中学受験 化学反応が起こる高校受験ありの私立

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・高校受験から撤退傾向の私立
・トップ、下位層は中入組が多い
・「交わる」ことで起きる化学反応
・大学受験で有利だけじゃ寂しい
高校受験から撤退傾向の私立
中学のある私立は近年高校受験から撤退する傾向にあります。
21年度には男子校の本郷、22年度は豊島岡女子学園(いずれも東京都豊島区)が高校入試を廃止。中学からの募集のみで完全中高一貫校化しています。
23年5月には東京都世田谷区の東京農大第一が24年度を最後に高校募集を停止すると発表。25年度から中学入試一本で生徒を受け入れています。
大学受験対策で中学入学組は「先取り学習」をしており、高校入学組が「1から」となるため、カリキュラムは別建てにする必要があるため、それを一本化しようというのがその意図としてあります。
その流れには乗らず、高校受験を継続、高校入学組を1年生から中学入学組と「混合クラス」にする学校も数は少ないのですが一定数あります。
東大合格者数が40年以上1位の開成などはその代表例の一つです。
トップ、下位層は中入組が多い
毎年というわけではありませんが、混合クラスの高校の場合、成績順に一つの特徴があるといいます。
成績のトップ30人くらいは、中学入学組が多く、高校入学組はやや少ない傾向にあります。
ところが、上位100人までとなると、今度は高校入学組が目立つようになります。
以下は中学組、高校組が混在して、下位50人くらいになると、圧倒的に中学入学組が多くなります。
高校入試を経験してきた層は、どの科目もバランスが良いため、成績でそう大崩れしないので成績も上位から中位で安定しています。
中学入学組は入学時から頭抜けている子や努力を継続している子がトップ層におり、入学後、勉強より部活動や他の活動に強い興味を持ち、勉強が二の次になった子は、成績が下降していく傾向にあります。
中高一貫の進学校は、一部を除いて主に運動部系が高2で引退となります。
中学入学組は、部活引退後に勉強に本腰を入れ、中下位から「再浮上」する子もいます。
中学入試を突破した生徒はもともとポテンシャルがあり、勉強エンジンにも「馬力」が備わっているため、落ちるところまで落ちていなければ、割と短時間で成績を立て直すことができます。
中学受験で基礎を身につけた子の強みはここにあります。
基礎力は大学受験でも身を助けます。
「交わる」ことで起きる化学反応
カリキュラム消化率や学校としての受験への方向性、先生の労働環境など、高校受験なしの完全中高一貫校の方がメリットは多いかもしれません。
それでもあえて高校受験を残している学校は、大学受験対策や学校運営の「やりやすさ」よりも、公立中学出身者との「交わり」によって生み出される、新たな「化学反応」こそ校内が活性化する大切な仕組みと考えているからです。
中学入試を超えて入学した子の多くが、3年も経つと「中だるみ」や反対に「自分の道」にまい進していて、視野が狭くなっているものです。
その中で「新しい血」が混じることで、元からいる生徒も、新入生も刺激を受けます。
その「化学反応」で校内はにわかに活気づきます。

大学受験で有利だけじゃ寂しい
中学受験の際、高校入試の有無、あるとすればクラス編成がどうなるのかも受験校決定のポイントの1つになります。
どう判断するかは本人と親御さん次第ですが、「大学受験で有利に立てるから」が中学受験のメインの理由だとしたら、いささか寂しい気がします。
新しい仲間を迎え、新しいコミュニティが生まれ、自分自身も成長、変化していくのが10代でしか味わえない醍醐味です。
高入生と混じる学校も大いに受験候補に入れて、検討対象にします。

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