中学受験 偏差値60の分岐点は「できた!」の後
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・ 「できた!」で終わりの子
・偏差値の差は「できた!」の後
・応用問題がなぜできないのか
・ 「基本徹底」は波及効果をもたらす
「できた!」で終わりの子
中学でも大学でも受験勉強は「復習が大切」だということは異論がないところです。
しかし、復習の「濃度」という点については、偏差値40台、50台、60台では総じて大きく違います。
算数の場合、偏差値40台前半の子は復習に取り組んでいたとしても「形だけ」というケースが大半です。
復習しようにも「ほとんど分かっていない」ので手が付けられず、復習をやっているポーズをとるしかない、というのが現実です。
早く親御さんが子どもの現状に気づき、早急に手を打たないと事態は好転しません。
40台後半、50台前半の子はできる問題も多く、できなかった問題も復習によって 「できた!」「分かった!」 となりますが、その先がありません。
つまり 1回の「できた!」「分かった!」 で終わってしまい、徹底復習で自力で解答を再現する練習が不十分という傾向があります。
偏差値の差は「できた!」の後
成績が低迷、足踏み状態の子は「できた!」「分かった!」でおしまい。偏差値60以上の子は「できた!」「分かった!」をいつでも、どこでも、確実に「自力再現」できるようになるまで、徹底的に復習を「継続」します。
翌日に、3日続けて、1週間後に、と定期的に「自力再現」に取り組みます。
「解法暗記」ではありません。どうしてこの解答になるのか考えながら復習し、「たまたまできた」場合は、あやふやな箇所を「腑に落ちる」まで分析します。
納得した場合、再度自力でできるかどうかを確認します。
方法としては同じ問題や類題を塾のテキストや市販の問題集から探して(塾の先生に指摘してもらったり、親御さんのアシストによって)「徹底攻略」します。
問題が違う角度から問われても、表現を変えられても、解答への道筋は多少違っても、「最終的な目的地」=「正解」に自力到達できるようにするためです。
これが「成績の差」として偏差値に出ます。
偏差値がコンスタントに60を超える子は難問がバリバリできるわけではなく、全体の正答率50%以上の基本問題を確実に得点します。 40%台の問題も取りこぼしがありません。
それにプラスして、正答率30%以下のような難問に1つ、2つ正解して「おまけ」が付いてきて上位15%以内に入ります。
「頭の良し悪し」なんかではなく、日ごろの「復習の姿勢」が偏差値の差となって表れます。
応用問題がなぜできないのか
親御さんの一部から「応用問題ができない」という嘆きを耳にします。
しかし、よく子どもの答案を分析してみる基本問題の取りこぼし、基本問題ができたり、できなかったりと得点の獲り方が「凸凹」=「雑」なのが特徴です。
これでは「応用問題」に取り組む以前の問題です。
「ケアレスミス」と片づけたり、「人間だからたまには計算を間違える」とあまり気にしていない「基本問題の取り組みの甘さ」があると、成績は上昇しません。
応用問題の心配をする前に、まずは基本問題を「完璧に復習、繰り返す」ことが先決です。
算数なら、模試や校内テストでオーソドックスなパターンとして基本問題が並ぶ大問1~3で毎回満点を獲るのが1つの目標です。
偏差値が30~40台前半の子は極端な話、後は0点でも構いません。
偏差値40台の子が60への足掛かりとしての第一歩は「基本問題を確実に正解する」という体験です。これが確実になることで応用問題攻略への足場ができます。
応用問題は「基本と基本の組み合わせ」で構成されています。どういう組み合わせになっているかを限られた時間の中で見つけ出して、正確に解答すれば正答に至ります。
特別な応用問題対策など必要ではなく、「基本」がマスターできていれば事足りるのです。
そこを理解せず、基本もそこそこに難しい問題を何とかしようとするから成績がいつまでたっても伸びないのです。
「基本徹底」は波及効果をもたらす
不思議なのですが、1科目でも基本を徹底することに全力を注ぐと、それだけでは終わらず、波及効果が表れます。
その科目全体の得点能力だけでなく、他教科の成績もが上がるのです。
「基本徹底」の産物はミスの激減、正答率のアップだけでなく、丁寧に問題に取り組むことによって「集中力」「気づき」が格段に違ってきます。
「基本を疎かにしない」と意識するだけで偏差値なんて10くらい簡単に上がります。
解答の自力再現を意識して「復習」を反復する。これだけで秋以降、成果は必ず数字に表れます。
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