中学受験 合格可能性「80%」で不合格3つの理由
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・予兆あり…「合格確実圏」の悲劇
・しっくりこない過去問演習
・算数小僧、国語女子こそ理社を
・やはり「壮行試合」は大切
予兆あり…「合格確実圏」の悲劇
模試で受験校の合格可能性が「80%」=Aゾーン、合格確実圏という判定が出れば、親御さんも受験生自身もまずはひと安心。さらに受験勉強を頑張ろうという前向きな気持ちになります。
それくらいこのレベルの判定は「勇気と希望」を与えてくれます。次点の「60~70%」=Bゾーン、合格有望圏も含めて、模試での手応えのある判定は受験勉強の潤滑油になります。
ただ「模試はあくまでも模試」という側面もあります。合格判定が良いから本番も「合格」とは限りません。「順当に行けば」というただし書きがあって、絶対ではありません。
当日の体調不良やアクシデントは不可抗力で不運としか言いようのない面もありますが、入試前に「まさか」のリスクを回避する手段はあります。「合格確実圏」に位置しながらの不合格には、必ずと言っていいほど「予兆」があるからです。
しっくりこない過去問演習
予兆の1つは「過去問演習」に表れます。
模試の合格判定は60%以上なのに、受験校の過去問にトライしてみると、どうも得点が伸びず「合格最低点」に最後の最後まで達しないということがあります。あるいは達したとしても「自己採点」の丸付けは「甘め」でようやく…といったケースもあります。
原因は受験校の出題傾向に子ども自身が「やりにくさ」を感じている可能性が高いです。
学校別ではないいわゆるオープン模試は難易度は別にして、割とオーソドックスな形で出題します。あらゆる学校を対象に合格判定を出さなければならない試験ですので、一定の傾向に「寄せる」という感じにはなりません。
模試の出題形式ではある程度得点を積み重ね、偏差値が高くなり、受験校の80%偏差値を超えたとしても、それとは毛色が違う受験校の実際の問題では「勝手が違う」ことが多々あって、それほど難しいことは問われていないのに「苦戦」します。記述か選択肢問題かの違いだけでも、得点が伸びない子も出てきます。
どうも模試の合格判定と過去問の出来に「乖離(かいり)」があるのなら、模試と過去問の解答用紙の内容を見比べます。「できている問題」の傾向が同じ場合は、おそらく過去問の点数も悪くないでしょう。逆に「違い」がある場合は、そのギャップを埋めることが残された時間での有効な対策です。
偏差値の上では適正校、安全校にもかかわらず「しっくりこない過去問」という感覚のまま入試本番を迎えると、かなりの確率で「まさか」になります。最後まで手応えを感じない場合は、第1志望でない限り敢えて受験する必要はないかもしれません。
直前での「撤退」は受験戦略上、お勧めではありませんが、受験は「流れ」が生命線。もし受験候補校で過去問の出来が悪くなく、受験生が得意とする出題形式、傾向ならば、そこを優先して受験するのが得策です。
算数小僧、国語女子こそ理社を
「まさか」の予兆は、算数または国語ができる子にも表れます。
算数がずば抜けてできて総合偏差値をつり上げている、あるいは国語が大の得意で明らかに総合偏差値をけん引している場合、「それ頼み」で入試に臨むと足をすくわれる可能性があります。
目論見通り算数、国語の出来が完璧なら、他の科目で後れを取っても4科目の合計点勝負なので合格できます。
しかし、年によって算数が「易しすぎる」「難しすぎる」場合は周囲と差がつかず、「算数小僧」にとってはアドバンテージがあまりないという場面に遭遇する可能性が出てきます。
国語が得意な「国語女子」にしても、大人向けに書かれている素材文がいつでも「読解」できるとは限りません。自分の世界にない物語文だったり、理解を超えた説明文だったりで思ったほど得点できず、他の受験生に差がつけられないことも時々起こる現象です。
「主力」となる算数、国語が強いというのは中学受験で「優位」に立てます。しかし、「一強」というのは、それが機能しなくなった場合「バックアップ」するものがないと勝ち目が極端に少なくなります。
算数小僧にしても国語女子にしても、注意しないと「そればっかり」勉強する傾向にあります。「そればっかり」の勉強で合格可能性80%をはじき出してきた「経験」もあるのでなおさらです。
「そればっかり」の勉強を見直し、理科と社会だけでもこの大詰めの時期に「テコ入れ」するだけで「まさか」のリスクはかなり軽減できます。
配点こそ算数と国語の半分、あるいは6割程度であることが多いのですが、合格者平均点は7割くらい。ここを「詰めて」9割ほどに持って行けば、プラス10点、理社2科目で計20点くらい加算できます。
算数と国語で差がつかなかった場合の「保険」ですが、通常の難易度だとしても理社で高得点ができる受験生は「まさか」がありません。4科のバランスが良い受験生が中学受験では「最強」です。
やはり「壮行試合」は大切
3番目に、いくら合格可能性80%をたたき出していたとしても「いきなり本命」の入試は「まさか」の不合格につながる可能性を高くします。
模試での好結果を受けて「前受けなし」プランで受験を進めようとする親御さんも一定数出てきます。わざわざ遠距離の会場へ出向く手間、高額な受験料、貴重な入試までの1日を進学するつもりのない学校の受験に使う意味…そう考えての「前受け不要」という結論です。
しかし、中学入試の「開幕戦」はどんな子でも「いつも通り」に試験を受けることは至難です。試験が進むうちに調子が出てきますが、子どもによって「1科目の途中」だったり「4科目めでようやく」ということもあります。それが「志望校入試」なら後々悔いを残すことにつながるかもしれません。
東京、神奈川が「本番」の場合は、1月の埼玉、千葉を、埼玉と千葉が本命なら1月上旬の首都圏会場入試を行う地方の私立を受験することで、本当の「開幕戦」=志望校入試で「いつも通り」のまま試験を受けられる可能性は格段に高くなります。「1度の経験」はそれほど大きいものです。
サッカーでも野球でも国際試合の大きい大会に出場する際には「壮行試合」をしてから本番に臨みます。大切な試合に向けての「調整」をします。中学受験も壮行試合に匹敵する「前受け」は、志望校合格への大切な「布石」になります。
「前受け」こそ全力でぶつかっていくことで、合格可能性80%は90%にも100%にもなります。
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