

しかし、多くは「基礎固めができていない」ため、取り組みが効果を発揮しません。むしろ、時間をとられ自力でアウトプットする力がなかなか付きません

直前になって個別や家庭教師に駆け込んでも、学んだことを消化しきれず、逆にそれまで培ってきた学習内容の「定着」が図れないまま受験となり、結果が出ないのは最悪の受験になります。

「起死回生」の特効薬はあるのか

受験本番が近づいても成績が振るわないと、親御さんとしては焦ります。

個別で対策すれば、家庭教師に頼めば、専門塾でノウハウを教えてもらえば…わらにもすがる思いで「起死回生」の「特効薬」を探します。

しかし、直前にすべての問題を解決する「特効薬」などありません

今までやってきたことの中で「できること」を確実にし、「もう少し」と「あいまい」を正確にできるようにし、そのうえで上積みできることをやるという「正攻法」が志望校合格への「近道」です。

受け身の姿勢で、受験がいつまでも「他人事」の子は、親御さんが大金を投じても、優秀な先生が指導してもどうにもなりません。

それより今までやってきたことを丁寧に振り返ります。わかったふりをしてごまかしてきたものとキッチリ向き合います。これだけで入試当日に各教科10点くらいは上積みできます

親御さんは「お金」で解決する理ではなく、足りないことに焦ったり怒りをあらわにせず、「さあ、入試まで頑張るよ」と寄り添います。塾の先生への質問なり、補習なりの「橋渡し」をします。

受験を「自分事」として向き合えたなら、合格はグッと近づきます

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