夏休み 苦手算数を勉強する3つのステップ
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◆中学受験の窓口 今日のメニュー
・苦手科目から取り組むとつまづく
・得意な科目→短時間で、の流れ
・「できるかも」の問題をやる意味
・「おかわり」厳禁 親は「我慢」
苦手科目から取り組むとつまづく
この夏休みこそ、苦手克服を!と張り切っている家庭は多いはずです。特に「算数を何とかしよう!」と意気込んでいる生徒は少なくないです。
しかし、いざ算数の教材を目の前にすると、あの決意はどこへやら。スタート早々、つまづいて、一気にやる気が失せてしまうことがよくあります。
苦手科目から取り組もうとする気持ちはよくわかりますが、受験勉強としての進め方としては「選択ミス」です。
苦手科目に取りかかる順番、ステップを変えることで、少なくとも「停滞感」を感じることなく、徐々にですが力がついていることを実感できる勉強法があります。
結論から言うと、得意科目から始め、次に短時間でできるものを挟み、3番目に苦手科目を「適量」取り組むというサイクルで回します。
得意な科目→短時間で、の流れ
具体例で考えてみます。
スタートは理科か社会、得意(好き)な方から勉強します。一問一答形式の単純なもの、テストの直し、塾でやった演習問題の振り返りあたりが良いでしょう。
もともとできる科目なので、さらに自分のレベルがアップすると思えば、進んで取り組めます。
「本丸」の算数へ入るための「ウオーミングアップ」ですから、20分程度でいいでしょう。まずは勉強する、という態勢を構築します。
次にもう1ステップ踏みます。
短時間で終わるものを組み入れます。国語の漢字や語句がやりやすいかもしれません。最初に取り組んだ、理社と入れ替えても問題ありません。
漢字はターゲットの個数を決め、5~10分以内にマスターすること、というルールでストップウォッチで測ります。
やり方は自由。書いて覚えても良し、眺めて覚えても良し。とにかく塾の小テストなどで「得点できる方法」を子ども自身に選択してもらいます。
「漢字を●個ずつ書く」はNG。子どもはマスターするという意識より、●個書くというノルマにばかり関心が行き、「得点する」という目的意識が薄れます。
「できるかも」の問題をやる意味
ここまで40分程度。2つの過程を経てようやく苦手科目・算数に入ります。
得意科目、やりやすい課題に最初取り組むことで、勉強へのハードルは低くなっています。車ならエンジンが暖まり、始動して走行している状態です。
取り組む問題は、自力で解答でき、正解に至る確率が高い問題2つ、少し考えれば解答が出せる(正誤は問わない)問題2つ、現時点ではやや難も「こうじゃないかな」と方向性、糸口くらいは考えつく問題を1つといった具合です。
最大の狙いは「少し考えればできるかもしれない問題」に取り組むことです。
簡単に「わからない」とあきらめる癖を排除し、考えれば自力で解答を導き出せる体験をできるだけ多く持つことで、算数に一番大切な「思考力」を養成します。
自分の力とかけ離れている問題ばかりチャレンジしても、考える習慣は身に付きません。
正解に至らなくても、わからない問題も「ここまで自分で考えた」という「足跡」を残すことで、次につながります。
この積み重ねこそが、偏差値アップ、入試でしぶとく得点する力へと変わっていきます。
「おかわり」厳禁 親は「我慢」
算数で取り扱う問題数や所要時間は、あらかじめ決めておきます。決してやってはいけないのが、課題の「おかわり」です。
苦手の算数の問題が調子よくできたとします。親御さんとしては、つい嬉しくて「じゃあ、この問題もやってみようか」と、当初予定になかった類題などを「おかわり」してしまいます。
これが「苦手と嫌い」を助長する危険性をはらんでいます。
大人だって仕事で「終わり!」と思っていたところへ、「これもお願い」と追加されれば、凹みます。子どもも同じです。
ある程度「自力でできる」ようになれば、子どもは自分で取り組み始めます。
そうなった時、できない問題を「何とかして攻略したい」という欲が多くの子どもに出てきます。自分で「おかわり」するようになるまで、親御さんは「我慢」です。
中学受験の学習の肝は「地道な継続」です。1日に大量にやるより、小分けしてでも「継続」です。
苦手科目は「一気に」、というわけにはいきません。長いスパンで見る忍耐力が必要です。
そんなことでは入試に間に合わない、と焦る気持ちはわかりますが、今からでも積み重ねることで、入試までには確実に実力はアップします。「算数ができない」と堂々巡りするよりも効果的です。
「急がば回れ」です。
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