「志望校別分布表」で立ち位置を知る
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・受験校判断の心強いデータ
・受験、変更にも有効な判断資料
・自分は「ゾーン」に入っているか
・データは利用してナンボ
受験校判断の心強いデータ
首都模試は模試ごとに「志望校別度数分布表」を発表しています。模試を受けた生徒の偏差値別の人数を公表、同時に第1志望者数、平均偏差値を一覧で見られるようになっています。この分布表を使うと、自分の立ち位置がより明確に分かります。
共学の場合は男女別でデータが出るため、男女で偏差値、合格者数が違う場合でもより詳しい状況が把握できます。春先は受験者数、志望校とも未確定要素が多いのですが、秋以降はデータサンプルが受験者数をはじめとして、実際の入試に近いものになり、受験校決定の心強いデータになります。
受験、変更にも有効な判断資料
2021年10月実施の「第4回合格判定模試」を例に分布表のデータを見てみます。22年度入試で4回の入試機会があった、日大豊山(首都模試での偏差値49~56、日程によって偏差値は異なる)。この模試の4科目受験で同校の合格判定を希望したのは753人にいました。
21年度の4回の入試機会の平均志願者数が754人ですから、ほぼ入試と同じ規模です。合格判定の精度はかなり高いと言えます。これが難関校志向の受験生が集まるSOですと、志願者数が十数人レベルなので正確な判定が難しくなります。
結局、日大豊山の22年度入試は前年比11%減(334人減)の入試となりましたが、模試結果で合格がかなり厳しいと判断した層が撤退したと考えられます。受験するにしても、志望校変更をするにしても分布表は判断資料として有効です。
自分は「ゾーン」に入っているか
日能研では「志望校集計・分布表」を出しています。志望者数に対し、合格可能性80%以上(合格ゾーン)の志望者数と合格可能性50%以上80%未満(合格可能ゾーン)の志望者数をパーセンテージとともに示しています。
例えば、21年12月の全国公開模試では、女子に人気の青山学院中等部は102人の志願者に対し、合格ゾーンに達していたのは16人(15.7%)、合格可能ゾーンは10人(9.8%)で、入試約2カ月前に4人に1人程度しか、合格圏内に入っていないことが分かります。実際、青学女子の倍率は22年度5.0倍ですから、最低でも合格可能ゾーンに入っていないと、厳しい戦いになることが分かります。
あくまでも「この模試での結果」なので、すべてではありませんが、自分の立ち位置を実感するのに、よりリアルなデータであることは確かです。
データは利用してナンボ
データはあくまでもデータで、子ども自身の入試までの伸びや入試問題との相性まで数値化しているわけではないので、「絶対」ではもちろんありません。中学受験は入試直前まで、入試当日試験中にも「伸びる」とさえ言われています。データがこうだから…と安易に諦める必要はありません。
ただ、現状を客観視する必要はあります。受験まで時間がある場合は、あと何点取れば、そのためにはどのような問題を得点すれば、を分析して、そのレベルに持っていくための行動を起こします。家庭の力だけでは難しい場合は、塾の先生を巻き込みながらレベルに到達できるように対策を立て、実行します。データは利用してナンボです。模試を合格判定と偏差値だけ見て一喜一憂しないように、です。
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