激戦必至!23年東京・神奈川人気の9校と併願校

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神奈川との併願もありの駒場東邦
過去10年で最多の海城
女子校は「理系、英語、新校舎」
・志願者増の大学系2校は個性的

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神奈川との併願もありの駒場東邦

東京・神奈川の中学入試の出願が全て終わったわけではありませんが、いくつかの学校が募集を締め切り、あるいは締め切り間近となり、おぼろげながら「形」というのが見えてきました。

現時点で23年度入試において志願者増となっている、「中身」はともかく「数の上」では「激戦必至」となる中学がざっと9校ほど(言及した男女御三家、早稲田系を除く)あります。

男子難関校の一角、駒場東邦と海城は前年より志願者増の入試になります。一発勝負の駒場東邦は前年比8%増(46人増)の611人が志願「隔年現象」を繰り返す学校ですが、一時500人台前半まで落ち込んだ志願者数も、まめにホームページを更新したり、OBをチューターとして活用し、補習態勢を強化するなど外部に向けての発信力を強化。志願者数がここ5年では2番目に多くなりました。

第1志望組が多い学校で、実質倍率は2倍程度。昨年は追加合格23人を出しました。1日午後に近距離の東京都市大付属、世田谷学園算数1科を受験する子もいます。2日は本郷2回目との併願が目立ちますが、神奈川とのアクセスも良いため、聖光学院、栄光学園、浅野などとの併願も一定数みられます

合格発表は2日。ここで残念な結果だと、3日に海城2回目、浅野、4日に芝2回目、サレジオ学院3回目などへと進みます。

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過去10年で最多の海城

海城は1日の1回目入試が10%増(57人増)の602人、3日の2回目が8%増(103人増)の1418人が出願しました。1回目入試は2年ぶり増加もここ10年では最高の志願者数となり、2回目は5年連続の増加で、こちらもここ10年で最多になりました。21年9月に大学並みの実験設備を備えた「新理科館」が始動したのが志願者増にも寄与しています。

入試そのものは2回とも3倍前後の実質倍率と予想できますが、レベルの高い勝負になります。1回目合格発表は2日。併願校としては本郷、城北、巣鴨、攻玉社、桐朋、広尾学園などそれぞれ。住んでいる地域や過去問との相性も選択の要因になります。

3日の2回目入試は開成、麻布受験組との併願者が多く、海城の1回目入試残念組の再挑戦はなかなか骨の折れる勝負になります。1回目不合格、2回目合格の可能性は1割強、多い年で2割強といったところです。やはり「1回目必殺」が海城入試の鉄則です。

もう1つ男子校で元気なのが佼成学園です。締め切りは31日ですが、26日時点で1日の1回目入試午前(一般)で前年比13%増(19人増)の165人、午後(特別奨学生)は19%増(35人増)の239人が出願。特に前年実質倍率が14.2倍となった、特別奨学生の人気が高いのが驚きです。

特奨で入学すると入学金と中学1年時の授業料約70万円が免除されます。人気の背景には「進学実績の向上」と「面倒見の良さ」が挙げられます。21年度は早稲田1人、慶應3人だったのが、22年度早大16人、慶大10人の計26人が合格。一気に6.5倍の数字になりました。朝7時から夜8時までほぼ年中無休で自習室を開放、高3になると夏期講習は30日以上開講され、難関大学に合格したOBがチューターとして、現役合格をサポートしてくれます。

即日午後10時合格発表のため、第1志望なら2日入試はトライしなくても済みます。併願校としては前受けに埼玉栄、宮崎日大を選ぶことが多く、特奨受験の場合は、1日午前に日大二中を受験して午後受験に臨むパターンがみられます。

