まずは偏差値50 算数偏差値30~45の戦い方
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・算数を「標準」にする戦い方
・大問1~3で「満点」を目指す
・「ほどほど」と「きっちり」の差
・ 算数偏差値「炸裂」までの道のり
算数を「標準」にする戦い方
6年生になると、4科目の中でなかなか偏差値が上がらないのが算数です。5年生時に比べ「急落」という話はよく聞きますが、「急上昇」という話はあまり耳にしません。それだけ受験勉強を始めた時からの「積み重ね」と「考える姿勢」が大切で、一朝一夕には…という科目です。
「算数を制する者は受験を制する」とは中学受験の一般的な「鉄則」です。偏差値にして30台前後から40台前半の子は、「鉄則」からすると、難関・上位校、もしかしたら中堅校でも「勝負にならない」ことになります。少なくても、成績の振るわない子が算数を中学受験の、志望校の標準レベルにして、他教科との合わせ技で合格を勝ち取るには、「戦い方」があります。
大問1~3で「満点」を目指す
各進学塾の公開模試や首都圏模試、中堅私立中学から多くの上位校の算数の問題構成は上から順に計算、数の問題を中心とした小問集合、図形を中心にした小問集合、続いて割合、比、推量などのテーマ別問題、平面図形や立体図形へと続いていくバターンです。難易度はまちまちですが、テーマ別問題や図形問題は、小問の番号が大きくなるにつれて難しくなる傾向です。
算数の成績が振るわない子は、全体を見ずにまずは大問1から大問3までに全力投球してください。ここで「失点を最小限に防ぐ」、できれば「満点」を目標にします。算数がデキる子の答案は、正解率が30%以下の問題を次々と正解するのではなく、正解率60%以上の問題を「確実に得点する」、という特徴があります。基本問題は「ノーミス」です。一方で算数が厳しい子は、ここでポロポロ失点を重ねます。できないのではなく「計算が不安定」だからです。
計算問題は、意外とプレッシャーを感じるものです。50分の試験時間で、全問解き終わるには、計算くらいさっさと終わらせなくちゃ、という意識が強く働いて「先を急ぐ」結果、筆算のケタがズレたり、約分したことを忘れたり、挙句の果てに自分の書いた数字か読み取れない、という「悲劇」が起こります。
「ほどほどに」と「きっちり」の差
「悲劇」撲滅、偏差値アップの「近道」は「正確に解く」の徹底です。時間がかかっても構わないので「手を付けた問題はすべて正解する」という感覚を、家庭学習、小テスト、模試などで何度も経験します。小問集合でも同じことを繰り返します。極端なことを言えば、大問3までで50分の試験時間が終わってしまった、でも構いません。「確実に正解する」が「当たり前」になるまで、早さも偏差値も求めません。「遠回り」が最高の「近道」です。
偏差値50以下の子はこの基本問題を「ほどほどに」しかやりません。宿題でもテスト直しでも、丸付けをしたらおしまい。親御さんに復習するよう促されても、解答の数字を写すだけという流れに終始します。偏差値60台の生徒は、間違えた場合でも放置せず、「きっちり」納得がいくまで解き直し、さらにきちんとできるまでやり込みます。この「ほどほどに」か「きっちり」の差が、そのまま偏差値や点数として表れるのです。
勉強の「ほどほど」感が抜けないのが、偏差値30~40台前半の子の学習姿勢です。塾の宿題は指定されたところを「ほどほどに」、小テストも不合格にならない程度の「ほどほど」の点数でよしとしているので、テストで間違えてもそれほど悔しくもなければ、気にもならないのです。親御さんがイライラして、檄を飛ばして勉強するよう促しても根本がそれですから反抗するか、柳に風状態です。
算数偏差値「炸裂」までの道のり
まずは算数だけでも「標準」に持って行きたいのなら、親御さん伴走の下、各塾で配布される、計算や一行問題が集まった「基礎力トレーニング」(名称は塾でそれぞれ)をきっちりやることから始めます。ここで正確に解いて全問正解するが「当たり前」になると、解くスピードも自ずとアップします。
さらに、良問をたくさん解いて「経験」を積むと、何を先に解けば得点になり、これに時間をかけるとハマる、などの「嗅覚」が働くようになります。ここまで行くと、算数の偏差値は「炸裂」します。(受験デザイナー・池ノ内潤)
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