中学受験・国語 公開模試で偏差値アップ(2)

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分からない問題は深追いするな
・1分以内でザッと設問に目を通す

「寄り道問題」の代表格は語句の意味
・「ぼんやり読み」は空欄補充問題で克服
・選択肢を分解して印を付ける
・印付け、分解の例
・選択肢の分解 「締め」にカギがある
・知っているだけで成績はグンと上がる

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分からない問題は深追いするな
 漢字・語句が終わったら読解問題です。物語文、説明文のどちらから取りかかってもよいです。得意な方からでも、冒頭をちらと読んで「イケそう」と直感で思った方から攻めていくのもいいでしょう。とにかく、その場で瞬時に判断する機敏さが必要。迷いそうだなと、予測できるのなら前もってどちらで行くか決めて試験に臨みます。

 解く時間は20分ずつなど2で割らなくてもよく、早く終わりそうなものから解き始めるのもおすすめです。ただ、予想以上に時間がかかりそうなら、あまり深く考えないこと。リズムが乱れて、後の流れが悪くなります。2つ目の大問にかかる時間もあるので、直感でもいいのでまず答えを出し、問題の頭に印を付けて、残り時間があったら考えましょう。

「物語文」か「説明文」か、当日迷っている時間はない

1分以内でザッと設問に目を通す
 どちららからやるにしても、まず素材文(問題文)をやる前に、どんな設問があるのか、ざっと目を通しましょう。時間にして1分以内です。

 登場人物の気持ちを問う問題、空欄に接続詞を入れる問題、傍線部の語句の意味を問う問題、本文からの抜き出し、そして読解最大のヤマ場、記述問題など、出題形式はバラエティに富んでいます。

設問の全体像を先につかみましょう

「寄り道問題」の代表格は語句の意味
 その中から、本文を最後まで読んで答えるべきもの、素材文を読んでいる最中にその場所に来たら寄り道をして解答できるものを大別します。「寄り道問題」の代表格は語句の意味を聞いているものです。文中で出てくる語句、たとえば「うまが合う」「はにかんで」など、前後を読んで文章内での意味に近いものを選ぶ必要があるものの、語句の意味さえ知っていれば「瞬殺」レベルです。

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 これだけでも2問あれば1つ3点で6点とれます。偏差値にして科目別では3くらい変わってきます。57だった子が60に到達します。これは大きいです。日常的に語句の学習を怠らないように、というのはこういうところでものを言うからです。

語句の勉強は日々進めよう

「ぼんやり読み」は空欄補充問題で克服
 空欄に語句を入れる問題も、流れが追えていれば選択肢を見なくてもあてはまる語句が浮かんでくるものです。説明文なら接続詞が代表的。物語文なら「さらさら」「つるつる」など擬態語を入れる問題も多いです。

 国語の苦手な生徒の特徴として「ただぼんやりと問題文を読んでいる」という傾向がありますが、空欄補充問題があれば、そこはややスピードを緩めてよいので、物語の展開や説明文の言葉の積み重ね(どういうことを筆者は順番に説明しようとしているのか)を丁寧に追ってください。

 それと頭な中で考えず、空欄にあてはめる語を書き込むこと。それを読み返してみれば、しっくりくる(正解)か、なんかヘン(間違い)かを感じることができます。偏差値を上げるには、そういう「ひと手間」も大切です。

 読み切ってから答えるのが理想ですが、試験は限られた時間内でどれだけ得点を重ねるかの勝負です。ちょっとした寄り道で答えられるものは、効率よく処理していきます。

空欄補充問題は「ぼんやり」読み解消に効く

選択肢を分解して印を付ける
 続いて傍線部の内容や理由などを問う「選択肢問題」です。本来は記述で堂々と「大量得点」を取って国語の偏差値アップといきたいのですが、偏差値55くらいまでの子は、選択肢問題で5点くらいを確実に取れるようにして、プラスアルファで記述へ、というのも1つの戦略です。

  よく言われることですが、選択肢を分解して、その部分が素材文の内容と「合っている=○」「間違っている=×」「言い過ぎ(あるいは足りない)=過不足=△、▽」「書かれていない××」の印を付けていきます。

選択肢を分解し○、×、△などで素材文との内容を比べる

印付け、分解の例
簡単な例を挙げてみます。普連土学園中学で出題されたものです。

問 傍線部①「他人行儀な感じ」とありますが、その説明として最適なものを選びなさい。

 ここでは正解の選択肢と間違いの選択肢を1つずつ示します。

(正解)娘が成長し自分から離れていくような気がする さびしさ
                 ○           ○ ○
(誤答)中学生になった娘のことが 分からない自分に対して腹立たしさ
        ○            △         ×   

 素材文がないので、何のことか分からないかもしれませんが、素材文には、中学2年になった娘が家に友人を連れてきたところ、作家として自宅を職場にしている父親が休憩するために出てきて娘と友人と顔を合わせたシーンが描かれており、世話を焼こうとする父親に娘が、父親のラフな格好も相まって邪魔者扱いをする、といった場面です。

 娘が中学に上がってから、父親の呼び方が変わったことを「他人行儀」と感じていました、それはどういう意味ですか、というのが問題です。その代表的な選択肢を分解したのが上の2文です。

選択肢を分解し、比べることで正解を導く

選択肢の分解 「締め」に正解へのカギがある
 ポイントは選択肢を3つくらいのパーツに分けて、素材文の内容と照らし合わせて正誤を判定します。表現を替えたりはしますが、書き出しはあまり間違っていることはなく、付番目の部分から最後、特に文末の「締め」の言葉が解答のカギになることが多いです。ここには「気持ち」や「行動の理由」「筆者の主張」が置かれる場所だからです。

 「他人行儀」とは、家族や友人など近い間柄なのに、どこか遠ざけているようなことを言いますが、それを「自分から離れていくような」という表現で示しており、それが「さびしい」のか「腹立たしい」のか、と考えます。腹立たしく、イライラしているのは娘の方で父親ではありません。選択肢の中で誰のことが聞かれているのか、見失わないようにしましょう。

選択肢の最後の部分「締め」にポイントがある

知っているだけで国語の成績はグンと上がる
 長くなりましたが、選択肢問題はぼやっと選択肢を読まないで、3パーツくらいに分け、それを1つずつ素材文と照らし合わせてみること。特に最後の言葉は答えのカギになる、これを知っているだけでも、国語の成績はグンと上がります。試してみてください。(受験デザイナー 池ノ内潤)

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