中学受験「もうない」より「まだある」

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◆中学受験の窓口 今日のメニュー
・「強い気持ちとゆとり」のセット
・寝る間を惜しむより休息と睡眠

・できないの克服よりできるの確認
・新作問題よりテキストの徹底復習

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「強い気持ちとゆとり」のセット

2023年の最終日。埼玉入試が「初戦」の受験生はあと10日、2月が「開幕戦」の子も30日程度のところまで来ました。

ここまでくると「カラ元気」でも良いので前を向いた子、親御さんの方が「勝てる確率」は格段に高くなります。学力が同じなら合否を分ける最後の「ひと押し」は「気持ち」です。

「強い気持ち」とともにもう1つ大切なのが「ゆとり」です。相反するように感じますが、「自分はやれる」という強い気持ちと「あわてるな。時間は十分ある」「俺が、私ができない問題はみんなもできない。気にするな」とくらいのゆとりのセットが入試では一番力を発揮できる精神状態です。

入試まであと10日、1カ月を「もう10日しかない」「もう1カ月しかない」と思うか「まだ10日ある」「まだ1カ月」ととらえるか、言葉以上に学習、入試で結果を左右します。

10日あればやや苦手、ちょっと不安なものを相当数「いける」に変えられます。1カ月あれば、これに加えて「確実にできる」の確認も、ミスしやすいところのチェックもできます。

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極端な話「まだ1日ある」だし、入試でも「また5分ある」です。集中した12歳の子の伸びは親御さんの想像をはるかに上回ります。親御さんも「まだある」という気持ちを忘れずに、です。

寝る間を惜しむより休息と睡眠

入試直前は「もう少し、あと少し」とばかり、勉強量、勉強時間が長くなりがちです。子どもの方も「どうしてその粘りを前から出せない?」とばかり、人が変わったように頑張ります。

ただ、1日や2日無理はきいても、ハイペース、オーバーペースは長続きしません。結局は貴重な残り10日、1カ月の日々でペースをつかめずに終わり、消化不良のまま不安を抱えた状態で入試本番となってしまいます。

これまで長時間集中力を保てなかった子は、追い込みの勉強日程を組む際に、まずは「休み時間」と「寝る時間」を決めてから、間に「何の勉強をやるか」を当てはめていく、という方法が効果的です。

「休み時間」は1回10分程度でこまめに。「15分1本勝負(15分で大問1つを解き切る)」など短時間集中でテーマを決めた勉強を、休息を入れながらやるとゲーム感覚でノッてくる子も多いです。

睡眠時間は最低でも7時間。寝ないと頭が働かないという子は、その子の「適量」は必ず確保します。

「入試は午前中、朝早くから始まる」と朝勉強や早く起きることに頑張る親御さんもいますが、朝が弱いのなら無理やりやるのは逆効果です。入試当日は緊張感で頭は働きます。子どもの「ペースを乱す」ことはNGです。

できないの克服よりできるの確認

「それでは勉強量が不安」という親御さんもいると思いますが、「追い込み」学習は

  • できること、得意なことを「確実に得点にする」ための最終確認
  • ミスすると「取り返しがつかない(得点にならない)」ところの最終確認
  • 「やや苦手、ちょっと不安なもの」をクリアにし得点につなげる

という優先順位をつけて進めます。

残りわずかになると「できないの克服」に進みがちですが、「お手上げ」の問題、単元は残念ながら「リミット」です。この時期が来る前に何とかしておかなければなりません。

それよりも1点でも多く入試でとるためには「確実に得点できるもの」を抜かりなく確認し、ミスしがちなところを個々でカスタマイズしてこれを「撲滅」することを最優先で取り組みます

これにやや苦手、ちょっと不安なものを「できる(自力で解答用紙にアウトプットできる)」状態にしておくことで合格に近づきます。

入試当日も「できなかった問題をまとめたノート」を持ち込んで試験前に見る子もいるようですが、苦い思い出がよぎったり、不安になる可能性が高くなります。

それより「満点の小テスト」「合格可能性80%が出た模試結果と解答用紙」「合格点を上回った過去問の解答用紙」を持ち込んで見た方が気持ちは上がります。

入試直前は「できないこと」を心配するより「できること」を数え上げた方が「合格」するような雰囲気を盛り上げ、それが良い結果に結びつきます

新作問題よりテキストの徹底復習

御三家や難関校を中心に、直前は学校名の付いた「冠講座」も熱を帯びます。講座によっては頻出問題の類題演習や合格に必須の基礎力確認より、新作問題で「的中」を狙って生徒に解かせる塾もあります。

過去問も「最新の1年は残して直前にやるという方針を示している塾もありますが、たまたま「残っていれば」やるだけで、わざわざ残す必要はありません。

それより6年の夏期講習以降に扱った塾のテキストの復習に徹します。きちんと理解していないものに関しては、4、5年生のテキストを引っ張り出してきて確認します。

先を急ぐあまり「あいまい」や「実は分かっていない」ことを放っておくと、入試本場で「致命傷」を負うリスクを高めます。

「細部を詰める」ことは遠回り、面倒に感じますが、実は合格の可能性をグッと引き寄せます。多くの受験生が放置するからです。

分からない、難しい問題は直前期はやらなくても構いません。点数に結びつく、自分の展開に持っていけるところを中心に攻めます。

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