サピ、早稲アカ、グノ他…男女御三家の合格割合
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・早稲アカ史上最高!御三家率は…
・さすがサピ!でも、実績の裏に…
・サピよりも「御三家率」が高い塾
ウチの子も御三家!?
各進学塾の合格実績がホームページで発表されています。あいうえお順に合格者数を並べている塾もあれば、御三家や難関校をひと際目立たせて、大きな字や上に出すことで強調しているところもあります。
見せ方はそれぞれでも、受験を終えた6年生の親御さんだけでなく、5年生以下の親御さんも「合格実績」の数字は注目しています。
中学受験の世界では入試機会が1回しかない、男女御三家を代表する「難関校」にどれくらい合格したかが話題になりますが、各塾で御三家に合格するのは、通塾生のうちどれくらいの割合なのでしょうか。入塾したころは、塾の合格者数の多さに「ウチの子もいずれは…」と想像するかもしれませんが、現実は厳しいようです。
早稲アカ史上最高!御三家率は…
「当塾史上最高数更新!御三家中467名合格」。早稲田アカデミーの合格速報をクリックすると新記録を示す棒グラフとともに、力強い太字が目に飛び込んできます。
開成124人、麻布87人、武蔵65人、桜蔭65人、女子学院74人、雙葉52人が早稲田アカデミーの23年度の合格実績は、7年連続「当塾史上最高数更新」という、塾の勢いを感じる凄い数字です。元気のよい早稲アカらしく、合格実積の見せ方も「らしさ」がでています。
早稲アカといえば「NN」(何が何でも)の志望校別特訓が看板です。周知の事実ですが、「本籍」は早稲アカ以外の塾で、「NN」のみのお付き合いという合格者は相当数います。生粋の早稲アカ育ちとの比率は定かでありませんが、いずれにしても「NN」が早稲アカの進学塾としての実績もイメージも良くしていることは間違いありません。
6年生の塾生はサピックスの6730人に対し、それほど変わらない約6600人。「早稲アカなら…」のという親御さんの期待の表れが、この在籍数から読み取れます。
史上最多の御三家合格者数ですが、6年生全体の中での割合は7.1%。成績で上位1割にいても、もしかしたら御三家は難しいかもしれません。早稲アカはNNのインパクトが強いのですが、塾全体としてのボリュームゾーンは実は中堅校。四谷大塚のAゾーン偏差値(合格可能性80%偏差値)でいうと、54~45の層です。
NNは一応入会審査の試験がありますが、クラスを問わなければ、それほど高いハードルではありません。それぞれ志望校別に複数のクラスがありますが、現実的に合格の可能性の夢を語ることができるのは、上位3クラスまで。それ以下からも合格者は出ますが、期待値としてはそう高くありません。
さすがサピ!でも、実績の裏に…
ホームページで淡々と合格実績を掲載しているサピックスですが、今年も「さすが」という合格実績です。
開成の273人を筆頭に、麻布197人、武蔵は61人。女子も桜蔭197人、女子学院148人、雙葉51人で計927人が男女御三家に合格しました。
23年入試に挑んだサピックス34期生は6730人で、御三家合格者の割合は13.8%。だいたい7人に1人の割合です。御三家、難関中学を狙うなら「サピ一択」という声が強い中学受験ですが、それでも上位2割以内にいないと、御三家受験に至らないといえます。
外から見るとサピ生は、ほとんどが御三家や難関校に合格すると思われています。しかし、実際は難関校を含めても2割強といったところ。多くが入塾当初に思い描いた中学ではないところに合格、進学します。
これだけ合格者を出しているとサピから御三家を受験した子は、ほとんど合格、と見られがちですが、実際は合格者と同数、あるいはそれ以上の残念組がいると推測できます。
その部分、つまり「合格率」を公表すると、「ぜひサピックスで中学受験を!」という親御さんは確率がそれほど高くないことに二の足を踏むでしょうし、サピに入塾したからといって…と冷静になるかもしれません。合格実績の数字を見る際に「その後ろ側」を想像することもや親御さんには必要です。
サピよりも「御三家率」が高い塾
サピックスや早稲田アカデミーの規模ではないものの、御三家など難関校合格に実績を挙げている進学塾もあります。
「サピの進化版」「コンパクト版」ともいわれているグノーブル。23年度入試で節目の10期生577人が受験し、御三家は開成13人、麻布24人、武蔵10人、桜蔭9人、女子学院17人、雙葉8人の計81人が合格し、全体の中での御三家の割合は14.0%になります。
割合的にはサピックスと比べて遜色ありませんが、生徒数がサピの8.6%で「比較対象」として単純比較するにはやや無理があります。
サピの中でも実力のある講師が移籍してスタートしたグノーブルは当初、中堅、下位クラスでも「看板講師の授業が受けられる」「質問対応の良さ」などのメリットがあり、合格実績も右肩上がりでした。
しかし、校舎拡大路線を取り始めたころから、合格実績も落ちてはいないものの「足踏み状態」。今一つブレイクしきれていないのが現状です。
ただ、テキストは秀逸で、サピよりは「競争」の雰囲気がないだけに、実力はあるものの「マイペース型」の子には、さらに力を伸ばせる可能性は高いです。
「できる子を育てる」ではなく「できる子が自ら育つ」を標榜する「エルカミノ」は、算数を徹底して鍛える塾。算数で優位に立ち御三家、難関校を突破するという方針がはっきりしています。
今年の6年生は女子が25人しかおらず、桜蔭2人の合格でしたが、男子は94人中開成13人、麻布5人、武蔵6人が合格。男子だけで見ると御三家率は25%を超え、女子を入れても21.8%になります。
人数が少なすぎて…というのはありますが、それを差し引いても素晴らしいです。御三家・難関校狙いならココ!となるかもしれません。
しかし 「できる子が自ら育つ」 を掲げているように、素材として有望な子でないとミスマッチになる可能性が高いかもしれません。まだまだ粗削りで、伸びしろたっぷりの子は入塾の段階では拾われにくいでしょう。
「塾との相性の良さ」は受験の生命線です。合格実績より、個々の見極めが大切。その子自身が「主役」になれる塾が、相性の良さの第一歩です。
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