中学受験 国語偏差値40台から脱出できない理由
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・偏差値40台の子は｢読めない｣
・曖昧がが重なり｢できない｣状態に
・ ｢まあいっか｣ だから偏差値40台
・自分の脳みそに汗をかく
偏差値40台の子は｢読めない｣
ひと口に偏差値40台といっても、その範囲はとても広いです。
ちょうど真ん中の偏差値50に限りなく近い49、48の場合もあれば、振り向けば30台の40、41は上から数えて100人いたら80番以下。両者のレベルには差があるように見えます。
しかし、偏差値49も40も根本的にはそう変わりません。
偏差値49をもう少しで50に到達する「惜しい」偏差値とみることもできますが、解答用紙を分析すると「だから50の壁を越えられない」という理由が多々見受けられます。
たまたま「当たった」、よく分からないけど〇をもらったが運よく積み重なれば、下位の偏差値は上振れします。
逆にちょっと苦手な分野が出題されてしまえば、いつでも45以下になる危険性をはらんでいます。
偏差値40台の子は「読めない」のです。
曖昧が重なり｢できない｣状態に
偏差値40台の生徒の特徴の１つとして「曖昧さの放置」というのが挙げられます。
国語を例にとります。
偏差値50に届かない生徒の多くに共通するのが、語彙力の決定的不足とそこから派生する「曖昧さの放置」です。
次の短い例文を読んでみてください。実際に入試問題として出題された素材文からの抜粋です。
現代社会のメカニズムの中で、いたずらに右往左往するばかりで、何も解決できない人間が何と多いことか。(西山松之助「江戸入門」)
この文を解釈すると「今の社会の仕組みの複雑さ、難しさの中で、どうしていいか分からずに、ただおろおろするだけで、何もできない人間がとても多い」といったところです。
小学生にはなかなか難しい一文ですが、中学受験を志す偏差値55を超える生徒なら、5年生くらいで文意を理解できると思います。
しかし、40台の子は「字を読む」ことはできますが、「メカニズム」「いたずらに」「右往左往」「何と多いことか」あたりの言葉の意味、解釈で引っかかり、全体として「何を言っているか、よく分かりません」となります。
その先も「どういうことをいっているのか」と追い求めることなく、やり過ごします。
「よく分からない」＝「曖昧さ」の放置です。
「曖昧さ」の積み重なり、これが「できない、分からない」の正体です。
勉強は突然難しくなって分からなくなるのではなく、「曖昧さ」が積もり積もって、「出口」＝「解答」が見えなくなるのです。
よく分からないままの放置は、それ以上考えない「思考停止」へとつながります。
これはとては危険で、国語だけでなく、算数にも理科、社会にも伝染します。
｢まあいっか｣ だから偏差値40台
「分かりません」のまま思考が止まってしまって先へ進めないのが偏差値40台です。
分からない言葉を調べたり、先生に質問したり、親御さんに尋ねたり、自分なりの解釈を付けて少しでも先へ進もうと「何とかしようとした抵抗のあと」を残し、実践する子は偏差値50台後半からの生徒です。
「思考停止」状態から脱却する術を単に知らない、という技術的な問題は、勉強法を丁寧に教えれば改善する可能性があります。
それでは済まず「重症」だと、自分に甘く、思考停止状態を「仕方ない」と毎回放置してしまいます。
何を教わっても、自分に「甘い」ので、理解できる範囲はマスターしますが、話が難しかったり、理解の許容範囲を超えると「まあいっか」と、それ以上を求めません。
強弱の差はあれ、これが偏差値40台から抜け出せない原因です。
いくら休まず通塾しても、宿題を「こなした」としても、「分かりません」状態を自ら脱却しようとする姿勢にならないと、大金を払って与えられた合格への「栄養分」が、穴の開いたバケツから大半が漏れてしまって何も残らないのです。
自分の脳みそに汗をかく
国語の「まあいっか」からの脱却は、素材文の丁寧な読みが一番の近道です。
塾のテキストで構いません。読解問題の素材文からある部分を切り取り、音読します。初めは200字程度のものがちょうど良いでしょう。
音読すると、その読み方(つっかえるのか、なめらかなのか)で子どもの「理解度」が分かります。読み方が棒読み、たどたどしい時は文意あるいは語句の意味がほぼ分かっていません。
音読したうえで親御さんが文意を尋ねます。
ポイントは「的外れなことをを言ったとしても必ず受け入れること、違うでしょと否定しないこと」です。
子どもの間違いを指摘して、親御さんが正しい解釈、言葉の意味を教えてもまず「頭に残らない」でしょう。
親御さんと文意を一緒に検討し、知らない言葉を調べて、そこでの発見をネタに「対話を重ねる」ことで子どもは「そういうことか」と自分の知らない、想像がつかなかった世界に納得していきます。
自分の脳みそに汗をかかないと、国語力はつきません。
ああでもない、こうでもない、こうかもしれない、えっそうなの…この繰り返しをしていくと、国語の偏差値は40台から脱出します。
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