マイペースな子と偏差値50前後の中学の選び方

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・偏差値50レベルの学校なんて…
・男女別学、先取せずを選ぶ意味
・居場所がある「文化部充実校」
・トラブルなどの対処を知るには
偏差値50レベルの学校なんて…
「偏差値50レベルの学校なんて、行く意味ありますか?」
ストレートに質問してくる親御さんは一部存在します。
中学受験指導の現場で学校研究を重ねてきたから立場で言えることは「偏差値50レベルの学校=無価値」ではありません。
「子どもに合った学校かどうか」は十人と色。中堅校や一般校にフィットする子ども少なくありません。
ただ、学校の「宣伝文句」を鵜呑みにして「面倒見がいいと言っていたから」「偏差値の割に大学合格実績が良いから」などの基準だけで選ぶとリスクを伴うことが多くなります。
入学早々から「こんなはずじゃなかった」となる前の志望校選択時にきちっと吟味したいところです。
男女別学、先取せずを選ぶ意味
ここでは広い意味で「マイペース」の子どもの場合を対象に考えてみます。
まず学校の規模は1学年100人前後の中・小規模校で男女別学がおすすめです。
先生の目が行き届きやすく、ちょっとした変化やその子自身の個性に寄り添ってくれる学校が多い傾向です。
別学は異性を意識し過ぎて、日常の言動で自分らしさが出せなくなることがよくあります。
精神的に余計な重圧がかかるより、解放してあげるのが得策です。
学習面においては「先取り」より通常のペースで進める学校がベター。
丁寧にゆっくり教えれば後々伸びる子はかなりいます。
偏差値50レベルの学校の子は「焦らず」の方が良い結果が将来的に出る傾向です。
「基礎を時間をかけてしっかりやった子」は、大学受験時に「先を急いだ子」より穴が少なく、成績は安定します。
逆に通常ペースが「遅い」と感じた子は、自ら「走る」こともできます。
私立の場合、その手の生徒はむしろ大歓迎。先生も何かと目をかけてくれるので、大学受験でも強い味方になります。
学校の売りとして「面倒見がいい」というのは、多くは大量の宿題と小テストを繰り返し、できるまで補習をしたり、再テストをすることを意味します。
生徒の理解度は二の次の「やらせる」勉強です。
親御さんも学校の説明で「面倒見が…」の話が出たら、中身をしっかり聞いて判断する必要があります。
居場所がある「文化部充実校」
難関校でもそうですが、マイペースな子が中堅校へ進学する場合、部活動を軸の1つとして考えるのは、実は大切なことです。
マイペースな子は一人ぼっちになる可能性もあるのですが、部活という「居場所」があることで、同じ志向の子たちと交流し、人間的にも大きな成長を遂げます。
運動部以上に文化部の充実度に注目します。
文化部が多いところ、活動が活発な学校は難関校、中堅校問わずとても居心地が良い傾向にあります。
多様な価値観を認め合う土壌があり、公立中学や運動部が強く成果を競い合っているような学校で肩身を狭くして過ごすケースがありません。
文化部系は中1から高校生と活動が一緒である場合も多く、少し年の離れたお兄さん、お姉さんからの影響を受け「大人」になって行きます。
トラブルなどの対処を知るには
一方で私立中学はいいことばかりではありません。
入学当初は「いじり」と称したいじめ、SNSトラブルなどはしばしば見られます。
小学生の延長のような精神的にまだ「幼い」子もおり、マイペースな子は田―ゲートにされやすいのは事実です。
中堅校、一般校ではその傾向が難関校より強いのも否めないところです。
学習意欲が必ずしも高いとは限らず、自分で努力できる子は少数派、というのも中堅校の入学時の傾向です。
周りの様子を見て「勉強しなくても…」というサイクルになると、大学進学時は安易な選択をする流れにつながります。
これらの指導をどういう方針でしているのか、志望校にと考えている場合は、説明会の機会に1人の先生だけでなく、さまざまな先生に尋ねます。
それぞれの先生の答えから「見えてくるもの」が必ずあります。
後は親御さんがどう判断するか、保護者の「眼力」が試されるのが中学受験です。

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