中学受験 志望校選択に役立つ「大学実績」の見方

+13
にほんブログ村 受験ブログ 中学受験(本人・親)へ
にほんブログ村 筆者プロフィール

◆中学受験の窓口 今日のメニュー
・自信の表れ「進学実績」
・「合格者数」を前面に出す理由
・期待できない「まとめ表示」
・「指定校利用」分かる進学事情

スポンサーリンク

自信の表れ「進学実績」

受験本番が迫り、どこを受験しようかと検討する場合、校風や偏差値とともに親御さんが重視する傾向にあるのが「大学」の合格・進学実績です。

中高一貫校の多くが大学進学を意識して授業カリキュラムを組み、補習などのバックアップの充実をうたい、「実績」を強調します。

どの学校も「良さそう」に見えるのですが、大学受験・進学指導に「自信を持っている」ことが口に出さずとも分かるのが、各大学への「実進学者数」を公表している中高一貫校です。

「早稲田に合格したのは18人、うち進学(入学)は5人」「明治は83人合格、進学は12人」など、延べ人数の合格者(1人で同じ大学の3学部に合格すれば3人とカウント)から実際にその大学に入ったのは何人いたかを公表することで、その学校の進路の実態がハッキリとわかります。中には学部、学科まで詳しく出している学校もあります。

公表している学校は偏差値帯でいうと、難関上位校で何校かあります。偏差値がそれほど高くない一般校の中にも進学実績が良い学校は公表しています。

スポンサーリンク

学校の指導システムがうまく機能しているのが特長ですが、OBやOGとの連携も「隠し味」としてあるのがポイント。直接間接問わず、その影響を伝統的に受けて進学実績を維持、向上させている雰囲気が伝わってきます。

ただ、実進学者数を出しているのは総じて「少数派」。ホントのことを公表するのはなかなか…なのが中高一貫校の現状です。

「合格者数」を前面に出す理由

多くの中高一貫校が発表している大学受験の結果は、大学「合格者」実績です。

進学者実績が、1人1人の卒業生がどの大学に入ったかを示すのに対し、「合格者実績」は進学してもしなくても、その大学に受かった人ののべ人数です。当然、実進学者より数は多くなります。

1人で1つの大学の複数学部に合格するには、古くは1つ1つの学部をに日を替えて受験しなければなりませんでしたが、前身のセンター試験から現在の「大学入学共通テスト」を利用して、同時に複数の学部に出願し、一挙に「合格」を手にすることができます。そういう手法を駆使しているかどうかは定かではありませんが、卒業生の数よりも極端に大学合格者が多かったりすることがあります。

大学の実進学者数より合格者数を前面に出す中高一貫校の狙いとして「数によって対外的な関心をひく」というものがあります。

春になると週刊誌「サンデー毎日」には、大学別に出身高校のランキングが掲載され、話題になります。同誌の売り上げが伸びるのは「東大・京大合格者ランキング」掲載号を筆頭に、各大学合格者の出身高校ランキングが載る号。ここに学校名が上位でランキングされると「宣伝効果」はかなりのものになります。

中学受験を考えている親御さんには強烈なアピールになりますが、冷静になってみると「果たして最終的にどの大学へ入ったのだろう?」と疑問を抱きます。説明会などで質問すれば教えてくれる学校もありますが、「数字をまとめていない」「個人情報ですから」などと逃げる場合は、注意が必要かもしれません。

こういう中高一貫校の進学実績の一角を知るには、国公立大学の合格数を見ると「なんとなく」実態が分かります。国公立は基本的に1人1校の受験です(後期日程もありますが少数)。

期待できない「まとめ表示」

中高一貫校、特に進学・合格実績が上向いている学校はパンフレットとは別刷りのチラシや印刷物を別に作成し「勢い」をアピールする傾向にあります。

よくよく聞くと、まだ一部の生徒が出した実績であって、全体としては「道半ば」という学校も多いです。合格者実績でMARCHクラスまでは公表しますが、偏差値帯で50を切る大学はホームページやパンフレットに掲載しない中堅校もあります。その高校の合格者・進学者が一番多い「ボリュームゾーン」を知ることは、大学の実績で受験校を選ぶ場合には大切になってきます。

中高一貫校の中には大学合格・進学実績を「最近5年間」とか「過去の主な進学先」などのように、年度別ではなく「まとめ表示」している学校があります。大学受験指導という点では、学校に期待するのは…かもしれません

時々見かけるケースとして、中堅校や一般校から東大や難関国公立大、早慶に合格しているのにもかかわらず、パンフレットなどに体験記が掲載されていないことがあります。代わりに別の大学に合格した子が「学校の素晴らしさ」を伝えつつ、体験記を書いています。

親御さんの目を引く大学に合格、進学すればパンフに載ってもおかしくないのですが、出ないということは、学校に頼らず「独自路線」で勝ち取った生徒である可能性が高いです。学校のカリキュラム、受験指導のPRにならなければ、意味がないからです。

「指定校利用」分かる進学事情

現在は「学校型推薦」と呼ばれる、分かりやすく言うと「指定校推薦」の利用状況を知ることもその学校の大学進学の方向性を探る上では有益です。

難関校、上位校では「早慶でも行きたい学部がなければ余る」ようで、国公立志向の高さがうかがえます。これが中堅校になると「早慶は争奪戦。MARCHは明治人気は頭一つ抜けていますが、あとは学部によりけり。男子は理系学部か中央の法学部、女子は医歯薬系、文系なら経営学部が人気」といいます。

一般校レベルになると、大学進学者の半分以上が指定校や公募制による推薦で進学することが多く、「一般受験は少数派。どうしても行きたいところがある子が多い」というのが現状です。

毎年「売れる」指定校もあれば、「ここ何年も利用していない」という大学も実際にはあります。よく「わが校は全国200の大学から指定校推薦が来ます」と誇らしげに話す先生がいますが、それが生徒にマッチするかどうか…。

大学進学の「本当のところ」は入学してみないとわからない、中学受験の「ギャンブル」要素の1つです。

にほんブログ村 受験ブログ 中学受験(本人・親)へ
にほんブログ村 筆者プロフィール

Print Friendly, PDF & Email
スポンサーリンク