中学受験 国語物語文攻略へ「引き出し」をつくる
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・求む「理解、共感できる子」
・入試平均点が低くなる4ジャンル
・ 「読解の引き出し」づくりは有効
・解法やテクニック以前の問題
求む「理解、共感できる子」
中学受験の国語読解で素材文(問題文)に採用される物語文(小説)は、身近な子ども同士の友情や少し年上の中学生の話が入試全体の約半数を占めます。
一方で令和の時代に生きる子どもには想像がつきにくい世界を題材にしたものも目立ちます。
自分とは住む世界が違っても「理解できるか」「共感できるか」を中学校側は受験生の答案を通してみています。
12歳の子どもではあるものの、さまざまな価値観を受け入れられる、「他者理解」のできる子を求めている学校側の姿勢がうかがえます。
入試平均点が低くなる4ジャンル
子ども達が理解しにくい物語のジャンルは代表的な4パターンがあります。
「昭和の戦前、戦中、戦後」「幻想の世界(ファンタジー)」「芥川龍之介、夏目漱石らの文豪の作品」「女の子の複雑な心模様(男子の場合、女子の場合は逆に男の子の妙な友情話)」の4つです。
いずれもキーワードは「未知の世界」です。
戦争中の話は親御さんでも「聞いた話」では知っていても、実体験では子どもに伝えられません。
幻想の世界は想像力を働かせつつも、あまりも飛躍してしまうと「読解」にならず、独自の世界の独りよがりの解答になってしまいます。
文豪作品は表現が硬く、今はあまり使わない語句、近代日本の話といっても現在では少し違う日常が描かれており、これも理解は難しい部分があります。
異性の気持ち、親御さんは「経験」上分かることも多いのですが、子どもにはまだまだ意味不明な世界です。
この4ジャンルの素材文が出題されると、その年の国語の受験者、合格者平均とも例年より低くなるといいます。
「読解の引き出し」づくりは有効
異性の気持ちはいずれ分かるにしても、他の世界は実体験をする機会がありません。
なので、塾テキストの素材文を通して「学ぶ」という方法もありです。
時代背景、ファンタジーの世界、日常ではあまり使わない言葉遣い、自分とは違う他者の心情…未知の世界を素材文を通して知り「読解の引き出し」づくりをやっていきます。
親御さんが引き出しづくりのアシストは親御さんの役目です。
親子で音読しながら、解説を読みながら素材文の理解を深めていきます。
さらに親御さんは「人生の先輩」としての人間の心の揺れ動きや子どもたちが想像もできない「あの頃」の世界を思い浮かべられるための助言をします。
読解問題で問われる思考や背景の「引き出し」を数多く持っているというのは、国語の成績アップに意外と効果があります。
「引き出し」の数が増えると、テーマが折り重なったもの(「戦時中の恋心」「文豪が描く幻想の世界」など)も素早く消化でき、読解のスピードは格段にアップします。
解法やテクニック以前の問題
国語の読解攻略に親御さんは塾に対し「解法」や「テクニック」を教えてほしいとの要望が多く寄せられます。
大学受験などで裏技的なことを売りにして人気講師になった先生も多く、親御さん自身もそういう勉強をしてきたからかもしれません。
しかし、国語の読解はそもそも「素材文が何を言っているのか分からない」と勝負になりません。
塾で読解のテクニックをいくら学んでも素材文そのものの理解ができていないと、その手の技は十分に生かせません。
理解しにくい話を少しでも分かるようにするために語彙や「時代背景」、「こういう時の気持ち」という「引き出し」が読解の助けになります。
素材文に数多く触れることで「疑似体験」をし、少しでも「未知の世界」に触れておく経験値の差は国語の成績に後々表れてきます。
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