ヤバい…中学受験と「オヤジの狂気」

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エスカレートする「父親の狂気」
参戦オヤジの昭和スポ根成功体験
父親は月「夜道」の時が出番
・受験成功へ 父親の「後方支援」

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エスカレートする「父親の狂気」

中学受験の世界を描いたコミック「二月の勝者―絶対合格の教室―」の有名な言葉、中学受験の成功は「父親の経済力と母親の狂気」によるもの、というのがあります。

しかし、最近は母親だけでなく、「父親の狂気」も目立ちます

勉強計画や子どもの成績をエクセルを使って管理する「エクセル親父」という言葉も一時聞かれましたが、子どもの学習に「伴走」というより「監視」して、その支配下で勉強させている父親は肌感覚ながら増殖中です。

家庭学習の予定が終わるまで寝かせない、出勤前に必ず子どもと勉強する、塾のテキストを信用せず、独自の教材を作って受験勉強をコントロールする…程度の差はありますが、度を超すと「狂気」に映ります。

家庭内だけでなく、外でも「狂気」は発揮されます。

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模試の日も会場へ付き添い、行きは電車内で出題されそうな内容をチェックさせ、帰りはファミレスや電車の中で答え合わせ。子どもを叱責している姿を見かけることも珍しくありません。

参戦オヤジの昭和スポ根成功体験

中学受験に「参戦」する父親はさまざまなタイプがいます。

一番多いのは受験や勉強に関して「腕におぼえあり」というタイプ。学生時代にその方面では「ならした」人が多いです。

特に努力に努力を重ねて、難関国立大学や早慶などに合格したお父さんは絶対的な独自の「成功メソッド」を持っています。

それを我が子に適用しようとする「成功体験」の伝承が父親指導「あるある」です。

楽しく、好奇心をくすぐるような勉強とは正反対の「昭和スポ根」的なノリです。

できたことを褒めるというより、できて当たり前、まだまだ足りない、と「しごき」状態です。間違ったり、鉛筆が止まっていると「こんなものがなぜできないんだ!」「気合いが足りない」などと罵倒します。

励まし方も「お父さんも悔しさをバネに這い上がったんだ」と困難克服の向こうに「栄光」が待っている、という血と汗と涙の物語を強調します。

育った時代が違う令和の少年少女に伝わるはずもなく、燃えるどころかく、子どもとの心の距離は開く一方です。

父親は月「夜道」の時が出番

親子でも性格が違うように、父親の受験「成功メソッド」がそっくり子どもに通用するかどうかは分かりません

むしろ子どもは子どもなりに塾で学んだ方法や友人のやり方を参考にして、あるいは自分で考えて勉強法を構築していきます。

デキる子ほど自分に合った勉強法を持ってるものです。気持ちよく走っている時は、そのままにしておくのが、成績が上がる、キープするコツです。

ただ、勉強法が確立していない、勉強法って何?、という小学生が大半です。そんな時こそ「デキる父親」の出番です。

デキるお父さんは子どもに直接教えることはそれほどしなくても、テストの解答内容やテキストを見て、子どもの勉強の状態がどのようなものか、どこに成績アップのヒントがあるかを分析、現状を把握します。

この「現状把握」こそ肝です。子供が行き詰まった状態のとき、その子の「症状」によって、具体的な指示やどうやって勉強を進めていったら良いかの方向性を示すことができるからです。

といっても、答え、解法を伝授するのはNG。あくまで「きっかけ」「糸口」で止めます。暗い夜道の「灯り」になるのが「きっかけ」「糸口」です。

教えられたことはすぐ忘れますが、自ら道をたどって「ゴール」まで行き着いたものは「定着」しやすくなります。

算数の問題を解くにしても、国語の記述を取り組むにしても、勉強したことをいかに自分のものとして「定着」させているかどうかが、成績を上げ、維持するポイントになります。

母親が太陽なら、父親は月。「勉強が分からない」と暗い夜道を子どもがさまよい歩いていたら、静かに照らしてあげればよいのです。

受験成功へ 父親の「後方支援」

父親が中学受験をアシストするのは、何も勉強の場面だけではありません。大切なのは「役割分担」です。

母親がメインで勉強の伴走する場合、父親が母親の手が回らないところをフォローするというのも1つの役割分担です。

塾の迎えや学校説明会の予約・出席、入試当日のための交通機関や経路の下調べ、受験前日のホテル予約、万が一の場合の受験プランを考えたり、下の子がいればその面倒を見る、など「後方支援」すべきことはたくさんあります。

メンタル面でも母親が、子どもが不安になっている時に支えるのも重要な「後方支援」です。

「後方支援」がしっかりしている家庭は、中学受験に成功する確率はかなり高いです。合格体験記などにはあまり出てきませんが、中学受験の「特別賞」を「裏方オヤジ」に贈りたいと思っている妻や子どもは相当数にのぼるはずです。

腕まくりして「前に出る」ことだけが、子どもの中学受験に伴走することではないのです。

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