偏差値の高低を決める「経験」の差
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◆中学受験の窓口 今日のメニュー
・鉄則「勉強量はウソをつかない」
・デキる子は「とことんやり切る」
・「経験」の多さと濃さが「自信」
・ 低迷から脱出の「はじめの一歩」
鉄則「勉強量はウソをつかない」
「効率的に」「コスパ」…素材としてはいいものを持っているのに、成績で伸びきれない子の親御さんはこの言葉を口にする傾向があります。
「手っ取り早く成績が上がるコツを教わり、最大の効果を発揮して合格を」という狙いがそこにはあると想像できます。
しかし、中学受験の世界では「努力と工夫」を重ねてきた子にはどんな勉強法もかないません。ベタな言葉ですが「勉強量はウソをつかない」は鉄則です。
時間と質量を兼ね備えた勉強をしてきた子=地道に積み重ねてきた子が日々の教室で、テストで結果を出し、いい流れのまま入試を迎えることができます。
デキる子は「とことんやり切る」
中学受験で成績の良い子、偏差値の高い子は一部の例外を除いて、その子なりに時間をかけて「凄まじい努力と工夫」をしています。
それを支えているのが「勉強体力」と「学ぶことへの好奇心と問題を解くための工夫」です。
質が伴った、ある程度長い時間勉強をやるだけの体力、難しいけど解けたら新しい世界が広がるかもしれないので攻略してやろうという「好奇心と工夫」があるから、成績、偏差値とも崩れずに高ポイントを維持できるのです。
「何時間やれば」「どれだけの量を」という質問をする親御さん、受験生もいますが、デキる子は「時間の許す限り」「納得いくまで」というのが答えです。
かといって、家で勉強ばかりしているかというと、ゲームもすればYouTubeも見ますし、習い事や休日にはチームに入ってスポーツをする子も少なくありません。
ただ、勉強をやる時は「とことんやり切ります」。どうしてその解答になるのかの「メカニズム」が腑に落ちるまで問題と格闘し、理解できなかったことは「分かった」でとどめず自力で解答を「再現できる」までやり込みます。
「経験」の多さと濃さが「自信」
一方、偏差値が30台から50台手前の子のいう「勉強」とは、解法暗記や思考力をそれほど必要としない一問一答形式、「形ばかり」の宿題消化です。
解法暗記が通用するのは小テストや入試ではあまり発展、応用問題を出題しない一般校レベルまで。原理原則、理由や背景を理解していなくてもある程度答えられる、一問一答式ができただけでは、それなりに「名前の知られた」中学を受けても、合否のボーダーラインにも近づけません。
つまり、勉強法の方向転換をしないと、成績も上昇気配を見せないだけでなく、太刀打ちできない状態で入試本番を迎えることになります。
自分の今のレベルより少し高いレベルの問題にあたると、偏差値の低い子は簡単に諦めて、手も付けません。「面倒」なのが1つ、もう1つはできなくて「傷つく」のが怖いからです。
手を付けたとしても、算数なら目に入ってきた数字を適当にいじった数遊び、国語の記述なら頭に浮かんだことを適当に字にして並べただけです。
厳しい問題にもがいて、脳ミソに汗をかかないと勉強したという「経験」にはなりません。この苦しんだ「経験」が多い子が、デキる子です。
「経験」の多さと濃さが「自信」につながります。「自信」が成績につながります。
挑まない子は圧倒的に経験が少ない=自信がないので、いつまでたっても足踏み状態。受験勉強中は問題の先送りはできても、年が明ければもうどうにもならなくなります。
低迷から脱出の「はじめの一歩」
勉強に自信のない子がいる場合、親御さんの役目は「はじめの一歩」を踏み出すアシストです。
家庭で10問の算数の問題を解くとします。8問は子どもの現状の力で解けるものを並べます。一歩を踏み出すための「潤滑油」です。どんな子でも「できる」がある程度並べば、ノリます。
残り2問は、少し「背伸び」した問題にトライします。親御さんも一緒に考えます。問題が不正解でも全然構いません。「こう思う、こうじゃないかな」と自ら解答へのアプローチをしたならば、それを評価してあげます。
親御さんは、ヒントの助け舟は出しても「答え」までは出さないこと。じれったく、もどかしくてもです。不正解でもとんちんかんでも、まずは「自分で考え、解答の方針を組み立てた」ことに意味があるからです。
その最初の一歩がすべての始まり。「考えれば何かが生まれる」という感覚が、成績低迷から脱出する「はじめの一歩」です。
中学受験のコスパという観点から言えば「最悪」です。金銭と時間の投資に見合った「偏差値」を子どもが弾き出すケースは10人に1人とか、そういう世界です。
「それでもなお」というのなら、覚悟を決めて勉強に対し、一歩踏み出すしかありません。受験が終わって、後悔しないためにも、です。
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