中学受験 入試前日「勉強体力」キープで本番へ
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・入試前夜「感情に任せてものを言わないこと」
・タイミングを見て言う「前の日に見たものが出るって…」
・ホラ吹きの目的は「勉強体力」のキープ
・親御さんの寝不足は仕方がない
・ラストチェックは前夜のうちに
★入試前夜「感情に任せてものを言わないこと」
中学受験は親御さんにも緊張感が求められます。サポート役として「やるべきことをぬかりなくやる」「不測の事態への対応」が2大テーマになりますが、まずは入試前日をどう過ごすかは大きなポイントの1つです。
特にメンタル面では子どもの性格によって接し方が違ってきます。親御さんは我が子の特徴を一番知っているはずです。共通して言えるのは「感情に任せてものを言わないこと」。これだけは肝に銘じてほしいと思います。
★タイミングを見て言う「前の日に見たものが出るって…」
準備にしても、最後の勉強の出来にしても、もしかしたらイライラするかもしれません。それでもグッと堪えてください。まずは気持ち良く、とは言わないまでもフラットな気持ち(感情の起伏がない)で試験に臨めるようにしてあげましょう。
特に勉強の出来、あるいはやり方に関しては注意。子どもによっては「今更やっても…」という感じの子もいます。確かにその通りです。そこで声を荒げてもいいことは何もないので、子どもの言い分に「そうかもね。ジタバタしても仕方ないよね」と一度は同意します。そしてタイミングを見計らって、子どもの一番得意な科目、一番得意な分野だけでも“エサ”にしてこう言ってみてください。
「●●だけでも見ておいたら。よく前の日に見たものが出るって言うでしょ」。
★ホラ吹きの目的は「勉強体力」のキープ
笑われるかもしれません、「ウソだぁ」とけげんそうな顔をされるかもしれません。でも真顔で言ってみてください。「知らないの?有名な話だよ」「●●先生が保護者会で言っていたよ」など、少々ホラを吹くのもこの際OKです。
目的は1点でも多くとか、最後の詰めではありません。「勉強体力」の状態をキープするためです。スポーツと同じで、休むと調子を取り戻すのに少し時間がかかります。今まで頑張ってきた時間と努力を保持したまま、入試本番に臨むためです。好きな科目や単元ならそれほど気持ちの負担にはなりません。
12歳、反抗期かもしれません、口をきけば言い争いかもしれません。でもまだ子どもです。よほど自信があるか、鈍感か、本当に気が付いていないか以外、内心は不安です。どういう言葉が返ってくるか分かりませんが、笑いながらでも、寝転がりながらでも、なんとなく勉強を始めます。そうすれば「あれもやっておこうかな」となってくることもあります。
ただ、入試前日です。のめり込んでしまっても、早く床に就かせることを親御さんは考えてください。受験勉強、ここまできたらジタバタしても仕方ありません。
★親御さんの寝不足は仕方がない
気持ちが昂ったり、不安に襲われたりしてなかなか寝付けない場合もあります。「早く寝なさい!」と大声を出すのは最悪。大きな気持ちで付かず離れず見守り、寝付くまで待ってあげましょう。この時期、親御さんの寝不足は仕方がありません。
「声掛け」がいいとは一概には言えません。不安になって親御さんと話したい子もいれば、「ほっといて!」という子もいます。なので付かず離れずなのです。話をした方がいい子なら付き合ってあげれば良いですし、そうでなければ少し遠目で見ていることです。強がっているのは、実は親御さんの期待に応えたいという思いの裏返しでもあります。
★ラストチェックは前夜のうちに
子どもが寝静まったら、親御さんは最終チェック。あらかじめチェック表を作成しておくと良いでしょう。
子どものかばんに筆記用具がきちんと入っているか(中身もチェック)、必要ならば定規やコンパスなども確認です。腕時計、受験票など、万が一に備えて親御さんも受験票の予備と時計を用意しておきましょう。翌朝はそれを手に取れば行けるようにして、あとは何も考えず眠るだけ。親御さんが落ち着いていれば、子どもは安心します。(受験デザイナー・池ノ内潤)