中学受験 結果は聞かないがルール?
◆中学受験の窓口 今日のメニュー
・堂々と新ステージの第一歩を
・終了後も受験話が御法度の地域も
・禁止にしても「うわさ」は広まる
・進学塾の合格者情報の扱いは…
・中学受験成功は人生の予選1回戦突破程度
★堂々と新ステージの第一歩を
小学校の卒業式もほぼ終了し、6年生から中学1年生へとステップアップします。中学受験をした子どもは、めでたく合格し、胸を膨らませて入学式を待っていることでしょう。思い描いていたのとは違う学校になったとしても、気持ちを切り替えて新生活をスタートさせる子もいるでしょう。
どこの中学へ進んでも堂々と正門を通ってください。自分なりに全力を尽くして勝ち取った学校です。新しいステージの第一歩の姿勢は、これからの6年間をどう過ごすかの姿勢を自分と周りに示す日です。
★終了後も受験話が御法度の地域も
受験が終わって約2カ月。それぞれ新しい門出を控えていながら、実は小学校の友達が「どこの中学校へ進むかよくわからない」という話をよく聞きます。どうも「受験結果や進学先を教えることはしない」という“ルール”が存在する地域があるようです。
中学受験をする家庭が多い地域で比較的多くみられるようで、受験シーズンが始まる前に小学校側から「受験結果や進学先を相手に尋ねることはご遠慮ください」という内容の通達が出る場合も珍しくないようです。小学校の先生も子どもたちにあらかじめ“釘を刺す”ことが当然のようで、子どもたちは先生の言うことを聞き、仲の良い友達でさえ、受験終了後の「中学受験話」は“御法度”の小学校も多々あります。
★禁止にしても「うわさ」は広まる
小学校側が先手を打って「受験結果公開」を禁止する背景には、保護者、生徒の間で過去にトラブルがあったと容易に推測できます。「受験校をしつこく聞かれた」「不合格だったのに結果を詮索されてとても不愉快だった」などと、中学受験がさかんな地域では、小学校に訴え出る保護者が毎年後を絶たないのです。中学受験は小学校と直接関係はないのに、小学校側はそんなことまで気を回さなければならないとは、とばっちりもいいところです。
そうは言っても親御さんの間では、誰が言ったか知りませんが「うわさ」は広がるものだし、ママ友の間ではなんとなく「その話題」になって、だいたい進む先は知っているものです。中にはだれがどこに合格し、どこへ進学するのかを興味本位なのか、話のネタにしたいのか、嗅ぎまわっている人もいます。
一方で、何があっても進学先を秘密にしている人もいますし、進学先は違えどママ友同士で「受験お疲れ食事会」(昨年までの話)を催して、大いに盛り上がるなんてこともあります。人によって、地域によって、受験のその後の風景はそれぞれのようです。
★進学塾の合格者情報の扱いは…
進学塾でも個人の進学先を大々的に表に出すことは最近控えつつあります。合格体験記に名前と進学先以外の合格校まで出して冊子だけでなく、塾のホームページにまで掲載しているところも多い反面、「A君、Bさん」としているケースもみられます。また、校舎実績(その校舎単体の各中学校の合格者数)を以前はプリントして在校生にも配布していましたが、保護者会で校舎長から口頭で知らされるだけ、という塾もあります。
確かに「個人情報」ですから許可なく表に出すことは、はばかれる時代です。一方で中学合格という、当事者たちにとっての誇らしい「勲章」を何か形として残しておきたいという気持ちも分かるので、当事者が許諾したのなら印刷物にするもよし、ネットに掲載するもよしとなります。
★中学受験成功は人生の予選1回戦突破程度
正直、誰がどこの中学に合格しようと、滑ろうと、興味がないという人もいますが、そういう下世話なことが本心では好きなのが人間です。それでも「人の噂も七十五日」とはよく言ったもので、他人様はあなたの子どもの進学先など、大抵は何とも思わないものです。
相手のことをいちいち詮索するのは品がありませんが、聞かれれば我が子のことは、誇張もせず淡々と話せばよいのです。中学受験で成功しても人生という予選の1回戦に勝った程度。負けても敗者復活戦でチャンスはいくらでもあります。中学受験の合否話に神経質になって、貴重な時間を無駄にしてほしくないものです。(受験デザイナー・池ノ内潤)