25年度市川中学 入試分析と合否の分かれ目
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・市川中学 合格への総得点目安
・市川中学の算数 傾向と対策
・市川中学の国語 傾向と対策
・市川中学の理社 傾向と対策
市川中学 合格への総得点目安
市川中学の第1回入試の合格最低点は400点満点で220点台の年が多く、24年度は227点、23年度は225点でした。
得点率にして56,57%程度と合格最低点にしては決して高くはありません。
理由の1つとして、4教科のうち毎年いずれの科目かが難しく、合格者平均でさえ5割を決めことも珍しくないからです。
「市川の入試が終わると“全然できなかった”」と落ち込んで幕張メッセから出てくる受験生が後を絶ちません。
それでも開成や桜蔭、渋谷幕張に合格するレベルの子は合格者平均よりかなり高い得点で受かります。
最難関クラスの「前受け」で市川を受験したなら、合格者最低点が何点であれ、得点率70%にあたる280点前後はマークしたいところです。
市川が第1志望の子は230点から240点あれば、例年何とかなります。
市川中学の算数 傾向と対策
市川の入試で一番手を焼くのが算数です。
直近5年の受験者平均は男子が48.6点、女子は43.3点。合格者平均レベルだと男女とも50点台にはなりそうですが、全体で平均点が半分にも届かない問題では受験生も試験中に焦ってしまいます。
市川合格へは、ひとまず算数で50点から60点を目指します。
大問1の計算問題を含んだ小問集合5問は1つでも落とすと、後手に回り苦しくなります。
大問2、3あたりまでは「算数小僧」でなくても、ある程度得点は見込めます。ここも確実に点を拾い集めます。
例年大問4以降は厳しい問題になります。
24年度は大問4「時計算」大問5「ニュートン算」でしたが、レベルは高く、それぞれ小問の(1)止まりだった受験生が多くを占めたことでしょう。
算数が得意な子でも、思うように点が伸びないケースもあります。
その場合のショックが大きく、後に続く理科と社会の試験に支障をきたすかもしれません。
ここは切り替えが大事。仮にできなくても「みんなもできていない」と思うことで、気持ちは軽くなります。
難しい試験の場合は、こういった「根拠のない自信」も合格への道に通じます。
市川中学の国語 傾向と対策
市川の国語は読解2問に、漢字の書き取りの独立問題が1つという構成です。
大問1の論説文は【文章Ⅰ】【文章Ⅱ】の2つの関連した素材文を読んで解答する形式が近年続いています。
事実上、大問2の物語文と合わせて読解を3題解くと考えていた方が良さそうです。
記述問題は2問、70字と80字のものが24年度は出題されました。推定配点は計20点。満点はなかなか取れませんが、12点から16点(6~8割)を目指します。
国語の受験者平均はここ5年で60.3点。50分で1万字(文庫本約17ページ)超の素材文を読み、解答することを考えれば、受験生のレベルの高さを感じます。
合格者はこれより10点弱高い点数をとります。合格へは3分の2以上の得点67点以上を目指します
最後漢字の書き取りは時々難しいものが出題されますが、市川を受験するレベルなら2つ間違うと「痛い」です。
言うまでもありませんが、国語は漢字から手を付けます。ここで点数を少しでも稼いで読解問題と向き合います。
市川中学の理社 傾向と対策
理科と社会も均等配点で100点満点の市川。算数、国語並みの、年によってはそれ以上にその「出来」が合格を左右する科目です。
理科の直近5年の受験者平均点は63.3点。しかし、この得点に近い年は1度もなく、例えば23年度はの男子は80.8点とかなりの高得点であったのに対し、翌24年は56.6点と一気に24点も下降しました。
年によって出来が乱高下する市川の理科。目標点設定は難しいのですが、どちらかといえば50点台後半が多い受験者平均から見て60点強の点数があれば、合格圏内に十分残ることができそうです。
4分野から大問1つずつが出題されますが、前半に配置されることが多い化学、物理分野に比べ、後半の生物、地学分野が毎年平均点を下げる要因になる難易度であることが多いです。
24年度も大問1「電球回路」(物理系)、大問2「中和反応」(化学系)は標準(一部やや難)問題でしたが、大問3「水の動きと地層」がやや難しく、大問4の「新型コロナと抗体検査」の問題は示された資料をたどっても小学生にはちょっと無理…という問題でした。
「お手上げ」問題は潔く諦めて、標準問題を確実に、というのが市川の理科で後れをとらないための方策です。
なお、作図問題が2年連続出題されていない代わりなのか、記述問題は過去の2問程度から24年は6問と増えています。
出題がどう変わるかは分かりませんが、双方とも対策をしておく必要があります。
社会は直近5年の受験者平均は54.1点。合格者平均は60点に届くか届かないかというくらい「決して易しいとは言えない」レベルの骨のある問題が並びます。
大問4問構成ですが、うち2問が歴史。大問1が古代から江戸時代まで、大問2が明治から昭和、平成の近現代史からの出題です。
過去の市川の歴史問題は人物や出来事、歴史用語を答えるやや一問一答に近い出題が多かったのですが、最近は歴史的背景など思考力をみる選択肢問題が主流となっており、そこが受験者平均がやや低めになっている原因とみられます。
大問3は地理、大問4は公民からの出題です。地理は資料の読み取りに時間がかかる問題も多く、40分の試験時間を考えると総解答数50近い量はかなりタイトになります。
過去問演習を通じて時間配分、どの程度考えて分からなければ次へという判断をするか、あらかじめ頭に入れておくのが得策です。
得点の目安は60点。社会が得意なら80点を視野に他の受験生に差をつけます。
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