中学受験 大手進学塾「入試報告会」に参加すべし
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・「入試報告会」へ行こう!
・親御さんが知るべき「トレンド」
・客観分析に「使える」配布資料
・合格実績「我が子も!」に繋げる
「入試報告会」へ行こう!
24年度入試もひと段落し、各進学塾は新年度の学習が各学年でスタートしています。3月には24年度入試の総決算であり、新年度の生徒勧誘を兼ねた「入試報告会」が各塾で毎年企画されます。
近年はコロナ禍でオンライン開催が主流でしたが、昨年から本格的にホールでの「リアル開催」が復活。既に大手進学塾では募集が始まっています。
塾生だけでなく、一般からも参加が可能なのが報告会の大きなメリット。新6年生以下の親御さんが中学入試の概要をとらえ、各塾が発行するそれぞれの資料を入手してのちに有効活用する「情報収集」の場として利用します。
情報は多すぎても正確な判断の足かせになりますが、さまざまな角度から分析をすることも必要です。大手塾の報告会の2つ3つ歩くのも「あり」です。
親御さんが知るべき「トレンド」
入試報告会の中心は「入試問題分析」です。
その年度の入試問題の中から、算数は出題が多かった問題の問われ方、国語では文章題の素材文として採用例が多かった書籍からうかがえる出題テーマ、社会では時事問題、理科は各分野の中でよく取り上げられた単元などを解説します。
各教科の責任者の先生の発表形式だったり、座談会形式だったり、塾によってそれぞれですが、比較すると同じ分析をしている点もありますが、多くが別々の視点を持っているところが面白いです。
できるだけ客観的に見ているはずですが、そこには塾としての考え方、生徒に教える際に何を重要視しているかも見えてきます。
問題分析は個々に何が出題されたかに関しては「参考程度」で「そういうものか」程度の認識で構いません。大切なのは、各教科の出題トレンド(傾向、潮流)を報告会を通して知ることです。
国語なら自分とは異なる考え、異文化への共感、貧困や差別、マイノリティなど現在の社会で問題になっていることを学校側が読解問題を通して子どもたちに問うてきます。
理科なら頭の中だけの知識だけではなく実験を通して分かること、習っていなくても問題文で誘導された中でどういう結果が見えてくるか、予想できるかの「見通す力」を試しています。
こういう中学側が入試問題を通して求めている生徒像を親御さんが頭に入れておくことが、子どもに伴走する上での大きなヒントに後々なってきます。
知っていると知らないとでは、勉強の比重配分や子どもの足りているところ、欠けているところの分析で差が開きます。親御さんも「勉強」です。
客観分析に「使える」配布資料
報告会でもれなく配布される各種資料も志望校決定や受験を進めるうえで客観分析の「使える武器」になります。
配られる資料は大まかに入試傾向や入試問題分析、模試や校内テスト結果による合否の目安(難関校・上位校中心)。中学受験のロードマップなどが掲載され、メニューはどの塾の報告会でもそう変わりません。しかし、中身はそれぞれの塾で工夫が見られます。
早稲田アカデミーの「中学入試問題分析資料」は、首都圏の難関、上位、人気校60校以上で出題されたその年の入試問題を各校見開き2ページで4教科の出題傾向、ポイント、難度などを解説しています。
掲載校数とボリュームは圧巻で、特に難関校中心になりがちの出題分析の範囲を大きく広げているのは、親御さんにとってかなり助けになります。
日能研はその年度の各校の出題分野の問題難度が3段階評価で細かく掲載されています。「青山学院の算数・数と計算(難度)A」「大妻の算数・平面図形B」「開成の算数・速さC」といった具合です。難度Aは「日能研生の約6~7割が正解できる」という定義で、Bは3~4割、Cは3割以下となっています。
一覧表のため、具体的に大問の何番とか、小問の何番かは明示しておらず、表と問題を照らし合わせるしかないのですが、これも過去問などに取り組む際に大いに役立ちます。
サピックスの「合格力判定資料」は模試のサピックスオープン、同学校別の模試結果をもとに、その模試での偏差値別に合格者は何パーセントいたかを示しています。
開成や桜蔭、慶應義塾普通部など約10校は見開き2ページの「特集」扱い。過去5年間の偏差値別合格割合と模試の偏差値と実際の合格者数の割合を折れ線グラフが掲載されています。
その年の合格実績から、偏差値別に80~100%合格の青色、50~70%の黄色、10~40%の赤色を明示。偏差値が低くても合格していて、ポツリと青になっている「奇跡の合格」も一目瞭然です。
合格実績「我が子も!」に繋げる
報告会では各塾の合格実績や入塾案内の配布、受験関連の書籍、参考書の販売などもありますが、これはおまけ。難関校の合格実績が良い塾だからといって、我が子が入塾して「その通り」になるとは限りません。
ただ、その「塾が得意とする学校」というのはあります。大雑把に言うと、サピックスなら御三家、早稲田アカデミーなら早稲田系や大学附属校、日能研なら中堅校などです。
塾(通う各教室)の雰囲気と指導の流れに乗り、それによって成績が上がり、維持できる「相性の良さ」が発揮できれば 「塾が得意とする学校」 に合格する可能性はかなり高くなります。
その一端を垣間見るうえでも報告会に参加する意味はあります。終了後に先生でも職員の方でも立ち話程度で良いのでしてみても「感じるもの」はあると思います。塾探しをしている最中だったり、転塾を考えている場合は、報告会参加は一つのきっかけになります。
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