中学受験 勝負はまず3日までに決める

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受験の窓口 今日のメニュー
・子どもは第1志望へ突撃、親御さんはしっかり善後策を
・定員に満たなくても不合格 4日以降の合格は至難
・早めに入学手続き これが門を狭くしている
・3日までに進学先候補を確保 4日以降再トライを
・受験校選択で威力を発揮する持ち偏差値の高さ

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芝浦工大柏第1回(1月23日)入試 合格可能性偏差値

1月首都圏会場入試・共学校

学校名所在入試首都模
偏差値
福島成蹊福島8日P
9日
49
48
日大三島静岡8日特
13日
60
46
佐久長聖長野13日
14日
61
59
松本秀峰長野8日P55
麗澤瑞浪岐阜42
片山学園富山8日
金沢学院
大学附属

石川7日
21日
39
西大和
学 園
奈良6日72
愛  光愛媛
9日69
早稲田
佐 賀
佐賀13日68
長崎日大長崎6日46
宮崎日大宮崎12日40
沖縄尚学沖縄12日

合格可能性50%でも約7割が合格している。選抜クラス扱いのGSクラスは80%偏差値が2~4高い。

早稲田第1回(1月23日) 過去3年の結果

年度募集出願/受験合格倍率
24年➀200830/7232532.9
24年②1001460/10152144.7
23年➀200855/7402572.8

ここ3年、男子中心に志願者は微増傾向。

実質倍率は毎年2倍強で安定しており、6割の200点が合格のボーダーライン

確実に合格をというなら230点はほしい。

④繰り上げ合格等は毎年見られない。

◆主な指定校推薦

早稲田1(文化構想)
・上智2(文、理工)
・東京理科4(理、理工など)
・明治1(政経)
・青山学院4(文、経営、地球など)
・立教3(文、法、理)
・中央4(法、文、商、理
など)

科目別の傾向と対策

算数 勝負は「考え方」問う3問

渋谷教育学園渋谷 過去3年の算数

22➀
(100)
21➀
(100)
21②
(100)
20➀
(100)
20②
(100)
合62.1
受49.9
(12.2)
合62.5
受48.3
(14.2)
合66.5
受52.1
(13.4)
合60.3
受49.8
(10.5)
合77.4
受59.1
(18.3)
※22➀=22年度第1回入試、(  )内は満点 合=合格者平均点、受=受験者平均点、点数の(  )内は合格者平均と受験者平均の差

試験時間50分で大問4問、小問16問の構成。毎年合格者平均と受験者平均で10点以上の差がつく

②答えだけでなく「考え方」を問う問題が3問出題され、ここで食い下がって点数を積み重ねるのが合格へのポイント

大問は思考力が必要で、複雑な問題が出題される。時間配分に注意し、問題の選定をしっかりと行って、解ける問題で確実に得点しておく必要がある。

④前半の計算、一行問題を確実に正解しないと、かなり厳しくなる

国語 


2月の最終決戦に向け、受験校への出願は終わりましたでしょうか。どんな結果になっても夢に描き続けてきた第1志望だけは受験してください。「中学受験は挑戦したことに意味がある」とかいうセリフを私は好きではありませんが、消極的に行って合格の数だけを重ねても仕方がありません。「この日のためにやってきた」というシーンを経験することは、人生でとても大切な財産になります。結果は別として「入りたい学校」に挑んでこその中学受験です。やる前から「入れる学校」狙いでは、腰が引けていて、その学校にも入れないでしょう。

 一方で親御さんはきちんと善後策を用意しておく必要があります。子どもが第1志望へ果敢に挑戦しつつ、「勝てる学校」の受験を組み込んでください。このことはすでに大半の親御さんが「分かっている」ことで、言わずもがななのですが、まだ奇跡の逆転や強気すぎる姿勢を崩していない親御さんがいたら、老婆心ながら書いておきたいと思います。

渋谷教育学園渋谷 過去3年の第1回(2月1日)入試結果

年度満点合低合平受平
22年300男175
(58.3)
女192
(64)
192.1
(64.0)
163.8
(54.6)
21年300男179
(59.7)
女189
(63)
195.5
(65.1)
164.0
(54.7)
20年300男177
(59)
女188
(62.7)
194.5
(64.8)
167.2
(55.7)
※(  )内は得点率(%) 合低=合格者最低点、合平=合格者平均点、受平=受験者平均点、合高=合格者最高点

