算数8点,国語25点…でも大丈夫!夏の過去問演習
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・点数が足りない、時間が足りない
・受験校以外の過去問で「練習試合」
・受験校以外の問題を解く意味
・過去問で「対応力をつける」
点数が足りない、時間が足りない
夏休みに入り、受験校の過去問に取り組み出す受験生。最初はいったい何点くらいとれるのでしょうか。
合格体験記などを読むとリアルな数字が出てきます。
「第1志望の算数。最初は8点でした。計算問題以外、勝負になりませんでした」
「すべり止め予定の学校で合格最低点に60点近く足りなかった。これで合格するのかと、ぼう然としました」
「理科15点、はて何点満点のテストだろうと思いました」
「時間が全然足りずに国語25点。読解の文章が長すぎて時間内に終わる自信がない」
驚くべき話でも珍しい話でもなく、これは中学受験ではきわめて「よくある話」です。
夏休みのうちは受験校として考えている学校の過去問に「歯が立たない」ものです。
受験校以外の過去問で「練習試合」
志望校の過去問であまりにも点数が悪いとヘコみます。
モチベーションが上がらず、その後の勉強に支障をきたすかもしれません。
しかし、悪い点数を恐れて入試直前まで過去問に「手を付けない」というのも得策ではありません。
志望校、併願校の過去問のレベルと実力にまだ「距離」があるのなら、夏休みの間は無理に解かなくても構いません。
その前に受験しない学校の過去問を丸ごと、あるいは強化を選んで「入門編」として解いてみるのは「あり」です。
男子なら女子校のものを、女子なら男子校のものを、まず受験することはない地域の過去問を用意します。
最新のものを書店で買い求めてもよし、ネットオークションやブックオフなどで2、3校分安く入手して、時間を見つけながら取り組みます。
いわば過去問の「練習試合」です。
点数がとれたり、とれなかったりを繰り返すと思いますが、練習試合のポイントは「入試問題に慣れる」「時間配分を考える場にする」など、入試問題を「知る」ところにあります。
受験校以外の問題を解く意味
親御さんからは「志望校や併願校と傾向が違うところの問題を解いても…」という声も聞こえてきますが、入試問題には変わりありません。
志望校で出題されやすい問題の類題が含まれていることもよくあります。また、基本問題はどこでどういう形で出題されても確実に正解しておく必要があります。
よく「志望校の傾向に沿った問題に取り組み逆転合格を狙う」という方針で過去問に取り組む指導なども耳にします。
偏差値帯で45以下の学校は毎年パターンが似ているのでそれでも構いませんが、中堅校以上になると出題傾向は一緒でも、毎年のように「ひと手間かけた問題」が出ることが珍しくありません。
算数なら違う角度からアプローチしてきたり、表現を変えたりなど問題に「ひと手間」の工夫が見られます。
そういう意味でさまざまな学校の入試問題で「練習試合」を重ねるのは実力アップにはもってこいの教材になります。
サピックスなどが、通称「電話帳」と呼ばれる「有名中学入試問題」の国語や社会の問題を夏休みに家庭で解かせているのも、志望校や偏差値を問わず「入試問題を知る」という意味が込められています。
過去問で「対応力をつける」
自分の持ち偏差値比べて「楽勝」と思っていた学校の過去問に取り組んでみて「合格点に達しなかった」という事例はよくあります。
落ち込む必要はありません。
模試や塾内のテストではよく問われる問題や単元の重要箇所を出題してくる、標準的な設問が並びますが、実際の入試ではその学校の作問者である先生の「クセ」が出たり、満点防止の難問が混じっていたりします。
そういった「凸凹感」を味わうのも入試問題ならではというものです。
見たことがない問題に動じず、それをいつまでも考えずに飛ばして、基本問題を確実に、時間内に、正解を積み重ねていくという感覚を実際の過去問にあたることで研ぎ澄ましていくのです。
平坦な道ばかりを走らず、起伏に富んだ道での「対応力」は、入試突破に必要な力です。
過去問に取り組むというのは、この学校に合格しそうかどうかを判定するというより、どんな問題が出題されても「何とかする」という力を養成するという目的があります。
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