中学受験 学校別模試が「マスト」の3つの理由
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・学校別模試は絶好の「腕試し」
・受験者数が本番に限りなく近い
・「午後受験」を体験して分かること
・「同じ」という精神安定剤
学校別模試は絶好の「腕試し」
9月以降、各大手進学塾は「学校別模試」を実施します。
男女御三家、早慶、駒場東邦、栄光学園、聖光学院、渋谷幕張など最難関、難関校を中心に、複数回行われる学校もあります。
どこの塾の模試が良いかは各家庭の判断となりますが、受験層のレベルを考えると、サピックス主催の模試がより本番に近い層が集うと予想できます。
家庭や塾で過去問に取り組むより、何倍も「得るもの」がある絶好の演習機会です。
特にサピックス以外の塾に通っている子は「道場破り」くらい強い気持ちで、サピ勢に挑戦です。
受験者数が本番に限りなく近い
学校別模試を受けるメリットは主に3点あります。
まずは、志望校の入試と限りなく近い規模で腕試しできることです。
一例を挙げます。麻布は2024年度入試で796人が実際に受験しました。対して、サピックスの学校別オープンでの麻布模試は9月の1回目に708人が受けました。実際の入試の約9割にあたる人数が模試を受けたことになります。
女子学院の24年度実受験者数は642人。サピックスの同校模試の2回目では638人が集まりました。本番と4人しか差がありません。
模試と実際の入試で受けた生徒の顔ぶれは多少違うかもしれませんが、人数はほぼ同数。限りなく入試本番に近い「予行演習」の場となります。
あくまでも模試なので成績、判定は「参考」ですが、秋の時点でのおおよその「立ち位置」が分かるので、今後の学習の方針も立てやすくなります。
「午後受験」を体験して分かること
2点目はいくつかの模試が、実際に模試の当該校を会場としているということです。
小学6年生の子どもにとっては模試とはいえ、志望校の中学校の教室を使用して受けたテストは良い経験になります。
いわゆる「場慣れ」です。たとえ1回でも、貴重な体験です。
サピックスだと今年度は渋谷教育学園渋谷や聖光学院、豊島岡女子学園、駒場東邦、筑波大附属駒場が教室を提供、模試が受験できます。
この5校は「サピックスオープン」と同日開催で、こちらも受験すれば「ダブルヘッダー」になります。
受験生にとってはヘビーな1日になりますが、2月に「午前・午後」受験を考えているとすれば、これも願ってもない「予行演習」になります。
「思っていた以上に疲れる」「最後の方は頭が働かない」などの経験すると、安易に「午後受験」を組み入れるプランは慎重になります。
大人の感覚では「いける」かもしれませんが、受験するのは12歳の小学生です。
机上プランだけで進むと中学受験は「思わぬ展開」を招きます。
「同じ」という精神安定剤
3つめは試験問題の冊子、解答用紙の体裁はそっくり、紙質さえ同じというところです。
塾によっては入試当日と同じタイムテーブルで進行する模試もあります。
過去問集をコピーして行う、家庭学習の対策とは違い、ほぼ「実物」で実戦演習に取り組むのは有益です。
実際、本番でその学校独自の問題冊子、解答用紙になじめず、合格できなかった例もあります。
そんなことで…と思うかもしれませんが、入試本番は「ちょっとしたこと」で子どものペースは狂いが生じます。そして容易に修整できないのが中学入試です。
「いつも通り」「見たこと、やったことがある」というだけで落ち着いて入試問題に臨むことができる、何よりの精神安定剤です。
第1志望ではないにしても、進学先の候補に入っているのなら、学校別模試は「マスト」(=must、必須)です。
子どもたちにとっても、受験が、志望校がより「リアル」に感じることができます。
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