中学受験 偏差値より「特待生」の選択もあり!?
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・何かと目をかけられる特待生
・「陥落」すると復活は…
・心は揺れる「繰り上げ合格」
・「主役は子ども」という大前提
何かと目をかけられる特待生
中学受験は「第1志望合格は受験生の3割」といわれます。
実際は3割弱、27、28%といったところが正確です。
志望順位の高い学校と縁がなく、いわゆる「すべり止め」として受験した学校に進学するかどうか検討する際、「特待生」という好条件で入学できる場合もよくあります。
偏差値などにこだわらず、学校の理念や教育方針との考えが合致すれば、金銭的に負担が軽い特待生で入学という選択も「あり」です。
お金の面だけでなく、特待生の子はそれをキープしている限り、何かと学校から目をかけられます。
その端的な例が学校にとって「生命線」となる大学受験で難関大学の合格実績が期待できるからです。
特に難関大への合格実績がまだまだ…という学校の場合、その子に「狙える」学力にあると、一般受験にせよ推薦にせよ個別指導はもちろん、学校によっては「合格プロジェクトチーム」までできて学校あげて進学をサポートしてくれることもあります。
まさに「塾いらず」状態です。親御さんはここでも金銭的負担が軽くて済みます。
「陥落」すると復活は…
金銭的なことだけでなく、割と優遇される特待生ですが、それが重圧になる子もいます。
特待生は成績が伴っている場合は、問題なしですが、それをキープするのは考えている以上に大変です。
入試での成績と入学後の成績は、入学当初は多少相関関係がある傾向ですが、1学期の期末テストくらいから全くと言っていいほど関係ありません。
そうなると進級時に特待生でなくなることもしばしば起こります。
入学後「3年特待」など保証してくれる学校もありますが、多くは1年ごとの見直しです。
特待から「陥落」すると奮起して「復活」というのは、どちらかという少ない傾向にあります。それどころかずるずると「落ちていく」子は少なくないです。
周囲から特待生と知られている場合は「タダの人」とか嫌味に近いことを言われたり、「デキて当たり前」と周囲から見られ常に「追われている感じで気が休まらない」「学校からの圧を感じる」など、本人にとって「負担」になることも少なくありません。
特待入学は中学受験以上に勉強を頑張らないと…という立場になる「覚悟」が必要かもしれません。
心は揺れる「繰り上げ合格」
一方で一度は入学すると決めても、後日第1志望校や志望順位の高い学校から「追加合格(繰り上げ合格)」の電話連絡がきて…ということが中学受験ではよくあります。
合格発表後2,3日程度なら「喜んで!」と“逆転合格”に小躍りして、進学先急きょ変更となる可能性は高いのですが、それが1週間後となると話が全く違ってきます。
2月半ば、各校の入学オリエンテーションも終わって、制服の採寸も済ませ、第1志望不合格のショックも忘れかけて気持ちが進学する中学へ前向きになっている時に、「繰り上げ合格」の連絡が来ても「何を今さら…」と心中穏やかではありません。
一度フラれた相手から「やっぱりあなたでないと」と言われても…です。
しかし、心は揺れます。
一度は恋焦がれた中学です。子どもは熱望校に向かって日々努力しました。その歳月の「重さ」を考えると、簡単に割り切れません。
「主役は子ども」という大前提
追加合格になった学校へ方向転換する場合、入学するつもりだった学校からの返金は学校によって「対象」が違ってきます。
一度入金したらいかなる理由でも返金しないという学校もあれば、施設費のみ、授業料と施設費を返すなど返金の対象はさまざまです。
返金は「入学金以外」という中学が多く、次いで「施設拡充費のみ」という順がスタンダード。金額にして10万円台から40万円前後ですが、慶應義塾3校のように100万円を超える場合もあります。
「追加合格」は涙が出るほど嬉しいのですが、すでに制服も採寸し、必要な学用品まで購入した後の連絡は痛しかゆしです。
この場合、親御さんの考えもあると思いますが、一番尊重すべきは子どもの選択、決断です。
もちろん助言はすべきですが、「誘導」にならないことが肝要です。
決定にはどうしても「親の考え、気持ち」というバイアスがかかりますが、「主役は子ども」という大前提を大切にします。
子どもは先行きのことを計算せず「感覚」で選ぶと思います。それが意外と「あたり」であることが多いです。
確証するものは何もないのですが、子どもの直感は侮れません。
子どもが「自分で選んだ」という自覚を持って入学するのと、「親に行かされた」という感覚とでは、中高時代の過ごし方に大きな影響を与えることは間違いありません。
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