中学受験「自走」できる子の落とし穴
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・「自走」できる子は完璧か?
・「手のかからない子」2勝4敗
・ 不合格から学ぶ3つの教訓
・ 効き目あり 第3者を巻き込む
「自走」できる子は完璧か?
中学受験は「精神的に大人の子」が有利といわれます。
正確なデータがあるわけではありませんが、その比率は女子の方が圧倒的に多いです。
男の子は通塾の用意をするのも、教材管理も母親頼み、という子が珍しくありません。
女の子の中には家庭学習も親の手を借りず、教材管理も自分でするという受験生の「模範」のような子がいる、という話はよく聞きます。いわゆる中学受験を「自走」できる子です。
しかし、そこはまだ12歳。完璧ではありません。
「手のかからない子」2勝4敗
6年9月からのサピックスオープン4回の平均偏差値が64だった女子の話です。第1志望は渋谷教育学園幕張でしたが、1月からの受験結果は2勝4敗。熱望していた「シブマク」は2回の試験とも通りませんでした。
合格したのは1月の「前受け」栄東Aと渋幕不合格後、 2月4日以降に急きょ受験した、学校説明会にも足を運んだことのない中学校でした。
自分の勉強部屋に入って熱心に机に向かう娘に、親御さんは口出ししたことはほとんどありませんでした。
テキスト管理も通塾の用意も、すべて一人でできる「手のかからない子」。塾での面談でも弱点は指摘されましたが、日ごろの勉強態度から「うちの子は大丈夫」と確信していました。
「国語の記述、算数の図形、物理系は苦手」。本人に自覚はありました。模試である程度の偏差値を取っていましたが、たまたま得意な分野が出題されたり、正解した問題も「自信をもって」というより、「何となくこういう感じ」で切り抜けてきたのが実態でした。
「いつかは苦手克服」という気持ちはありました。しかし「できないことが怖い」という思いが強く、「見て見ぬふり」になってしまい、気が付けば得意な分野の学習時間が長く、自信を失わないように直前期を過ごしました。
塾の先生に質問しようと何度も思いました。今日こそは、と強い思いで塾へ行きますが、授業が終わるといつも「せんせー、せんせー、しつもーん」と元気のいい男の子を見ると「なんか格好悪い」と逃げる口実をつくっては、仲良しの子と帰宅の途についていました。
不合格から学ぶ3つの教訓
この女子の受験から学べる教訓は3つあります。
➀苦手は逃げずに1つ1つ潰しておく→逃げても問題は解決しない。正面から向き合う勇気を持つ。
②受験プランはあらゆるケースを考え、第1志望試験前に複数の合格を勝ち取り自信をつけておく→実戦経験と合格体験が精神的余裕を導き、第1志望合格につながる。
③親は勉強まで教えなくてもよいが、子どもの学習状況、精神状態がどうなっているかを把握する→子どもの「観察」は日々欠かさないこと。必要に応じて、塾の先生との間に立って、質問などをしやすいように橋渡しをする。
効き目あり 第3者を巻き込む
しっかりしているように見える子でもまだ12歳。自分の苦手に正面から向き合うことは難しいです。
夏休みを含む6年生の中後半、表面的には「あなたにお任せ」としておいても、そこはよく観察して「ここぞ」という時こそ、親御さんの出番です。
子どもは反発するかもしれませんが、そこは塾の先生も巻き込む作戦をとります。第三者の大人から指摘されれば、大抵の子どもにはかなりの「効き目」があります。
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