なぜ人気?女子大附属は「コスパ」良し

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健闘した伝統のある女子大附属中学
・2年で志願者倍増の昭和女子大附属

「歩留まり」率高く人気の「ポンジョ」
・大妻、共立系は母親のイメージでアップ?
・跡見、実践も…女子大附属人気は続くか

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★健闘した伝統のある女子大附属中学
 私立中高一貫校は一部の難関校や一部の人気校を除いて、「隔年現象」で志願者の増減を繰り返します。しかし、コロナ禍での21年度入試でも志願者数が落ちず、3年連続やそれ以上の年数右肩上がりで推移している学校もあります。

 特に今年の入試では伝統のある女子大の附属が健闘し、志願者数を伸ばした中学の存在が目立ちました。

★2年で志願者倍増の昭和女子大附属
 その代表格が創立1920年(大正9年)という超が付くレジェンド校の昭和女子大附属昭和中(東京都世田谷区)。21年度は「スーパーサイエンス」入試を新設したものの、定員は前年と変わらない160人の入試を実施。前年比6%増の計1389人が志願しました。19年度入試で前年比43%増を記録して以来、20年度に志願者が1000人を優に超え、今年は2年で倍増したことになります。

 米ペンシルベニア州立テンプル大学のジャパンキャンパスが大学内に誕生し、国際学部はテンプルでの学位取得もでき「国内留学」が可能になったことや、就職率が日本の女子大で9年連続No.1(20年春時点)という実績、最近厳しすぎるといわれた校則が若干緩くなったという噂など、さまざまな背景がありますが考えられます。しかし、最大の決め手は人気上昇中とはいえ、偏差値がまだ“手ごろ”(四谷大塚の合不合格判定テストで一番志願者が多い2月3日のC試験で46)だということが志願者増の裏にはあると思います。特に21年度はコロナ禍による「安全志向」入試という傾向も追い風になりました。

 ただ、実際の受験者数から合格者を割った実質倍率が軒並み高くなっているので、22年度は結果偏差値でどれくらいの数字が出るかで、今後の伸びは変わってくるかもしれません。

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「国内留学」が可能なのは魅力

★「歩留まり」率高く人気の「ポンジョ」
 川崎市多摩区にある日本女子大附属中も3年連続で志願者増です。20年度に前年比31%増となり、さすがに今年は…と懸念されましたが、2回の入試で658人が志願。前年比7%増と人気は健在でした。第1志望として受験する女子も多く、合格してすぐ手続きをする「歩留まり」率も高いのが特徴です。

 大学入試改革が不透明な時期に知名度の高い「ポンジョ」への推薦入学率が約5割で、大学にない学部を受験するのなら入学の権利を持ったままチャレンジできるのは魅力的です。加えて5年連続で東大合格者を輩出、指定校推薦でも早慶上理の枠を持っているなど、親御目線から見て安心感があります。ここも偏差値から見て“手ごろ”で、同じく四谷大塚の80%偏差値は2月1日が52、3日は53と、真ん中やや上で合格の可能性が高くなります。倍率も2倍程度と、激戦必至の大学附属にしては落ち着いており、この点も狙い目の要因の1つです。

第1志望率も高い日本女子大附属

★大妻、共立系は母親のイメージでアップ?
 30年前の1991年(平成3年)当時の各中学校の偏差値と現在の偏差値とでは大きく違っている中学校がいくつかあります。女子大の附属中学でみると、大妻と共立という伝統校がそれにあたります。日能研の偏差値で2月1日を比べてみると91年の大妻、共立両中学は62(当時は国語、算数の2科)。20年の両校の同日の偏差値は大妻が54、共立が52(合格率80%のR4偏差値)と大きく変わっています。

 それでも21年入試は大妻女子大系4校では大妻中野(東京都中野区)を除き合計の志願者数が増加。共立女子大系2校では共立女子(東京都千代田区)が「隔年現象」の影響を受け、28%減となりましたが、共立女子第二(八王子市)は志願者増でした。

 両校とも30年前とは違い、内部進学で大学へ行くというより、他大学の進学が主流になっていますが、ちょうど親御さん世代が受験生だったころに「難関校」だった両校のイメージが強く、愛娘を通わせたいという願望も少なからずあるようです。志望理由の中には「伝統」や「安心感」を挙げる親御さんも多いと聞きます。両校とも現在の偏差値は受験生の平均的水準のため、受験しやすいという側面がここにも表れています。

大妻、共立は親御さんのイメージ良し

跡見、実践も…女子大附属人気は続くか
 ほかにも2025年に創立150年を迎える跡見学園中(東京都文京区)、21年度入試に「思考表現」という新しい入試機会を設けたり、応用問題を出題しない基礎力をみる問題に特化した試験を行うなどの工夫を施した実践女子学園中(東京都渋谷区)が志願者増となりました。

 男子でも大学受験で浪人が許されないような風潮の中、女子の場合、大学附属中・高に通い、内部進学の「保証」が得て、さらに夢に挑戦するという選択は「コスパ」としてみた場合とても良いのです。しばらくは女子大附属中学人気が続きそうな気配です。(受験デザイナー・池ノ内潤)

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