校長交代は突然に…話題の中学で何が起きたのか 

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複数私立で校長の「突然の交代」
横浜創英・工藤校長が突然の退任
名校長退任と3年で再度校名変更
2年目も「事件」発生の芝国際

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複数私立で校長の「突然の交代」

新学期を機に学校トップの校長先生が交代するのは珍しい話ではありません。

しかし、中高一貫校では今年、校長が示した「方針」が客観的に見てまだ道半ばでは…と思える状態での「突然の交代」が複数見受けられました

学校説明会の時点でその魅力を熱く語っていた校長先生が入学したらいなかった、というのでは、生徒も保護者も「がっかり」ではないでしょうか。

特にその校長の存在で受験、入学した場合は、大いに戸惑います。

前任者の「方針」が引き継がれれば、大きな問題ではないかもしれませんが、もしかしたら「別の学校」になってしまう可能性もあり得る場合、吉と出るか凶と出るか、気持ちは落ち着きません。

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横浜創英・工藤校長が突然の退任

横浜市神奈川区にある共学校、横浜創英はこの春、工藤勇一校長が退任、副校長が新校長に就任しました。

宿題、定期テスト、固定担任制の廃止など東京都千代田区立麹町中学校での大胆な改革の実績を買われて、工藤前校長が横浜創英のトップに就いたのは2020年4月でした。

以後、「考えて行動できる人」の育成を目標に「リーダー養成講座」「4C(創造、対話、協力、分析的思考)スキル研修」などを展開してきました。

難関校志向の親御さんへの浸透度はまだまだでしたが、中堅校を目指す層に横浜創英は「超人気校」です。

学校説明会の予約は即満席、合同説明会でも行列ができるほとの人気ぶりで、入試の実質倍率も年々上昇。学校もさることながら「工藤ファン」になって創英を目指す生徒、親御さんも少なくありません。

人気校となり、25年度からスタートする、中1、高1で設置する「グローバルコース」の目途がついたとも解釈できますが、工藤前校長が今年3月31日に「X」(旧ツイッター)でつぶやいた言葉が気になります。

任期をまだ2年ほど残していたのですが 本日、3月31日をもって校長を辞めることにしました

「私の今後についてですが、 横浜創英ではリーダー養成講座をはじめ、生徒への特別授業や 保護者の皆さんの相談などにお応えてしていくつもりですが いまだ学校側と契約もできていませんし、 その他の働き方についても、全く白紙状態です」

任期をかなり残しての退任、しかも明確な理由は示されていません。

工藤前校長自身はこれからも横浜創英にかかわっていく意欲がうかがえますが、「いまだ契約もできていない」ということから学校側との温度差も感じます。

その後の動きも伝わってきませんし、全く推測の域を出ませんが、何か引っかかるものを感じます。

工藤前校長の手法の好き嫌いは別として、斬新な学校改革を実践した姿は評価されるべきです。

任期を残して辞めるのは「志半ば」という印象が強く、残念でなりません

名校長退任と3年で再度校名変更

2022年に女子校から共学化し、中学の校名を改名した千代田国際。休校状態だった同校の復活をけん引してきた、「学校再生請負人」日野田直彦校長が退任しました。

後任は日野田全前校長の右腕として活躍してきた、木村健太新校長が就任しました。いまや高偏差値となった広尾学園の医進サイエンスコースの責任者を務めたラガーマン先生です。

千代田国際を離れた日野田前校長は一般財団法人「活育財団」の共同代表に就きました。

同財団は「社会とともにイキイキと生き続ける力を引き出す教育」を目標に、「ミライの学校設立」「教職員キャリア支援」「中高生の海外大学進学支援をするプラットホームづくり」などを行うとしています。

前校長の考えを熟知している人物が引き継ぎ、前校長は次のミッションへ――。一見、円満な「禅譲」のようにも見えますが、こちらも横浜創英同様唐突な感じは否めません。

しかも25年度から学校名から「国際」を外し、「千代田中学」に変更します。今流行りの「国際」の名前をなくす理由が気になるところですが、改名して3年目に再度校名変更というのは「なぜ?」と問いたくなります。

学校の教育目標が変わるのか、新校長の方針で違う方向へ進むのか、特に説明はありません。

校長交代と何か関係があるのか、とても気になるところで学校説明会などでは「突っ込みどころ」になるのは必至です。

2年目も「事件」発生の芝国際

23年度入試で不手際を連発し、「事件」とさえ言われた芝国際(東京都港区)。合格者を絞りこんだ結果、偏差値は「初登場」で「55」と狙い通りの数字になりましたが、そのダメージは大きすぎました。

23年度に都内中学入試最高の4681人の志賀者を集めた学校が、24年度入試で前年度比88%減の561人しか集まりませんでした。前代未聞の志願者減です。

2年目の入試で「50通りの合格ルート」がある入試をシンプルにしたにもかかわらず、1年目の「合格者いっぱい出します」という結果的に「幻」となった最悪のイメージは拭えないままでした。

その責任を取ってなのか、任期満了なのか定かではありませんが、学校改革を推し進めた、芝国際「生みの親」ともいえる2人がこの春、同校から去りました。

校長だった山崎達雄氏は埼玉の栄東などが属する佐藤栄学園が経営する「さとえ学園小学校」の教頭に就任。芝国際の開校準備室長で同校理事だった小野正人氏は、24年に1期生を迎えた開智所沢中等教育学校の校長代理に就きました。

「ツートップの転職」の余波は校内にも起きており、芝国際関係者によると20人近い教職員が山崎前校長らとともに学校を退職したといいます。

志願者大幅減、トップと教員の大量離脱と、まさに2年目も「事件」が続いていたのです。

さて、生徒がいる以上、学校を放り出すわけにはいきません。芝国際は窮余の策として、東京女子学園高校の顧問である吉野明氏が新校長に就任しました。

吉野新校長は鴎友学園女子の元校長、名誉校長でという経歴で教員としては社会化を担当していました。

芝国際が打ち上げた「派手な花火」の路線を踏襲するのか、それとも軌道修正していくのか、この2年とは違った意味で芝国際は「注目」の1校です。

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