24年度東大合格者 3人以内の首都圏中高一貫校
にほんブログ村 筆者プロフィール
◆中学受験の窓口 今日のメニュー
・東大合格は中高一貫校の「起爆剤」
・下落の流れ続く伝統校・暁星
・三田国際は「初」 清泉が10年連続
・文教大付は初 推薦で女子校2校
東大合格は中高一貫校の「起爆剤」
毎年3桁の東大合格者を出す開成のような高校もあれば、学年で1人とか、何年ぶりに東大合格者が出た!など、「進路」の様相はさまざまです。
昔ほどではありませんが、私立の中高一貫校にとって「東大合格」の4文字は、強烈な「起爆剤」になります。
翌年の中学、高校の志願者が増加する傾向にあり、これが連続すると偏差値も自然に上がって「人気校」になります。
中高一貫校にとって「人気」は学校の活気とともに「学校経営」という現実的な問題に直結します。
数は少なくとも、東大合格者を出すか出さないかは私学の進路指導の中で最大級の焦点になります。
下落の流れ続く伝統校・暁星
24年度の東大入試で合格者が3人(現浪合計)の首都圏中高一貫校は7校。晃華学園女子は2017年から8年連続、医学部にあたる理科Ⅲ類で現役合格を輩出した東洋英和女学院など女子校が4校を数えました。
男子校は成城、暁星の2校。戦前は陸軍士官学校・幼年学校への予備教育を施していた、140年の歴史を持つ成城は4年連続して合格者が出ましたが、現役合格は1人でした。
1888年(明治21年)創立の伝統校・暁星は毎年合格者が出るものの、下落傾向に歯止めがかかりません。
2013年に17人の合格者を輩出してから、4年連続で2桁合格で推移していましたが、これで8年連続1桁に。24年度の3人は19年度の2人に次ぐ「少人数」となりました。
暁星は2月2日の1回のみの入試を2回にして入学の機会を拡大するなど、学校改革を進めています。ただ、他校がICTや国際性など、目立つ「宣伝材料」を前面に押し出しPRしている中で「古き良き伝統校」のイメージが定着している感があります。これに「活気」が感じられるようになると、また違った展開になるかもしれません。
横浜市の中大横浜は現役で理科Ⅱ類に3人合格。21年以来3年ぶりの東大合格です。
中大進学者が約7割を占めますが、MARCH系の附属校の中では他大学進学が割と多い傾向です。東大以外の国公立や早慶への進学者も珍しくありません。
三田国際は「初」 清泉が10年連続
合格者2人の首都圏中高一貫校は15校程度です。
三田国際学園は2015年の校名変更、共学化以来初の東大合格者(理科Ⅰ類)が出ました。学校としては前身の戸板女子の時代の1995年に輩出して以来、29年ぶりとみられます。
英語と理系科目に重点を置いた教育を中学の段階から推し進め、ブームの「国際系」の中高一貫校として人気の学校です。
24年度の中学入試では第1志望が集まる2月1日の「インターナショナル」クラスの入試では、男子が前年比で100人以上志願者が増加。実質倍率が3.2倍から4.3倍へと跳ね上がりました。
これを契機に高倍率でやや敬遠気味だった女子の志願者も増えると予想され、25年度入試注目の1校です。
共学校では穎明館、帝京大高、創価、東京都市大等々力、成蹊(以上東京)、桐蔭学園中等教育(神奈川)、狭山ヶ丘(埼玉)などが2人合格です。
男子校では明治大学系属校の明大中野が3年ぶりの東大合格を出しました。高輪は4年連続と実績を積み重ねています。
女子校は神奈川の清泉女学院が2015年以来10年連続で合格者を出しました。同じ神奈川の横浜雙葉は35年連続。今年は現役で理科Ⅲ類合格です。
文教大付は初 推薦で女子校2校
東大に学校から1人合格したケースは未集計のところもあり、正確には分かりませんが、首都圏中高校一貫校は約30校と推測できます。
「学校初」とみられるのは、東京都品川区の文教大付属。教員養成系の大学が併設されていますが、そのままエスカレーター式に進むケースはそう多くないのですが、かといって受験指導がすごいというわけでもない「穏やかな」学校です。
どういうプロセスをたどっての合格かは分かりませんが、推薦ではなく受験での突破。後輩には「刺激」になったはずです。
推薦合格を出したのは品川女子学院(法学部、文Ⅰ)と富士見(文、文Ⅲ)の女子校2校。理科Ⅲの現役合格が出た湘南白百合は2009年以来16年連続で合格。恵泉女学園からは10年ぶり、東京女学館からも19年以来5年ぶりに東大合格者が出ました。
男子校では足立学園、城北埼玉が、共学では安田学園、かえつ有明、桜丘など都内で人気の中堅校の名前が並びます。
大学附属・系属校も多く、青山学院、青山学院横浜英和、日大二、東京農大一、専大松戸から合格者が出ています。
にほんブログ村 筆者プロフィール