中学受験 塾の「優良株」と「お客さん」

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経営に必要な優良株とお客さん
担当の先生はこう決まる
質問対応がなぜ違うのか
・差は「親御さんのアプローチ」

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経営に必要な優良株とお客さん

24年春に完結した中学受験コミック「二月の勝者」の中でよく出てくる言葉が「お客さん」でした。

成績を基準に見て進学塾が力を入れる「合格速報広告で大きく赤い太字」になる学校への進学が「見込み薄」ではあるものの、塾の経営を金銭的に支える「太い柱」として存在するため「お客さん」と裏では呼んでいるのです。

ひどい話ですが「現実」です。もちろん講師が「お客さん」と口にすることはありません。しかし、そういう認識であることは否定できません。

「二月の勝者」のカリスマ講師黒木蔵人は「お客さん」が「不良債権」扱いされるのに対し、成績優秀者は「経営資源(優秀な講師など)を集中して投資し手厚く指導、合格実績というリターンを確実につかみ取る」ための「優良株」と位置付けています。

この「優良株」こそ「新年度の入塾生」を引き寄せ、「通塾生の継続」につながります

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本当は「優良株」だけで経営できれば、塾としては理想的なのですが、「優良株」の数は「そう多くはない」ので、経営という観点から「お客さん」も必要、というのが受験を「商売」としている塾の「収益モデル」です。

担当の先生はこう決まる

成績による特待制度がなく、同額の受講料を支払って、「優良株」と「お客さん」が同じカリキュラムで学ぶ塾は一見平等に見えますが、実は水面下で「差」のあることが珍しくありません

分かりやすいところでは「担当講師」です。

中学受験では大学受験のように名前の挙がる有名講師はほとんどいませんが、塾内にはそれなりに序列があります。

教科責任者クラスの先生、若いながらも子どもたちを乗せるのがうまい、教える力がある先生らが「優良株」=塾の「強化指定選手」の担当になります

教室長が「お客さん」クラスの面倒を見ることも多いのですが、それは保護者の目があるため「放置」するわけにはいかないからです。

他の講師は経験はあっても教える力が微妙だったり、アルバイトの大学生、院生(これが「あたり」の先生の場合があるので侮れない)のことが一般的です。

上位クラスの先生は1年間ほとんど動かないのに対し、講師の入れ替わりが激しいのも下位クラスの特徴です。

質問対応がなぜ違うのか

先生への質問対応も違います。

「1人1問ずつ、複数の質問がある時は列に並び直す」というルールが多くの塾にありますが、「優良株」の子は「無制限、いつでも」質問ができる傾向が強いです。

他の生徒がいる前ではさすがに差別になり、差は付けられませんが、親御さんが塾側にアプローチをすることで、先生が別に機会を設けて質問対応や補習をしてくれる場合があります

逆に「ちょっと成績が下降線」という場合も、親御さんを通して先生が「声掛け」してくれることもあります。

個別指導などに通わなくても「優良株」の子は塾にとって「強化指定選手」なので目をかけてくれる機会が多いのです

できる子を贔屓しているわけではありません。

塾の先生は質問に来る子を拒みません。しかし、「お客さん」の生徒はそもそも積極的に質問してくる子が少ないです。踏み込めば得られる「権利」を自分から放棄して「お客さん」となっているのが現状なのです。

差は「親御さんのアプローチ」

「お客さん」であるメリットは何もありません

遊びたい盛りの子どもたちが連日のように通塾しているだけでも「えらい」いし、個人的には褒め称えたいのですが、それだけに「お客さん」の末路は「納得のいく結果になりにくい」ので残念でなりません。

進学塾は学習空間と教材を提供するとともに受験情報の提供や保護者会、個人面談なども用意しています。

これは受講料を支払うともれなくついてくる「セットメニュー」のようなものです。

そこから先の「お値段以上」のことは塾側から積極的にアプローチしてくることはありません。

親御さんが塾に対して「丸投げ」で何もアクションを起こさないのなら「いいお客さん」になってしまいます。

逆にこちらから積極的にアプローチしていくと、「お値段以上」の道が開けます。先に書いた質問の話が好例です。

「優良株」の子が放っておいても成績が良い「頭のいい子」であることは少なく、多くは親御さんが必要に応じて塾の先生とコンタクトを取り、その力を借りながら伴走しています。

子どもの能力以上に、親御さんが「いいお客さん」になってしまうと、中学受験は苦しい展開になります

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