打倒・開成?西大和学園 東大合格者23人増
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・東大合格者23人増 11位から6位に
・4人に1人が東大・京大 東京入試も
・関西屈指の進学校へ駆け上がるまで
・朝から晩まで“昭和スポ魂”受験物語
・受験で「あの時」を思い出す瞬間
★東大合格者23人増 11位から6位に
21年度の東大合格者数で開成が1982年(昭和57年)から40年連続トップという“節目”の年となりました。しかし、人数という観点で見ると20年度の185人(現役119人)から144人(同106人)と41人(同13人)減と、大幅ダウンとなりました。
一方で公立高校の躍進とともに、合格者数が76人(現役51人)と前年の53人(同38人)から23人(同13人)と大幅に増やしたのが、奈良県の西大和学園です。ランキングも前年11位から6位に浮上。5位の聖光学院(神奈川)と3人しか違わず、関西地区では灘(兵庫)の97人(85人)に次いで2位でした。共学校の中での私立中高一貫校の進学実績としては、東の渋谷教育学園幕張(千葉)、西の西大和学園といえるでしょう。
★4人に1人が東大・京大 東京入試も
西大和学園は京大にも多数の合格者を輩出しており、こちらは63人(現役42人)で2位。東大と合計すると139人に上ります。同校の3年生の数は356人ですから、東大・京大の現役合格者の割合は26%。4人に1人強が東西の国公立最難関校に現役合格したことになります。
1986年(昭和61年)開校の元男子校は、昨年初めて中高一貫の女子生徒が卒業。中学校は1月に同校以外の全国6カ所で入試を行い、東京会場でも約250人の志願者を集めます。多くは開成や桜蔭を狙う層の“試し受験”ですが、寮に入って中高6年間を過ごす覚悟の生徒もいます。開成に合格しても、西大和は落ちたという受験生もおり、“試し受験”などと高を括っているとやられます。難関校に挑戦するなら中学受験本番の「初戦」として受けるに値する学校です。
★関西屈指の進学校へ駆け上がるまで
開校当初、西大和学園は「中下位公立高校の滑り止め」という位置づけでした。いわゆる「ヤンキー」が通うというイメージでした。そこから「関関同立」(関西大・関西学院大・同志社大・立命館大)の合格者を出すことを目標として走り出し、90年に初めて東大、京大に合格。ここから一気に評価が変わりました。
同じ奈良にある私学の進学校、東大寺学園に追いつけ追い越せとばかり進学に力を入れ、もともとポテンシャルのある生徒をさらに鍛え、難関大学へ次々と合格させてきました。英語も英会話教室で知られる「ベルリッツ」と提携し、実際に役に立つ英語の習得に乗り出し、理系教育でも「スーパーサイエンスハイスクール」の指定を受けるなど、次の一手を打ち続けて、近畿を代表する進学校への階段を駆け上がりました。
★朝から晩まで“昭和スポ魂”受験物語
西大和学園の勉強の凄まじさは、学園生活の1日の流れからも読み取れます。朝は0時限目として7時くらいから自習室の席が埋まり、授業は7時限目まであります。連日小テストが繰り返され、さらに保放課後は補習などで最終下校時間の午後6時半ギリギリまで勉強している生徒が多いです。
「昭和スポ根物語の大学受験編」といったところです。「東大しか眼中にない。京大でさえ肩身が狭い」「受験勉強だけしたいのなら」「学校で見放した生徒は塾を紹介される」など、インターネット上の口コミサイトには在校生、卒業生から厳しい評価もちらほら見えます。全く根も葉もないことではなく、そういうように感じた生徒もいることは確かなのでしょう。「打倒・開成」という雰囲気が学校にみなぎっている、勢いのある中高一貫校であることも確かです。
一方で目標を持っている子どもたちが中学校から、高校から集まってくることも確かです。学校が目指しているところがどこであっても、多くの生徒は自分のために勉強しているのですから、志を立てて入学した以上頑張るしか道はないでしょう。
★受験で「あの時」を思い出す瞬間
西大和学園は中学2年の時に富士登山をします。日本一高い山を制覇することで自身も学校も日本一を目指すという、今後の“決意表明”をするイベントという位置づけです。富士登山に成功したからといって受験に勝てるわけではありませんが、楽ではない受験勉強の中で「あの時」を思い出す瞬間が必ずあります。
同級生と励まし合いながら、自らを鼓舞して登り切った記憶は、受験勉強だけでなく、人生のさまざまな場面で「力」になります。受験は学力だけで勝負するのではありません。さまざまな「あの時」が多いほど、受験の時に味方になってくれます。(受験デザイナー・池ノ内潤)
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