模試の合格可能性「30%」と「20%」の大きな差

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模試の判定はアテになるのか
80%は「鉄板」も「死角」あり
合否線上「取りこぼし」で明暗
30%は20%どう違うのか

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模試の判定はアテになるのか

模擬試験を受けて、志望校の合格可能性80%の「合格有望圏」「Aライン」という結果が出れば、親御さんは「この調子で最後まで行ってくれれば」と思いますす。50%の「ボーダーライン」なら祈るような思いで子どものこれからの「頑張り」に期待します。

この判定のパーセンテージ、多くの場面で「アテになる」「ならない」を中心にそれぞれの見解が述べられますが、実際のところはどうなのでしょう。

元サピックスの講師で、模試の作問者だった人物の話を交えながら考えてみます。(「」内は講師の発言です)

80%は「鉄板」も「死角」あり

合格可能性80%、1回達したくらいでは確実と言えませんが、9月からの模試で2回以上、他の2回も50%を切らなければ、順当に合格するいわゆる“鉄板”です」。

入試では同じ受験生で2度試験をやれば、2回目は合格者の半分くらいは入れ替わるといいます。

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しかし、何度やっても合格する子がいることも確かです。上位100人くらいがその層で、その100人に入るのが合格可能性80%を毎回のように出すの層です。

実際には90%、95%というポイントを表示してもいいのですが、万が一もあるので…。でもこれを連発するなら、大船に乗った気持ちで試験に臨み、実力をそのまま出せば大丈夫です」。

70%、60%くらいでも合格は有望視して良いでしょう。ただ、判定は良好でも「死角」があります

志望校の過去問をやっていて「どうもしっくりこない」、「12月、1月になっても受験者平均にもいかない」という時は要注意です。

「受験校によっては“クセのある問題”を出題する傾向の中学があります。模試で合格判定が良くても、クセと受験生の相性までは測れません。まさか、はまさかでなく、過去問をやっている時に何か違和感を感じていたことが大半です。相性がどうも…という時は第1志望でない時は回避することを考えた方が無難。1つの不合格でリズムを崩すと、立て直すのは12歳の子には難しいです」。

合否線上「取りこぼし」で明暗

50%、いわゆる合格不合格の線上であるボーダーラインの受験生が一番不安だと思います。

「結論から言うと、6分4分の確率で合格に近いと言えます。自信を持って勉強に取り組み、「この1点」を軽く考えず、少しでも多く点数がとれるよう、詰めが甘くならないようにします」。

ボーダーライン、運命の分かれ道は「ミス」「取りこぼし」の数で決まります

模試結果が返却されたら、答案の分析は必須。注意すれば間違えずに済んだ、完全な勘違い、問題文の指示を見落としたなど「できたはず」がいくつあるかを確認し、これを減らすことがボーダーラインから合格のステージに「昇格」することにつながります。

偏差値が65以上の子と50台の子の決定的な差は“取りこぼし”が多いか少ないかです。難問ができたできないはあまり関係なく、正確さで差がつきます。 “取りこぼし” は意識して直していかないと消えません。秋からは、できない問題で長時間頭をひねるより、できるところ、理解しているところを着実に得点できるようにします。それが合格への近道です」。

30%は20%どう違うのか

合格可能性40~20%はどう見るべきでしょうか。

「30、40%だと、合格には程遠い気がしてきますが、実はそうでもありません。30%の子が50%に到達するのに何点足りないか見てみると、概ね20点前後です。4科受験なら、1科目当たり5点くらいです。それくらいで見える風景は変わってきます。分からない問題をどうにかする、より50%の子と同じ“取りこぼし”を減らすことに徹することで判定は大きく変わってきます」。

しかし、これが20%になると、状況は違います。

20%の本当の意味は“合格の可能性はほぼない”です。昔は“5%未満、志望校の再考を要す”なんて表現も大学受験の模試でありましたが、まさにそれと同じです。10回試験をやったら、8回以上は不合格です。長い間受験勉強をやってきて、目標にしていた学校を諦めろ、とは言いませんが、20%がずっと続くようなら、覚悟はしておいた方がいいと思います」。

ただ、第1志望の旗を降ろす必要はありません。ボーダーラインの子同様「取りこぼし」を減らすことで、偏差値、成績も上がり判定は変わってきます。「急がば回れ」で夏休み中に基礎の徹底を図り、4,5年生の復習に徹することで、秋以降の伸びが期待できます。

同時に併願校の選択を幅広い偏差値態帯の中から探し、第1志望同様に「進学したい」学校を2つくらい選びます。「ウチは偏差値●以下の学校なら公立」「過去問をやり込めば逆転できる」などと固執すると、今後子どもの心の中に大きな傷として残ってしまう「全落ち」のリスクを高めます。

模試の結果にとらわれすぎるのも良くありませんが、結果は結構当たります。よくても悪くても、謙虚に、冷静に分析して入試までの勉強の重要参考資料として活用します。

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