手遅れになる前に…気を付けたい過去問の取り組み
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・過去問の時間確保は悩みの種
・ 意味ある?「過去問10年分3周 」
・「点数が良くなった」 の裏に…
・「過去問との相性」 の前提条件
過去問の時間確保は悩みの種
6年生秋は通塾日数も時間も増え、家庭学習の時間を捻出するのが難しくなります。
あれもしたい、これもしたいと計画を立てても、思い通りに進む受験生は「ほぼ皆無」と言っていいでしょう。成績に関わらず、親御さんの共通の悩みです。
時間の確保が難しい中でも、過去問を解く時間は真っ先につくらなければなりません。
1回やれば最低でも3時間はまとまった時間が必要です。科目ごとに小分けしながら進めている家庭が多いのもそのためです。
過去問は「解いて何点だった」「合格最低点突破した」のやりっ放しでは意味がありません。「解答分析」「誤答、弱点の解き直し」「類題演習」という、「アフターケア」とセットで考えます。アフターケアは理社は比較的早く終わりますが、算数と国語の記述はどうしても時間が必要になります。
意味がある?「過去問10年分3周 」
よく合格体験記などで「第1志望の過去問を10年分3周しました!おかげでやるたびに得点が上がり、入試前には合格最低点を超えて安心して試験に臨めました」などという「血と汗と涙の合格記録」があります。すさまじい執念です。
しかし、それほどの時間がよくひねり出せたな、と関心はするものの、実はあまりお勧めできる過去問の取り組み方とは思えません。
やり直すことが悪いのではありません。過去問を合格点最低点を突破するまで、何度もやり直すことに意味がないからです。
誤答したもの、正解にはなったものの実はよく分かっていない、という問題に再度取り組み「不具合」と「あいまいさ」をクリアにした後は、塾のテキストや先生の指示を仰ぎ、類題演習でスタイル(出題パターン)が変わっても、自力で正解にたどり着く状態にするのが、過去問有効に使ったというやり方です。
「点数が良くなった」 の裏に…
一度やった過去問の分析をしっかり検証せず、採点だけをしてマルだった、間違っていた、何点だ、とやっても合格にはつながりません。
特に子どもに丸付けや過去問のスケジュールを任せている場合は注意です。解き直しをしてみて「やった!前より点数が良くなった」なんて親御さんへ報告に来ても、前回の丸付けで正答の記号や言葉を「覚えていた」だけ、という可能性が十分にあります。
子どもを信用しないわけではありませんが、大人から見て「そんなことをしても仕方がない」といったことでも、子どもはやります。それだけ「不安」なのです。
入試が近づいてきて志望校の入試問題を目の前にして、手も足も出ないのは「恐怖」以外のなにものでもありませんです。現実を直視できるほど強くなく、出来が悪ければ親御さんの厳しい言葉が…。そう思うと、こっそり解答を見て写していることさえあります。
「過去問との相性」 の前提条件
「過去問との相性」を志望校合格、とりわけ「逆転合格」の切り札的存在のように中学受験の世界では語られます。中にはこれさえ合えば、普段のテストや模試の成績は関係ない、とさえ言い切る人もいます。
これにはあまり説明されていない「前提条件」があります。「基礎、基本ができていれば」という話です。
基礎、基本が「ある程度」積み上がっていない受験生は、偏差値50以上の中堅校レベルを受けても「逆転合格」は見込めません。逆に言えば、基礎がある程度出来上がっている子は、一時的に落ち込んだ模試の偏差値や合格判定を気にせず、前を向けば大丈夫。合格可能性50%なら、それ以上の確率で合格できます。
基礎が不安定だと、点を取るべき問題を「ケアレスミス」(本当は実力不足)でポロポロ落とし、算数の1行問題、国語の文章題でも「読解力」がないため、トンチンカンな方向の答えを書く可能性が高く、合格にたどり着けません。
だからこそ、過去問を通じて、できなかったところ、正直よく分かっていないところを復習し、自力で解答を導き出せるようにし、できれば類題演習で違う問われ方をした時にできるように、入試までの残り時間で徹底します。
大手塾の「日曜特訓」の「志望校別講座」が、なぜ過去問集=赤本に掲載されていない、その学校の古い過去問をテキストに使って演習を繰り返すのかは、近年の問題の類題演習として「最適」だからなのです。
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