中学受験 算数偏差値40台 「50台」への戦い方

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「致命傷にならない」程度の算数
大問1~3で「満点」を目指す意味
「テキトー」と「キッチリ」の差
・消しゴムを使わず「残す」意味

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「致命傷にならない」程度の算数に

算数は4科目の中で偏差値を上げるのが難しい科目の1つです。

6年生になると、5年生時に比べ成績「急落」という話はよく聞きますが、「急上昇」という話はあまり耳にしません。

それだけ受験勉強を始めた時からの「積み重ね」と「考える姿勢」が大切で、一朝一夕には…という科目です。

「算数を制する者は中学受験を制する」とは中学受験でよく言われる言葉です。偏差値にして40台の子は難関・上位校、もしかしたら中堅校でも「勝負にならない」かもしれません。

「得意」、とは言わないまでも算数が受験の「致命傷にならない」レベルに持って行き、他教科との「合わせ技」で合格を勝ち取るには「戦い方」の工夫が必要です。

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大問1~3で「満点」を目指す意味

各進学塾の公開模試や首都圏模試、中堅私立中学から多くの上位校の算数の問題構成は上から順に計算、数の問題を中心とした小問集合、図形を中心にした小問集合、続いて割合、比、推量などのテーマ別問題、平面図形や立体図形へと続いていくバターンです。

難易度はまちまちですが、テーマ別問題や図形問題は、小問の番号が大きくなるにつれて難しくなる傾向です。

算数の成績が振るわない子は、全体を見ずにまずは大問1から大問3までに全力投球します。

ここで「失点を最小限に防ぐ」、できれば「満点」を目標にします。

算数がデキる子の解答用紙は、正解率が30%以下の問題を次々と正解するのではなく、正解率60%以上の問題を「確実に得点する」「まず落とさない」という特徴があります。基本問題は「ノーミス」です。ここに算数の成績が良い子とそうでない子の差が出ます。

一方で算数が厳しい子は、ここで「痛い失点」を重ねます。できないのではなく「1問に対する慎重さ(集中力)が欠けている」からです。もっと言えば「1問を確実に解き切る力がない」からです。

大問1の計算問題は、意外とプレッシャーを感じるものです。50分の試験時間で、全問解き終わるには、計算くらいさっさと終わらせなくちゃ、という意識が強く働いて「先を急ぐ」からです。

結果として、筆算のケタがズレたり、約分したことを忘れたり、挙句の果てに自分の書いた数字を読み間違える(読めない)、解答用紙への「うつし間違え」などの「悲劇」が続出。数字だけ書き込む試験で、5点か0点かという「天と地の差」がつきます。

「テキトー」と「キッチリ」の差

「悲劇」撲滅、偏差値アップの「近道」は「正確に解く」の徹底です。

時間がかかっても構わないので「手を付けた問題はすべて正解する」という感覚を、家庭学習、小テスト、模試などで何度も経験します。小問集合でも同じことを繰り返します。

極端なことを言えば、大問3までで50分の試験時間が終わってしまった、でも構いません。「確実に正解する」が「当たり前」になるまで、早さも偏差値も求めません。「遠回り」が最高の「近道」です。

偏差値50以下の子はこの基本問題を「テキトー」に扱う傾向があります。宿題でもテスト直しでも、丸付けをしたらおしまい。親御さんに復習するよう促されても、間違えた問題の解答の数字を「写すだけ」という流れに終始します。

偏差値60台の生徒は、間違えた場合でも放置せず、「キッチリ」納得がいくまで解き直し、さらに自力で正解に至るところまでやり込みます。間違えたことをきっかけにして「糧」に変えてしまいます。

この「テキトー」か「キッチリ」かの差が、そのまま偏差値や点数として表れます

他の科目でも、勉強の「テキトー」感が抜けないのが、偏差値30~40台の子の学習姿勢です。

塾の宿題は指定されたところを「テキトー」、小テストも不合格にならない程度の「ほどほど」の点数でよしとしているので、テストで間違えてもそれほど悔しくもなければ、気にもならないのです。

親御さんがイライラして、檄を飛ばして勉強するよう促しても根本がそれですから「うるさい」と反抗するか、柳に風状態です。

消しゴムを使わず「残す」意味

家庭学習では親御さん伴走の下、各塾で配布される計算や一行問題が集まった「基礎力トレーニング」(名称は塾でそれぞれ)をきっちりやることを徹底します。これを全問正解するが「当たり前」になると、正確さが格段に増します。

「正確に解く」ことが目的ですから、最初は時間がかかっても構いません。ミスをしたら必ず「原因究明」をします。

テキスト(コピーしたものがベスト、何度も使うため本体は書き込まない)に、間違えた「あと」を残し(消しゴムで消さない)、言葉で「繰り上げのミス」「掛け算が間違い」など、原因を書き込みます。子供それぞれで「間違いの傾向」が見えてきますし、見直すことで子どももミスを意識するようになります。

間違いの傾向を知っていれば、文章題をやる時も注意するようになります。本人が問題を解きながら注意するか、しないかの差は格段に違います。やみくもに問題にとりかかっても、進歩はしないので「己を知る」ということが点数アップにつながります。

「正確さ」が身についてからは、良問をたくさん解いて「経験」を積みます。算数の「引き出し」「道具」を増やす段階です。

この段階にくると標準的な「スピード」もついてきます。それでも「スピード」は二の次。あくまで「正確さ」を追求します。

何を先に解けば得点になり、これに時間をかけるとハマる――最終的にこのような「嗅覚」が働くようになると、算数は「面白い」に変わっていきます。算数の偏差値は「上昇カーブ」を描くようになります。正答率が5割を超えるものを「正確に解き、確実に得点する」ことで、偏差値50以上に到達します。

その「景色」を子どもが見られるようになると、必ず次の新しい「景色」が見たくなります。この流れになると、バリバリ「量」をやります。しっかりとした基礎力がついてくると、量もスピードもステージが上がります。

算数は焦らず、足もとから固めます

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