中学受験 親のサポートを嫌がる子どもの対処法

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・成績が伸びる3条件 伸びないのはその真逆
・“表面上”は撤退“水面下”ではマメに
・家庭教師、当たれば爆発的に伸びる
・右往左往するくらいなら突き放せ
・親御さんを避けた子は「勉強の自立」が早い

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★成績が伸びる3条件 伸びないのはその真逆
 中学受験には親御さんの伴走、サポートが必須、と何度も述べてきました。自分で黙々と勉強するなら、学習面での親御さんの関与はそれほど必要ないのですが、それはレアケース。受験での良好な親子関係と塾との緊密な連携が成功への最短距離です。

 しかし、そう理想的に事は運ばないのが中学受験です。主役である子ども自身が乗ってくれないとなかなか前には進みません。特に親御さんが勉強に介入することを嫌がる、極端な場合は拒む子どもの場合は手を焼きます。

 中学受験で成績が伸びる子の特徴は①ワクワク感をもって学習に取り組める②×を食らっても粘り強くやり直して○にする③人の話を素直に聞ける、の3点だと思いますが、親御さんとの二人三脚を避ける子どもの勉強傾向は、この3点と真逆のケースがほとんど。成績、偏差値とも伸びない理由は地頭の良し悪しというより、性格にあるとも考えられます。

ワクワク感を持って授業に臨む子は伸びる

★“表面上”は撤退“水面下”ではマメに
 親御さんに反抗したり、聞く耳を持たない子どもを説得しようとしても、よほど子ども自身が追い込まれない限りは難しいでしょう。それならばいっそのこと、“表面上”は一切子どもの勉強サポートから手を引いてしまいましょう。代わって塾の先生にお任せするのです。

 “表面上”としたのは、子どもの勉強そのものは見ないものの、子どもの現状は親御さんも常に把握しておく必要があります。小テスト、ノート、テキスト…どのような答案の内容で、ノートはどうとっているか、テキストの問題はどの程度できていて、宿題はやってあるのか、など状況は知っておかなければなりません。

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 そのうえで塾の先生と連携を図ります。親御さんと先生で情報を共有し、どう子どもを導いていくか協議します。この先生との“水面下”のコミュニケーションがみそで、親御さんがマメに働きかけるからこそ、先生は目を配ってくれるのです。基本的に親御さんからのアクションがないと、塾側から子どもにアプローチすることはありません。いくら成績が悪くても、現状に困っていないとみなされてしまうのです。先生との緊密な連携が難しいのなら、個人経営の面倒見の良い塾に移るのも選択肢としてはあります。

水面下では必ず子どもの現況の把握を

★家庭教師、当たれば爆発的に伸びる
 塾の先生に注意深く見てもらうことで、気が付いた時にはもう手遅れ、ということは回避できそうですが、成績、偏差値が飛躍的にアップするかどうかといえば「本人次第」です。先生が教えてくれたことをその場でわかったとして、復習しない子もいれば、それをバネにしてさらに上を目指す子に分かれるからです。

 自力で復習しない、できない場合は、本来親御さんがアシストする家庭学習の範囲を家庭教師にお願いするという手もあります。費用がかさみ、誰もが簡単にお願いできるというわけではありませんが、背に腹は代えられないとばかり出費する親御さんも少なくありません。家庭教師は塾以上に「あたり・はずれ」のある世界ですが、あたれば爆発的な成績アップが期待できます。

家庭教師は「当たれば」伸びる確率が高くなる

 担当の先生は叱咤激励タイプの先生はあまり人気がなく、話が面白いお兄さんタイプや優しく導いてくれる女性の先生が続きやすく、成績も伸びやすい家庭教師として人気があります。

★右往左往するくらいなら突き放せ
 塾の先生や家庭教師が親御さんの“代役”として機能すれば、十分ではありませんが何とか穴はさがります。しかし、この両者のことも受け入れず「独自路線」の子もいます。自分で何でもバリバリやってしまい、成績も優秀というわけではなく、かたくなに自己流を貫き、無駄が多く、偏差値も伸び悩むタイプです。

 その心のうちは「単に人に指図されるのが嫌」「分からないことを認めるのが格好悪い」「どうして中学受験をしなくちゃいけないのか納得していない」などさまざま。子どもが100人いれば100通りかもしれません。親御さんは何とか軌道修正をしようとしますが、大抵はうまくいきません。対処法が分からず、右往左往するよりいっそのこと突き放してしまうのもありかもしれません。「勉強のことは一切何も言わないから、自分で何とかしなさい」と。

 大変失礼な書き方ですが、このタイプの子の受験はギャンブル的要素が強いです。親御さんに「知らない」と言われ、自力で中学受験を勝ち抜く道を模索し始める子もいれば、解放されたとばかり輪をかけて勉強しない子もいるでしょう。それも含めて、その子の中学受験です。

親御さんが突き放すことで自分の道を見つける子もいる

★親御さんを避けた子は「勉強の自立」が早い
 最後まで親御さんをハラハラさせる受験になりますが、親の伴走を早くから避け、自ら次の一歩を踏み出したタイプは実は「勉強の自立」も早いです。受験直前には見違えるような落ち着きと自分のメソッドを確立して、いい結果を出します。人に言われずとも周囲のことを見聞きして、何かを感じ「ここから抜け出すには…」と自力で考えるからです。自分で試行錯誤した勉強を積んだ子は、中学入学後、高校進学、大学受験とハードルが上がるたび威力を発揮します。(受験デザイナー・池ノ内潤)

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