中学受験 勉強が苦手ならまず理科から
◆受験の窓口 今日のメニュー
・理科で中学受験の勉強を軌道に乗せる
・興味が薄い子は親御さんと「これは何?」
・「実験」「動画」でイメージをつける
・理科は「単元」が変われば流れも変わる
・「得意」の引き出しを増やし「苦手」は機会がくれば潰す
★理科で中学受験の勉強を軌道に乗せる
中学受験の勉強を始めたけれど、得意科目もないし一体何から…と迷っている親御さんも多いと思いますが、主要科目の算数と国語からというのがセオリーかもしれませんが、まずは結果に表れやすい科目から手を付けるとして、前回の社会に続き理科で考えてみます。
理科も取り組みの手順を間違わなければ、比較的成績を上げやすい科目です。とりあえず理科だけでも、できれば社会とともに点数を取って中学受験の学習に弾みをつけたいところです。
★興味が薄い子は親御さんと「これは何?」
理科の学習には、まず自然や化学現象、物理現象に興味を持つことが大切です。塾のテキストにはさまざま図や写真が載っています。これを説明している文と照らし合わせながら、頭に入れていきます。
初めから興味を持っている子どもは、スポンジが水を
吸収するがごとく次から次へと覚えていきますが、逆に関心の薄い子は図や写真を見ても心が動かないので、親御さんの登場となります。互いに「これは何?」と問題を出し合い、勝ったら好きなおやつを食べられるとか、少しでも「やる気」が出る方法で理科の「勉強習慣」を付けていきます。
植物の種類や天体などさまざまな「これは何?」でまずは理科の問題で得点に直結する、必要な知識を身に付けます。少しでも関心を示せば、図鑑などで用意して知識を深めます。親御さんが普段からページをめくり、会話を振ると子どもも関心を示すようになります。
★「実験」「動画」でイメージをつける
自宅で簡単な「実験」をするのもありです。実際にお湯を沸かして、最初にどこにどんな「あわ」が現れるか、沸騰するとどんな「あわ」になるのかを観察したり(入試でよく出る、水の状態の変化)、棒を立てて影の動きを1日観察したり、また、ハサミを動かして「てこ」の理解をしたりと、実際の現象と結びつけてイメージをつくることも、理科の成績を上げるには役立ちます。
実験するのは…という場合は、実験の映像を見るのも有効です。お勧めはNHKの「for school」の動画。小学生向きの理科の実験や疑問を約10分で1つ扱う内容で、インターネットで見られます。「10min」は中・高生向きながら、中学受験では出題されるものもあるので、おおいに参考になります。
文字情報より実際にやってみたり、動画で疑似体験するのはより印象に残るものです。イメージが湧けば問題にも答えやすくなり、理科の成績は上がっていきます。
★理科は「単元」が変われば流れも変わる
理科はきちんと原理原則を理解し「どうしてそうなるのか」を徹底的に追求していくことが必要ですが、一方でとやかく言わずに覚えるべきこともたくさんあります。特に生物の分野は知識を多く必要とします。理科が苦手な場合は、まず生物分野の知識を増やすことから始めるのも一つの手段です。
化学分野の水溶液の性質、地学分野の天体なども知識を増やすことで対応できる問題が多く、得点が伸びやすいといえます。理科は大きく生物、化学、物理、地学と4分野に分かれていますが、各分野でもさらに細かく単元が分かれています。苦手な単元があっても、別の単元に移ればまた1からスタートです。つまり、単元同士のつながりがないので、得意とか好きになる可能性が出てきます。新しい単元からしっかり理解、知識を定着させることを始めればすぐに点数につながります。
★「得意」の引き出しを増やし「苦手」は機会がくれば潰す
苦手な単元が気になるかもしれませんが、多くの塾で5年生になってさらに深く学習する機会が訪れるので、その時にもう一度じっくり取り組めば大丈夫です。大切なのは「得意」の引き出しを増やすことです。そして「苦手」を潰す機会が回ってきたら、その時に全力で取り組んでください。社会と同様、理科は努力が結果としてきちんと出る教科です。
4年生のうちから地道に取り組むと、6年生で「助かった」となります。過去問や算数の追い込みで時間がタイトな夏以降、本当に先行してやっていてよかった、となります。(受験デザイナー・池ノ内潤)