渋谷教育学園渋谷 過去3年の第1回(2月1日)科目別結果

年度算数
(100)
国語
(100)
理科
(50)
社会
(50)
22年合62.1
受49.9
(12.2)
合58.7
受49.8
(8.9)
合40.5
受37.6
(2.9)
合30.8
受26.5
(4.3)
21年合62.5
受48.3
(14.2)
合63.8
受54.4
(9.4)
合38.8
受34.8
(4.0)
合30.3
受26.5
(3.8)
20年合60.3
受49.8
(10.5)
合66.7
受57.1
(9.6)
合27.2
受22.9
(4.3)
合32.9
受28.3
(4.6)
※科目の(  )内は満点 合=合格者平均点、受=受験者平均点、点数の(  )内は合格者平均と受験者平均の差

算数=試験時間50分で大問4問、小問16問の構成。毎年合格者平均と受験者平均で10点以上の差がつく。答えだけでなく「考え方」を問う問題が3問出題され、ここで食い下がって点数を積み重ねるのが合格へのポイント
大問は思考力が必要で、複雑な問題が出題される。時間配分に注意し、問題の選定をしっかりと行って、解ける問題で確実に得点しておく必要がある。前半の計算、一行問題を確実に正解しないと、かなり厳しくなる。

 国語=物語文と説明文の2題構成。小問数は22問程度。22年度の素材文は物語文が、いとうせいこう「犬小屋」、説明文が斎藤幸平『人新世の「資本論」』。21年度より計約1000字以上減ったが、試験時間50分の中で、計1万2000字程度の文章を読み解答するのはきつい。
 記述は3題出題。70~80字指定の2題は配点が10点以上と推測され、ここの出来が合否の分かれ目。選択肢問題も5択で一筋縄ではいかない。素材文の中から出題される漢字は配点2点以上とみられ、複数落とすと合否に影響する。

 理科=大問2題で22年度第1回は生物(食物)とインクを題材にした化学系の問題が出題された。小問は11問と少ないが、会話文などを丁寧に読んだかどうかで得点に差が出る。誘導に沿って解答していけば、それほど難しくなく高得点勝負に。逆に雑にやると致命的な失点をする。
 大問2題構成は変わらないが、分野は何が出題されるか分からない。21年度は台風や地震などの自然災害問題が出題され、今後も要注意分野。

 社会=22年度第1回は地理、歴史、公民(時事問題)の大問3題構成で小問33問。どの小問にもグラフや地図、年表、写真などを使って解答するものばかりで、試験時間30分はかなりタイト。
 地理の記述は鉄道を題材にしており、記述が2問出題された。歴史は鉄や金銀銅などをテーマに、江戸時代の産業や貿易史を出題。公民は感染症についてで、歴史的なものや「ワクチン接種」と答えさせる問題もあり、他校よりやや時事問題を意識した対策が必要。

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過去5年の開成中学入試結果

年度2423222120
満点310310310310310
合格
平均
231.1
(76%)
251.5
(81%)
214.9
(70%)
217.9
(71%)
211.3
(69%)
全体
平均
203.8
(66%)
221.5
(72%)
189.1
(61%)
190.5
(62%)
179.0
(58%)
点差27.33025.827.432.3
※合格平均、全体平均のカッコ内は得点率。小数点以下は切り上げ

吉祥女子 私大合格・進学実績

大学名 22年21年20年19年18年
早稲田182
(29)
180
(27)
188
(27)
171
(23)
160
(28)
慶應義塾62
(32)
44
(24)
58
(28)
42
(24)
36
(21)
上 智46
(2)
45
(5)
42
(4)
36
(10)
41
(7)
東京理科
国際基督教
明 治
青山学院
立 教
中 央
法 政
芝浦工業
学習院
成 城
成 蹊
明治学院
津田塾
日本女子
東京女子
日 本
東 洋
駒 沢
専 修
※数字は合格者延べ人数で、1人で複数学部合格している場合がある。( )内の数字は実際の進学者数

広尾学園(2月1日午前第1回)合格可能性偏差値

 80%50%
サピックス6158
四谷大塚6357
日能研6562
首都模試7268
上の二段での判定が受験生の実態に近いもの。下二段は参考程度。

トキワ松学園 国公立合格実績

大学名22年21年20年19年18年
東京藝術
東京学芸
東京医科歯科
琉 球
横浜国立
横浜市立
神奈川県立保健福祉

慶應附属高 学部別の進学人数(22年3月卒業生)

