受けないとダメ?3分の2が出願の午後受験
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◆中学受験の窓口 今日のメニュー
・Wヘッダー当たり前の2月入試
・午後受験3つのメリット
・もう一度「つくる」のは難しい
・午後試験会場近くで「親子喧嘩」
Wヘッダー当たり前の2月入試
2月の入試は「ダブルヘッダー」が当たり前――。最近の中学受験は、「午後受験」が当然のように組み込まれます。
出願数ベースで見てみると、22年2月1日午前の入試数の合計は220で、出願者は計約4万8000人。同日午後は150校、約3万2000人(日能研調べ)でした。
午前受験せず、午後入試だけの子もいると思いますが、数字だけで単純に計算すると、1日午後入試の出願率は66.7%になり、3人に2人は出願していることになります。
実際には欠席数も結構いますが、それでも半分以上の生徒が午前午後の「W受験」です。
2日午後も119の入試数に約2万5000人が出願、3日午後も60の入試数に約1万4000人が出願しています。
出願システムが窓口や郵送からほぼ全てインターネットになったことで、入試前日の23時59分59秒まで、学校によっては入試当日まで出願可能になり、午後入試は格段に受験しやすくなりました。
午後受験3つのメリット
午後受験のメリットは主に3つあります。
まずは受験校のバリエーションと合格のチャンスが増えるということです。
中学受験で受験校を検討していくと「捨て難い」学校というのがいくつか出てきます。もちろん第1志望合格がベストですが、万が一の場合「この学校でも」という中学です。
その学校が午後受験を行うなら、ということです。出願校数が年々増える傾向にあるのも午後受験が活発化していることが背景にあります。
午後受験も利用して、志望校を複数回受験すると「特典」もあります。多くの学校が複数回受験の生徒に「加点」あるいは繰り上げ合格の対象者にする、と公表しています。
1度で「正規合格」するのが理想ですが、入学してしまえば同じです。チャンスは多いに越したことはありません。
2つ目は科目数が少なくて済むことです。
午後入試は4科目フルにやるところが減少傾向で、国語と算数の2科が主流になりつつあります。算数1科、国語1科という中学もあります。
理社が得意な子には不利かもしれませんが、科目数が少ないのは受験生とって負担は軽くなります
最後は「短期決戦」で入試を終えられることです。
「作戦」がうまくはまれば、1日で終了です。合格発表も当日ということが珍しくなくなったからです。午後入試でも21時から23時あたりまでにネット上で発表する学校が増えています。
入試機会が1回しかない午前受験の結果待ちだとしても、午後受験が第2志望だった場合などは、合格を取れば2日以降は受験をしない子も一定数います。
さらに偏差値の高い学校を、とチャレンジする受験生もいますが、最近のトレンドとして「短期決戦」は1つのキーワードになっています。
もう一度「つくる」のは難しい
確かに受験回数や受ける学校の選択肢が多ければ、合格のチャンスは広がります。表現は悪いのですが「数撃ちゃ…」ということもあります。
事前にシミュレーションができていれば良いのですが、どんな学校かもよく知らず、ただ偏差値的に見て合格しそうだからと、慌てて出願する、というケースもよくみられます。
特に入試直前、不安に駆られて、あるいは不合格の後、手あたり次第合格しそうなところを物色して、というケースです。
入学することになったら…とても不安です。一度も学校説明会に足を運んだことのない中学は、日程、偏差値とも「丁度いい」としても受験は「ギャンブル」になります。
できれば子どもに負担をかけずに1日1校「集中」で入試に臨んでもらいたいというのが本音です。
小学6年生が午前も午後もベストコンディションで大一番の入学試験に臨むというのは至難です。
昼食を挟んで午前入試の延長であと1教科受けるだけでも、緊張感が緩んで力を十分に発揮できない子もいます。
場所が変わると張りつめていた気持ちはどうしても緩みます。
そこからもう一度「気持ちをつくって」入学試験に臨むというメンタルコントロールは、子どもにとって要求がかなり高いことです。身心とも大人が思っている以上に疲弊します。
2月2日、3日と試験が続くようなら、なおさら午後受験は慎重に、です。
子どもによって「エネルギー」の量は違い、「補給」に要する時間もそれぞれ。どこに入試の「ハイライト」を設定するのか、親御さんの作戦立案能力が問われます。
午後試験会場近くで「親子喧嘩」
1月の埼玉入試でも最近は午後入試導入が目立ちます。
受験校の難易度(偏差値)はともかく、2月に午後受験を考えているのなら、移動や子どもの心身の疲労度などを体感する意味でも「埼玉Wヘッダー計画」は「あり」です。
そこでの経験を踏まえての出願しても遅くはありません。
午後試験の会場近くで「親子喧嘩」をしている姿も見かけることがあります。
放心状態で正門をくぐり、促されるままに校舎内へと消えていく目に力のない子もいます。
学校近くの飲食店では「行きたくない」と言って、母親を困らせている受験生もいます。
試験を受けるのは子どもです。大人の論理で午後受験を組み込むのは「少し立ち止まって」です。
合否はメンタルでも大きく左右されます。「無理がない」も受験を成功させる重要ポイントです。
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