全員高校へ進める?中高一貫校の進級事情
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・新学期恒例?「ああ、やっぱり」
・「落第」組にみられる「傾向」
・「肩たたき」される中3
・偏差値や合格者数で見えないもの
新学期恒例?「ああ、やっぱり」
中学から併設の高校へ進級する「内部進学」は、学校によって条件はそれぞれです。
どこの学校も無条件で全員高校へ上がれるわけではありません。併設の高校へ行きたくても成績に、出席日数に問題があればNGになります。
毎年何人落とす、と決めている学校はないと思いますが「100%全員進級できたことがない」という中学校も少なくないようです。
生徒の間でも「アイツ、ちょっとヤバいんじゃね」という噂は広がります。4月に高校のクラスで姿を見かけないと「ああ、やっぱり」となるようです。
「落第」組にみられる「傾向」
都内のある伝統校では、追試、補習をしたうえでとりあえず「仮進級」という措置をとり、高校1年の成績が振るわなければ「落第」となります。
中学の時はやや甘かった成績の付け方も、高校になると救済措置のようなものが少なくなり、問答無用で落第となる学校が増えます。
後輩に「●●さん」と呼ばれながら過ごす子もいれば、いたたまれなくなって自主退学して公立高校など新天地を求める生徒もいます。
勉強をせず他のことにのめり込んだ結果、というよりは、多くは憧れの中学に入った時点で燃え尽きてしまい、かといって部活動で頑張るわけでもなくという、入学後に勉強する目的も中学生活を謳歌する活力もなくなってしまった子が学校を去っていく傾向にあります。
気になる「奇跡の合格」組ですが、この子たちは中学1年生の成績がカギを握ります。
合格、入学できた感激を胸に頑張れる子はもちろん大丈夫。しかし、本来の実力を顧みず、合格したことに浮かれ、そのままの調子で定期テストに臨んだ子は下位をさまよい、高校進級時に「リスト入り」してしまう可能性が少なくないようです。
ただ、入試の成績と中学時代の成績にあまり相関関係はなく、あくまで入学後の勉強でどうにでもなる、というのが多くの中学校の先生の意見です。
「肩たたき」される中3
私立の場合、多くの中高一貫校が90%以上併設の高校へ進みますが、80%台の学校もちらほらあります。
中には、高校に上がる前、中学3年の秋ごろから「肩たたき」をする中学もあります。平たく言えば「転校のすすめ」です。
絶対評価の成績表で10段階なら「4」や「3」が目立つ生徒は「対象」になります。
定期テストがかなりボロボロでも「5」は付くといいますから、かなり…です。ある大学附属校では、毎年5人前後、多いときで10人を超えるといいます。
決断して方向転換を図る親御さんもいる一方で、せっかく受験をして入学した中学だけに泣いてすがる親御さんもいて、毎年秋は「修羅場」になる中学校もあるようです。
偏差値や合格者数で見えないもの
内部進学の状況は、中学校の学校説明会などで一度聞いておきます。
このあたりの説明を「曖昧」にする学校は「何かあります」。入学後に校風に「合わない」子が多いとか、課題提出や出席にやたら厳しい、とか、あまり公にしたくない事情を抱えているかもしれません。
入学したものの登校拒否になってしまい、残念な結末になる例もあります。
神奈川のある進学校では、今まで「できる子」だったのに、周囲のレベルが高すぎて自信を失い、そのまま登校拒否となり、高校へ上がる際に退学した子もいました。
具体的な数字と、併設の高校へ進まなかった理由は知っておくと、偏差値や大学合格実績だけでは見えない、中高一貫校の側面を垣間見ることができます。
これも「学校研究」の1つのテーマ。親御さんの仕事です。
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