25年度大宮開成中 過去問分析と合否の分かれ目
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・大宮開成合格の総得点目安
・大宮開成の算数 傾向と対策
・大宮開成の国語 傾向と対策
・大宮開成の理社 傾向と対策
大宮開成合格の総得点目安
大宮開成の入試機会は3回あります。
いずれの回も3段階の合格最低点(1月12日の特待生選抜は4段階)が設けられ、入学した際のクラス分けに使われます。
一番高い合格最低点が「特待合格」。1月10日の第1回 (サピックスOP合格可能性80%偏差値46、四谷大塚合不合判定Aライン偏差値男子53、女子55、以下同) の場合、過去5年の平均は227.4点です。
アップダウンを繰り返していて、しかも幅が広いのが特徴で、20年は240点だったのに対し、21年は206点と34点差もありました。
必然的に他の合格基準「T(トップ)クラス」(5年平均190.4点)「S(スタンダード)クラス」(同174.4点)も同じようにアップダウンを繰り返す結果になります。
その順番で行くと25年度入試は「ダウン」の年になります。それでもどのレベル帯でも5年平均くらいの点数が合格には必要です。
「Sクラス」でも過去190点が最低点の年もあり、合格の目安として190点以上は獲りたいところです。
12日の「特待選抜入試」(四谷男子55、女子57)は、特待以外の通常クラスへのスライド合格も用意されており、飛び切り入試のレベルが高いわけではありません。事実上第2回入試といった感じです。
大きな違いは、各入試機会での特待合格は中学での授業料が免除(学校から給付)される「3年特待」ですが、高校卒業までの6年間の授業料免除の「6年特待」合格者が選ばれます。
「6年特待」は23年度からの制度ですが、3年特待との合格最低点の差は24年24点、23年21点と「20点差以上」という流れになっています。
倍率という点で一番厳しいのが14日の第2回。男女とも3倍前後になります。
合格最低点の5年平均は特待226.2点、Tクラス192.8点、Sクラス174.8点となっています。
大宮開成の算数 傾向と対策
第1回入試の過去5年の合格者平均は男子が71.5点、女子が68.1点。算数は70点確保が合格への道につながります。
どの回も基本的には同じ形式で大問7、小問16の構成です。
大問1の計算問題2題と大問2の「割合と比」「仕事算」「ニュートン算」などの文章題4題(問題文は3行程度)の6問をまずしっかり正解しないと苦しい展開になります。
大問3以降は小問2題ずつ。大問3は平面と立体の図形問題が1つずつ。大問4は食塩水と砂糖の濃度の問題、大問5は規則性、6は速さの問題、最後は平面図形と点の移動(やや難)と続きます。
大問4と6は典型題と比べ軽くですが「ひとひねり」入っています。
「仕掛け」に気が付かず「見たことがない」と手が止まってしまうと前に進めなくなります。逆にここで2問正解すると合格へ一気に近づきます。
大宮開成の算数は基礎、標準問題が多く「ひねり」の入った問題も「気づき」があれば正解に至ります。
基本的な典型題とともに、一歩踏み込んだ問題にも触れて「見たことがない」を「どこかにヒントがある」という視点で問題に取り組む勉強を積み重ねることが大切です。
特待選抜入試の合格者算数平均は男子75.3点、女子71.3点、第2回は男子71.5点、女子67.7点です。
大宮開成の国語 傾向と対策
国語は例年大問3つの構成で小問数約25問。漢字や語句、文法問題に続き、論説文と物語文の読解問題を解きます。
各入試回の合格者平均は第1回男子60.8点、女子67.0点、特待選抜男子65.6点、女子70.9点、第2回男子64.1点、女子69.7点。全て女子が上回っている、国語の典型的な得点分布です。
ここ2年は落ち着いていますが、第1回の20年から22年を例にとると、男女合計平均で20年79.4点と高得点だったのに対し、21年は41.5点と半分くらいになり、また22年は76.4点に戻るなど、乱高下が激しい時期もありました。
おそらく作問者によってさじ加減が違うのだと思います。
25年度はどうなるのか…問題の難易度はふたを開けてみるまで分かりません。受験生は得点の3分の2にあたる67点をひとまず目標にします。
読解問題はそれぞれ4000字前後の読みやすい素材文が多いだけに、流し読みをせずに要点を確認しながら、文章のキーセンテンスのチェックをしながら読むのが得策です。
というのも、「本文中から抜き出して」「本文の言葉を使って」記述させる問題が頻出するのが大宮開成の国語の特徴だからです。
先に設問に目を通し、どのような「書き抜き」が要求されるのか、頭に入れながら読むと注意力が増します。
漢字の書き取りは8問で基本的、四字熟語やことわざの問題も出ます。中学入試では少数派の文法問題が出るのも大宮開成の特色です。
24年はグラフを読み取り、40字以内で説明する問題も単独で出題されました。
公立中高一貫校の問題の簡易版のような問題は今後も出ると考えてよさそうです。
大宮開成の理社 傾向と対策
理科と社会はそれぞれ30分ずつの50点満点です。
理科の5年間合格者平均は第1回男子31.9点、女子30.1点、特待選抜男子31.4点、女子29.1点、第2回男子30.6点、女子28.2点と男女差2点程度で理科が苦手な女子でも割と得点できる問題です。
理科の4分野で大問1つずつが基本構成ですが、年によって時事問題の要素が入った小問集合のような大問が出るときもあります。
得点の目安としては6割にあたる30点ですが、得意な子はここで稼ぎたいところ。40点超えを狙います。
社会の5年間合格者平均は第1回男子30.3点、女子29.1点、特待選抜男子30.4点、女子29.2点、第2回男子29.6点、女子28.5点とこちらも1点程度しか変わりません。
理科同様30点を獲れば乗り遅れませんが、社会は積み上げができる科目。40点以上を目指します。
大問4つの構成。地理→歴史→公民、最後は現代社会が直面する問題などを資料を見ながら説明する50字程度の記述問題となっています。
地理、歴史ともグラフや地図、写真を使った出題が多いのが特徴。単純な一問一答形式の勉強より、他校の過去問を含めた実戦的な演習を数多くこなした子がその強みを発揮します。
最後の記述は字数制限の9割、50字なら45字以上書くのが「暗黙の了解」です。
そのうえで主語をしっかり定めて書くことが大切。ただ「埋めた」だけだと得点になりません。
入試当日のぶっつけ本番では得点できません。過去問や他校の記述問題での練習の有無で差がはっきり出ます。
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