学 部塾高女子志木藤沢
経 済211557956
224547464
121512
理 工1023942
 商 93252117
医 学22
総合政策1115
環境情報211119
看護医療
薬 学
他大学など

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受験生は最後まで第1志望を目指せ

★定員に満たなくても不合格 4日以降の合格は至難
2月入試は1日からほぼ1週間、入試が行われます。ピークは1日から3日までで、4日以降は募集定員も合格者数もギュッと絞られる傾向にあり、本来なら合格できる持ち偏差値がありながら、不合格、ということも全く珍しくありません。

 例えば昨年の入試で見てみると、2月4日に第3回の入試を行った巣鴨は、定員40人に対し、399人が受験して合格者は41人と、ほぼ定員ピッタリの合格者しか出しませんでした。倍率にして9.7倍の大激戦です。前年は同じ定員の募集で209人受験し、69人の合格で倍率は3.0倍ということを考えると、その厳しさがよくわかります。

募集志願受験合格
2022300874858384
2021300875859396
2020300916895387
2019300908894390
麻布 最近5年の入試状況

 中には募集人員以上の志願者を集めながら、その通り合格者を出さなかった中学もありました。2月4日、東洋大京北は4回目の入試を行い、募集20人のところへ252人が受験し、合格は15人。倍率にして16.8倍という数字も驚きですが、合格者数が募集以下というのも仰天で

4日以降の合格は年々至難となっている

早めに入学手続き これが門を狭くしている
 東洋大京北のように、募集より少ない合格者数の裏には、早めに合格を勝ち取って入学手続きをしてしまう家庭が年々増えているからといえます。おそらく本音は「もう定員一杯なので、これ以上は入らない」という状況なのですが、試験日程を公表して、募集をかけてしまったため、中止にするわけにはいかない、といったところでの入試だったのではないでしょうか。

 他にも4日以降の入試は軒並み倍率が10倍前後になる学校が多い傾向です。そうなると、普通にやれば合格する子が、ミス1つ2つで涙、ということになります。最初から4日以降も受験スケジュールに入っていたのなら、気持ちの張りもあると思いますが、仮に1日から3日にかけ、連敗続きでの入試となった場合、“追試”となると精神的にかなりつらくなります。親御さんも悲壮感が漂い、いたたまれない気持ちになるはずです。

合格者の早めの入学手続きが最近は多い

★3日までに進学先候補を確保 4日以降再トライを
 となると、3日までに確実に合格でき、かつ万が一の場合は進学しても子どもが納得できる(親御さんが納得、ではありません)学校の受験を組んでおくべきです。

 すでに1月の埼玉、千葉入試で通える範囲の学校を確保している家庭は落ち着いて2月入試に挑んでより高い目標に向かってほしいと思います。一方で2月一本勝負や1月に残念な結果に終わった場合は、合格する可能性の高い学校を必ず受験するのが得策です。第1志望の学校を軸に、直前も直前ですが日程をもう一度見直してみてください。

 個人的にはあまりお勧めではないのですが、近年は午後入試も充実しています。インターネットでの願書出願が当たり前になり、ギリギリまで受け付けている学校も多いです。この時期に受験プランは容易に変えられないものですが、全滅の悲劇を避けるためにも、3日までに進学先を確保し、4日以降に挑戦した学校があるなら思い切ってトライしてください。1校でも「合格」というお守りはとてもご利益があります。

1つの「合格」が次の挑戦への何よりの活力になる

受験校選択で威力を発揮する持ち偏差値の高さ
 受験直前に行っても仕方のないことですが、5年生以下の親御さんに理解してもらいたいのは、進学先の選択肢を広げるためにこそ、持ち偏差値は高い方が良いのです。偏差値の高い、難関校学へ行くのが目的ではなく、偏差値が高ければ受験候補に挙げられる学校がいくつもあり、さまざまな可能性が広がります。

 偏差値が高ければ受験校の組み合わせもバラエティーに富み、自分の将来やりたいことを目指せる環境が整っていたり、入りたい部活があったりなどで決めることもできます。成績が伴わなければ、選べる学校も減って、限られた範囲でしか考えられず、受験を窮屈なものにしてしまいます。直前で悩み慌てないためにも心に留めておいてほしいことです。(受験デザイナー・池ノ内潤)

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