中学受験 「理社後回し」は悲劇を招く

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理社後回しは失敗する
第1志望合格の近道は「理社完成」
一変した理社の設問傾向
・「経験値」の差が出る前提

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理社後回しは失敗する

中学受験のラストイヤーは想像以上に時間の経過が早く感じ、実際多忙です

秋になれば志望校の 過去問への取り組みが始まり、土曜や日曜の特訓授業、そして月1ペースで受けるであろう模試。通常授業もおろそかにできず、復習や苦手克服に割ける時間が限られ、いくら時間があっても足りません。

勉強の中心はおそらく算数というケースが圧倒的でしょう。

偏差値に関係なく、入試で合否を分ける問題に挑める実力がつくのは夏期講習が終わってから、という子が大半です。

秋以降は質も大切ですが、今度はどれだけ数多く問題に当たれるかが勝負で、どうしても時間が必要です。

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国語の読解問題は年々「進化」を遂げています。

素材文の長文化だけでなく、2つの文を読んで解答をまとめるという新方式、記述解答の増加傾向と、対応が一筋縄では立ち行きません。

算国に限られた時間のほとんどを持っていかれると、どうしても理科と社会は「後回し」、受験直前の追い込みの時期に「一気に」という作戦プランが頭をもたげます。

この作戦、大半の受験生が失敗します

算数と国語でやるべきことが多く、とてもじゃないですけど、理社に取り組むまとまった時間は取れないからです。

第1志望合格の近道は「理社完成」

「理社音回しの失敗」は、中学受験を経験した家庭で「後悔」として終了後に聞かれる話のトップ3に入るものです。

算数と国語が入試の「メインデッシュ」であることは確かですが、この2科目が超得意科目でもない限り「自信をもって入試に臨める」レベルにするには時間がかかります。

その代わりに、夏休みくらいまでに理科と社会を仕上げて、秋以降は塾での実戦問題演習を通して「数をこなす」作戦で入試本番に臨んだ子の方が、第1志望校合格を果たしている傾向にあります。

「配点が低い理社にかまっていられない」という声も聞こえてきますが、本番まで半年以上あるこの時期だからこそ、先に理社の完成度を高めると、夏以降算数と国語に時間を割くことが可能になり、受験の「勝率」が格段にアップします。

算数も国語も中途半端、後回しにした理社は完成の域には程遠く、では入試で「悲劇」を招く可能性は大きくなります

一変した理社の設問傾向

確かに10年、15年くらい前の中学入試なら、知識の暗記で「勝てる」入試でした。

終盤「理社を一気に」固めて、あとは算数勝負、国語で他の受験生に遅れをとらなければ…という作戦で大丈夫でした。

しかし、近年の中学入試で理科と社会は、設問の傾向が一変しています。

基本的な知識をベースにして「思考させる」というのがトレンドとなり、詰め込み式の「一気に」は通用しなくなっています。

理科は実験問題を中心に、既存の塾のテキストや問題集ではお目にかからない、実験の前提条件を変えるなど別のアプローチで作問したものを出題し「揺さぶり」をかけてきます。

社会の地理分野では見たことのない統計グラフの読み取り、公民では現代社会を取り巻くさまざまな具体的な問題を例に、それが政治や社会とどう関係しているのかなどを考えさせる出題が多くなりました。

この手の問題に「知識の暗記」で理社をやってきた受験生は「見たことがない問題。難しい」と、入試本番で「思考停止」状態になります。

それほど深く考えず、「テキトー」な答えを解答用紙に書くか、考えすぎて時間を有効に使えないまま終了となりがちです。

「経験値」の差が出る前提

思考停止に陥らず、一旦立ち止まって「これは何を問うているのか」と考えることができる子も一定数います。

思考停止の子との差は「経験値」にあります。

数多くの実戦問題に触れて解いたり、日ごろから思考する習慣が当たり前の勉強をしてきた子は、むしろ初見の問題は大歓迎です。

この経験値を積み重ねるには、豊富な「基礎知識」が前提条件となります。

それを夏休みまでにきっちり固め、秋以降、家庭学習で特別に時間を割かなくても塾の通常授業、土曜特訓、日曜の志望校別対策の時間内で最近のトレンドの問題解いて「経験値」を高めます。

問題だけ解いて「経験値」は上がりません。

基礎知識があってこそ、初めて実戦問題に向き合えるのであって、基礎の欠落は問題数を解いても有効ではなく、復習でさえ「解答丸暗記」という最悪のパターンになります。

精神的にも物理的にもまだ余裕があるこの時期だからこその「理社基礎固め」。入試直前になって絶対に「やっててよかった」となるはずです。

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