中学受験で苦戦!?小学校で「デキるほうに入る子」
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・中学受験と小学校の勉強は別物
・中学受験優秀層は「物足りない子」
・小学校で「よく満点」はNG
・「デキるほう」から「デキる」へ
中学受験と小学校の勉強は別物
小学校のテストは「よく満点をとってくるのに、塾では一番下のクラス」という話は「中学受験あるある」の1つです。
この現象は簡単に言うと「中学受験の勉強と小学校のそれは別物」ということです。小学校で「デキるほう」に入っていても、中学受験では苦戦する子は少なくありません。ここでいう「デキるほう子」はクラス30人いて、上位6番くらいまでで主に3番から6番の子を対象にして考えます。
「デキるほう」の子が中学受験で苦戦の理由は主に3つあります。
まずはデキるほう子なら「小学校のテストは全く難しくない」ということです。A3程度の大きさの単元確認テスト(カラーテスト)では、教科書に書かれている程度の内容しか出題されておらず、内容が理解でき、先生の言っていることが分かれば正解できます。
算数は数字が違うだけで、計算間違いをしなければ、デキる子なら難なく解けます。満点が当たり前です。国語も新しく学ぶ漢字が読み書きでき、授業でやった文章を素直に読んで、当たり前の答えを書けば満点です。
中学受験になると様相は一変します。国語の読解で出題される素材文は、大人が読む小説だったり、新書で出版されている論説文であることも珍しくありません。
社会の用語にしても、理科の生物や地学分野にしても、高校入試を越えて大学入試に近いものも散見します。
しかも 近年の入試はの理由、現象の原理原則、ものの考え方やとらえ方をきちんとアウトプットしていかないと、点数に結びつかない問題が増えています。単なる知識の習得や用語の暗記だけでよいなら、差がつかないからです。
「デキる子」はここをクリアしていきますが、「デキるほうの子」は 知識の習得や用語の暗記レベル、自分で分かる範囲の思考が限界なので、それに応じた成績になります。
中学受験優秀層は「物足りない子」
2つ目は小学校での勉強はそれほど「深く思考する必要がない」からです。
計算ドリルや漢字ドリルに代表されるように、小学校では習ったことをひたすら反復学習してパターンや知識を覚えれば何とかなります。
発表や調べ物でも本やネットで調べ、それを写せば(コピペすれば)「完了」です。要領の良い子なら難なく「デキるほうの子」になります。
中学受験の勉強は、知識や基本的なルールという「基礎」を固めたうえで、それを組み合わせて発展問題を攻略していくという「ひと手間」が必要です。
パターンで解ける問題なら何とかなる子も多いのですが、「どういう考え方で、どういう方向性で解くか」という「ひと手間」にまで思いをめぐらせないと、中学受験では5年生後半以降「お手上げ」状態になります。
最近は小学校の授業でも「思考力」は重視しています。 通り一辺倒ではない授業を展開する先生も増えています。
それでも限界はあります。クラスレベルで多くの子が思考力や洞察が必要な話題についていけないからです。
本当に「デキる子」は「浅い、表面的なもののとらえ方」では物足りなく、より深く思考する課題に取り組んだり、知らなかったことを教えてくれる塾の勉強の方が面白い!となってますますのめり込み、結果として成績も伴います。
「デキるほうの子」は理解はしますし、それなりの思考もしますが「物足りない」までは至りません。「深く思考する」ことにはあまり関心なく、「自分のわかる範囲」で止まります。
この差は大きく、塾で下位の子は上位の子の「深く思考する」姿勢を「あいつは頭がいいから」で片づけてしまいます。
自分との差に目は向かず、親御さんの多くも勉強量や塾の評判、テキストの良しあしなどに違いがあるのでは…とし、「深く思考する」ことや「好奇心」の差には関心のベクトルがなかなか向きません。
小学校のペースや思考回路のまま塾へ行っても、成績は上がらず、逆に上位クラスの子とは差が広がる一方です。
小学校で「よく満点」はNG
最後は「小学校でよく満点」というところに苦戦の原因があります。
「よく」というのは計算ミスや漢字で書けない字があったり、知識の詰めが甘く間違えて95点とか90点になることも時々あるということです。
中学受験では極端な話「ミスを誘発しやすい問題」ばかりが出題されます。それが小学校のテストでは1つくらいでも、入試になると5つも6つもとなり。結果として点数がとれず「ミスをしない子」との差がついて、そのまま成績の差として表れます。
「ケアレスミス」として片づけて、惜しいとか言っているうちは「下位クラス」からの脱出は難しいです。
もちろんデキる子だって、うっかりミスはやります。計算ミスもやります。ただ毎回のように繰り返しません。
ケアレスミスに分類されるような間違いは、うっかりミスではなく、たびたび繰り返すと厳しい言い方ですが「実力不足」と断言できます。
計算問題をきっちり解き切ることができない、漢字の細部に注意が行き届かない、ものごとを表面的に曖昧にとらえている…。「ケアレスミス」防止に神経を使っていくだけで、人によっては偏差値が10くらい上がります。
まずは「よく満点」で良しとせず、小学校でのテストは「すべて満点」を目標にします。
中学受験で成績の良い子、偏差値の高い子は、難しい問題ができるからというより「ミスが少ない」「点が獲れる問題を確実に正解する」という特長があります。手も足も出ない問題をできるようにする前に「ミス撲滅」です。
小学校のテストを使って、集中力、正確さを身につけて中学受験での好成績につなげます。
「デキるほう」から「デキる」へ
小学校で「デキるほうに入る」子の多くが中学受験に参戦してきます。ただ「デキるほう」では中下位で落ち着いてしまう可能性の方が高いです。
しかし、あきらめる必要はありません。
前述のように小学校では知識を正確にアウトプットすること=ケアレスミスをなくすことに注力しつつ、普段から「なぜこうなるのか」「こういう考え方はできないのか」「逆もありだよね」などと試行錯誤する「習慣」を意識的に続けます。
自然と反応できるようになると「デキるほうに入る子」も徐々にですが「デキる子」に変わっていくきっかけをつかみます。
恐らく国語の記述問題や算数の思考力が必要な記述問題で「解答用紙」に書く内容が全く変わってきます。経験を積み重ね、そこから学ぶ姿勢を崩さなければ、6年生の頃にはレベルが段違いに上がっています。
「思考する習慣」は中高一貫校に進学すると、一番求められる力です。受験で思考力を問うのも「ウチでやっていけるかどうか」を試すためです。「思考力」、大切です。
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