海城の「新理科館」

女子校は「理系、英語、新校舎」

女子校は4校が注目です。そのキーワードは「理系、英語、新校舎」です。

「あなたは世の光、地の塩」という聖書の言葉が校名の由来の光塩女子学院。28日が1日と2日入試の締め切りですが、1日の自分の意見を自由に述べる問いもある総合型入試は前年比21%増(15人増)の85人、2日の2回目は5%増の134人が出願しています。即日発表ですが、2日入試を受けるなら、三輪田学園やカリタス女子の1日午後入試が考えられます。

90年以上の伝統あるがあるキリスト教系の女子高は校則が厳しそうというイメージとは違って「一度知るとホレる」というほどファンが多い学校です。医歯薬理工系の進学者が多い桜蔭や豊島岡女子学園を除いて女子校の中では珍しく、高校に入ると文系より理系選択が多いという特長があり、「リケジョ」にはもってこいです。

神奈川の湘南白百合もイメージと違って理系の女子が多い一貫校です。締め切り4日前の26日現在で23年度は1日午後の算数1科入試は前年比32%増(35人増)の145人、2日午前の4科入試は40%増(88人増)の310人、同午後の国語1科入試は73%増(107人増)の254人と「日の出の勢い」です。他校を併願するとより、同校を合格するまで、といった子熱望組が多いです。

1科入試が2つもあり、また4日もあるなどチャンスが多いこと、実質倍率も2倍に届いていないため合格が身近に感じる、ということで挙げられます。加えて光塩と同じく、理系の進路選択をする生徒が、文系よりも若干ですが多い女子校です。その「土壌」を利用して、さらに理系進学を強化しようと20年度から算数1科入試が始まりました。

「英語」で女子校といえば、東洋英和女学院です。1日入試が前年比14%増(38人増)の262人が志願。1日午後の併願校としては、山脇学園、東京女学館が多いです。1日残念で、3日再挑戦の場合は合格率は20%に満たない年も多いです。

品川女子学院は1日午前の4科入試で前年比11%増(28人増)の284人、午後の算数1科も8%増(20人増)の259人が志願。31日締め切りまでまだ伸びそうです。ここも湘南白百合同様、複数回エントリー組が目立ちます

2025年の創立100周年事業として、新校舎への建て替えが進み、22年夏に一部がお引越し。最終的には25年中の完成ですが、「キレイな校舎」は魅力的です。広くなった校内コンビニにアイスクリームの自販機も女子の気持ちをくすぐるのかもしれません。加えて、早慶上理の難関私大4校の指定校推薦枠もあり、親御さんにとっても嬉しい限りです。

品川女子学院の新校舎完成予想図

志願者増の大学系3校は個性的

人数的には各回100人に満たない入試規模ですが、確実に志願者を増やしているのが東京都北区の東京成徳大中学。締め切りまでまだ余裕があるにもかかわらず、6回の入試機会で男女ほぼ全て前年の志願者数を上回っています。

実質倍率が2倍に満たない回が多い「受験のしやすさ」とともに英語教育に力を入れているのが特長。中2でフィリピン・セブ島に2週間の短期語学留学を経験した後、3年の3学期に今度はニュージーランド留学(希望制)。NZに行かなくても国内で「英語漬け」の毎日となります。

東京成徳大への進学は卒業生の2%程度。進学のボリュームゾーンは日東駒専からMARCHへ移行しつつあります。併願校としては前受けは獨協埼玉、都内だと男子が京華や日本工業大駒場、女子は淑徳巣鴨、日大豊山女子なとです。

日大系の目黒日大は男子は微増ですが、女子人気がここにきて過熱気味です。1日入試は31日締め切りですが、26日現在午前が前年比43%増(39人増)の129人、午後が37%増(25人増)の89人が出願。22年度は午前の実質倍率3.2倍に対し、午後入試は12.3倍という大激戦にもかかわらずの志願者増です。

高校から編成される「スポーツ・芸能クラス」を目指す子が多いと見られ、日大進学なども視野に入れつつ、個性的な6年間を過ごすプランを立てています。併願プランとしては八雲学園や日大豊山、豊山女子を受けたり、目黒日大のみで通す子もいます。

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